選考対策 / 立場・年代別
配偶者も公務員の場合の考え方
配偶者も公務員という世帯からのご相談です。
片方が民間に出ると、世帯の条件が変わります。
この記事では、変わる範囲と、確認の順序を扱います。
⚠ 制度の扱いは、団体と会社によって異なります。必ず、所属と共済組合に確認してください。
費用は、世帯として分担するものです
民法第760条です。
> 夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。
「その資産、収入その他一切の事情を考慮して」という書き方です。
個々の収入ではなく、世帯として費用をまかなうという前提が置かれています。
したがって、転職の判断も、世帯の条件として整理することになります。
片方の収入や勤務の条件だけを見て判断すると、全体が見えません。
両方が公務員である場合の特徴
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| ① 制度が同じか近い | 休暇、勤務時間、共済 |
| ② 年度の周期が同じ | 繁忙期が重なることがある |
| ③ 異動の時期が同じ | 年度の変わり目 |
| ④ 転勤の範囲が予測できる | 団体の区域が中心 |
| ⑤ 収入の構成が似ている | 給与の仕組みが近い |
①が、世帯の運営を支えている場合があります。
両方が同じ制度を使えるため、休暇や勤務時間の調整がしやすい。
片方が民間に出ると、この前提が変わります。
②について。
年度の変わり目や議会の時期が重なると、世帯としての負担が集中します。
片方が民間に移ると、繁忙期がずれることがあります。
これは、負担の分散として働く面もあります。
変わる範囲
| 項目 | 変わること |
|---|---|
| ① 保険 | 共済から、転職先の制度へ |
| ② 扶養の扱い | 世帯の構成によって変わります |
| ③ 手当 | 住居、扶養、通勤の扱いが変わります |
| ④ 勤務時間・休日 | 会社の制度による |
| ⑤ 転勤の可能性 | 会社の定めによる |
| ⑥ 休暇の制度 | 要件が異なります |
①と②を、先に確認してください。
扶養の扱いは、世帯の収入の構成によって変わります。
扱いは、共済組合と転職先に確認してください。
⑤について。
公務員どうしの場合、転勤の範囲がおおむね予測できます。
民間では、会社の定めによります。
転勤の可能性と範囲を、内定の前に確認してください。扱いは転職にともなう転居と単身赴任に整理しています。
確認の順序
| 順 | やること | 確認先 |
|---|---|---|
| 1 | 保険・扶養の扱い | 共済組合 |
| 2 | 手当の変化 | 転職先の求人票・就業規則 |
| 3 | 勤務時間・休日 | 同上 |
| 4 | 転勤の可能性 | 同上 |
| 5 | 世帯の収支の見通し | 家庭内で |
| 6 | 育児・介護の分担 | 同上 |
1を最初に置いてください。
保険と扶養は、世帯の全員に関わります。
5について。
収入だけでなく、支出の変化も並べてください。
通勤の費用、住居に関する手当、保育の費用。
これらが変わると、手取りの比較だけでは判断できません。
分担の見直し
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 送迎・保育 | 勤務時間が変わる場合 |
| 家事 | 帰宅の時間が変わる場合 |
| 介護 | 急な対応の可否 |
| 学校・行事 | 平日の対応 |
| 休暇の取りやすさ | どちらが取りやすいか |
5行目です。
公務員の休暇の制度と、転職先の制度は異なります。
どちらが急な休みを取りやすいかが変わる可能性があります。
この点は、先に話しておいてください。
伝え方は家族への伝え方と、反対されたときの整理に整理しています。
面接で伝えること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 勤務できる時間 | 送迎などの制約がある場合 |
| 転勤の可否 | 配偶者の勤務地との関係 |
| 急な対応の可能性 | 頻度の見込み |
| 入社の時期 | 退職の手続きの期間 |
2行目です。
配偶者の勤務地が固定されている場合、転勤の可否は条件になります。
「転居をともなう異動は難しい」と、応募の段階で伝えて差し支えありません。
伏せて入社すると、後から調整できません。
経験の言い換えから相談することもできます。
在職中の進め方
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度の確認 | 共済組合、所属の人事担当 |
| 求人を読む | 週に30分 |
| 世帯の条件の整理 | 月に1回、2人で |
| 日程の確保 | 繁忙期が重ならない時期 |
4行目です。
両方が公務員の場合、繁忙期が重なることがあります。
選考の時期を、両方の予定を見て決めてください。
扱いは選考スケジュールの組み方に整理しています。
世帯の見通しの作り方
2人で1枚の表を作ってください。
| 項目 | いま | 転職後の見込み |
|---|---|---|
| 勤務時間(2人分) | 始業・終業 | 同左 |
| 休日 | 土日、シフト | 同左 |
| 通勤の時間 | 片道 | 同左 |
| 急な休みの取りやすさ | どちらが取れるか | 同左 |
| 転勤の可能性 | 範囲 | 範囲 |
| 支出の変化 | 通勤、保育、住居 | 同左 |
「いま」の列を先に埋めてください。
現状が書き出せていないと、比べられません。
そして、この表は、転職しない場合にも使えます。
世帯としての働き方を見直す材料になります。
埋めてみた結果、いまのほうが条件がよいと分かることもあります。
それは、検討が無駄だったという意味ではありません。
判断の材料が揃ったということです。
表は、年に1回見直せば足ります。異動の後が、見直しの機会になります。
よくある失敗
1. 両方が同時に動く
見通しが立たなくなります。
2. 保険・扶養の扱いを確認しない
世帯の全員に関わります。
3. 手取りだけで比べる
支出の変化も並べてください。
4. 手当の変化を見ない
住居・扶養・通勤の扱いが変わります。
5. 転勤の可能性を確認しない
配偶者の勤務地との関係が生じます。
6. 休暇の取りやすさの変化を話さない
分担が変わります。
7. 繁忙期が重なる時期に選考を始める
家庭の運営が回りません。
8. 条件を伏せて入社する
後から調整できません。
まとめ
- 民法第760条は、夫婦が、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担すると定めています。世帯として整理してください
- 変わるのは、保険、扶養、手当、勤務時間・休日、転勤の可能性、休暇の制度です
- 保険と扶養の扱いを、最初に共済組合へ確認してください
- 手取りだけでなく、支出の変化を並べてください
- 両方が同時に動かないでください。見通しが立たなくなります
- 片方が制度を残すことには意味があります。土台が残ります
- 待てることは、行政が相手の求人では大きな利点です
行政が相手の求人もまとまっています。行政が相手の求人を見てみる。
よくある質問
扶養や手当は、どう変わりますか
世帯の収入の構成と、双方の制度によって決まります。扶養の扱いは、共済組合と転職先の制度の両方に関わります。手当については、住居、扶養、通勤の扱いが、会社の制度によって異なります。求人票の賃金の欄で、基本給と手当の区分を確認してください。そのうえで、内定の段階で書面の提示を受けてください。具体の金額と要件は、この記事では扱いません。共済組合、転職先の担当、市区町村(保育料等に関わる場合)に、それぞれ確認してください。扱いは求人票の読み方|どこを見れば実態が分かるかに整理しています。
配偶者が転勤のある職の場合、どう考えますか
転勤の範囲を先に確認してください。公務員の場合、団体の区域が中心となることが多く、範囲が予測できます。そのうえで、自分の転職先の転勤の可能性を確認します。両方に転勤の可能性があると、世帯として調整が難しくなります。対処は2つです。1つは、転勤のない求人に絞ること。もう1つは、在宅勤務が可能な求人を見ることです。勤務地の制約が小さくなります。なお、「転居をともなう異動は難しい」は、条件として伝えて差し支えありません。伏せて入社すると、調整ができません。
どちらが先に動くべきですか
判断の材料は3つです。1つ目は、条件の合う求人が、どちらの分野に多いか。2つ目は、どちらが休暇や勤務時間の制約が少ないか。3つ目は、繁忙期がいつかです。この3つを並べると、順序が決まります。なお、同時に動かないことを優先してください。片方が先に移り、生活の形が落ち着いてからもう片方が検討する。この順序であれば、判断の材料も揃います。先に動いた側の経験が、もう片方の検討にも使えます。扱いは何社くらい受けるべきかに整理しています。