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選考対策 / 立場・年代別

係長級からの転職

係長級は、実務と運営の両方を担う立場です。

ところが、職務経歴書では書きにくいという相談を伺います。

この記事では、判断の範囲の示し方と、求人の選び方を扱います。

自分が何を決めていたかは、規程で確認できます

地方自治法第153条第1項です。

> 普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部をその補助機関である職員に委任し、又はこれに臨時に代理させることができる。

事務の一部を職員に委任できるという仕組みです。

多くの団体では、これを踏まえた事務の専決に関する規程が置かれています。

職位ごとに、どの事項を決裁できるかが定められているわけです。

つまり、自分が何を決めていたかは、文書で確認できるということです。

規程を確認して、自分の職位で専決できた事項を書き出してください。

これが、判断の範囲の説明になります。

係長級で担っていること

項目内容
① 係の事務の進行の管理人数、業務の量、期限
② 困難な事案の処理例外、前例のない事案
③ 決裁専決できた事項
④ 他課・他団体との調整相手と、内容
⑤ 後進の指導人数、作った資料
⑥ 上位への説明課長、部長、議会

①と③が、中途採用で読まれる中心です。

②について。

標準の手順で処理できない事案は、係長級に集まります。

この処理の経験が、専門性の証明になります。

書き方の例

悪い例

> ◯◯課で係長として、係の業務を担当しました。

良い例

> ◯◯課の係長として、職員◯人の係の事務の進行を管理。年間約◯件の申請の処理について進捗を確認し、遅れの見込まれる案件を事業課と調整。制度の要件に当てはまらない事案について、類似の事例と関係法令を確認したうえで判断の方針を整理し、◯件を処理。新任の担当者◯人に対し、確認の手順書と記入例を作成して指導。

「人数」「件数」「判断」「指導」が入っています。

基本の型は公務員の職務経歴書|民間で読まれる形にする基本に整理しています。

言い換えの対応

役所の言葉民間での読まれ方
係の事務の進行の管理チームの進行の管理
専決一定の範囲での決裁の権限
困難事案の処理エスカレーションの対応
他課との調整部門間の調整
要綱・様式の整備業務の手順の設計
課長への説明上位への報告、資料の作成

3行目です。

求人票では、「エスカレーション対応」「難易度の高い案件の担当」「専門相談の窓口」と書かれていることがあります。

自分の経験と重なるかを見てください。

求人の選び方

種類内容
① 実務の中核経験のある分野での担当
② チームの運営少人数の進行の管理を含む
③ 行政が相手の事業発注者支援、制度の支援、施設の運営
④ 立ち上げ新規の受託にともなう体制の整備

②が、係長級の経験と重なりやすいです。

数人の進行を管理しながら、自分も実務を持つ。

この形は、民間でも一般的です。

「プレイングマネージャー」という言い方がされることがあります。

求人票の仕事内容に、実務と管理の両方が書かれていれば該当します。

準備の順序

順やること
1専決に関する規程を確認する
2係の人数、業務の量、件数を確認する
3困難な事案の処理を書き出す
4指導した人数と、作った資料を書き出す
5民間の言葉に置き換える
6求人を読む

1と3が、この立場ならではの作業です。

3について。

「特に難しかった案件」を3件思い出してください。

何が難しく、どう整理し、どう結論づけたか。

これが、面接で話す材料になります。

経験の言い換えから相談することもできます。

在職中の進め方

項目内容
記録月に1回、担当した件数と新しく扱ったこと
資料の確認専決の規程、係の分掌
求人を読む週に30分
日程の確保議会・予算の時期を避ける

4行目です。

係長級は、議会対応や予算の編成に関わることがあります。

選考の開始を、繁忙期と重ならないように選んでください。

扱いは選考スケジュールの組み方に整理しています。

面接で聞かれやすいこと

質問の趣旨用意しておくこと
どこまで自分で決めたか専決できた事項と、起案した案件
困難な案件の対応3件、経緯と結論
人をどう動かしたか指導の方法、作った資料
対立をどう扱ったか調整した相手と、落としどころ
なぜ変わるのか続けたい部分と、続けにくい部分

1行目です。

「上司の決裁でした」で止めないでください。

起案の段階で何を整理したかを述べると、判断の過程が伝わります。

4行目について。

利害が対立した案件は、面接で話しやすい材料です。

相手、争点、提案した方法、結果。

この4つで整理しておいてください。

なお、特定の事案が分かる説明は避けてください。

経緯は、一般的な形に置き換えて話して差し支えありません。

守秘の義務は、退職した後も続きます。扱いは口コミサイトとの付き合い方にも整理しています。

よくある失敗

1. 専決の規程を確認しない

判断の範囲が文書で確認できます。

2. 「権限がない」と考える

起案も判断の一部です。

3. 係の人数を書かない

範囲が伝わりません。

4. 困難な事案を書かない

専門性の証明になります。

5. 指導を「指導しました」で済ませる

人数と作った資料を書いてください。

6. 管理の職種だけを探す

実務と管理の両方の求人があります。

7. 議会・予算の時期に選考を始める

途中で止まります。

8. 上位への説明の経験を書かない

対外の説明として読まれます。

LINEで短く聞くこともできます

まとめ

行政が相手の求人もまとまっています。行政が相手の求人を見てみる。

よくある質問

係長になって間がなく、書ける実績がありません

期間の長さより、何をしたかを書いてください。係の事務の進行の管理、困難な事案の処理、他課との調整、新任の指導。これらは、期間が短くても始まっています。書き方は、「係◯人の事務の進行を管理し、年間約◯件の処理について進捗を確認」という形です。数を入れると、範囲が伝わります。また、係長になる前の実務の経験も併せて書いてください。担当として処理してきた内容と、係長として運営した内容を分けて書くと、段階が伝わります。扱いは30代の公務員が転職するときにも整理しています。

部下の人数が少なく、管理の経験として弱い気がします

人数の多さだけで判断されるものではありません。見られているのは、進行をどう管理したか、困難な案件にどう対応したかです。少人数でも、期限の管理、業務の配分、引継ぎの整理は担っています。また、受託した事業者への指示や確認を担当している場合、それも人を動かした経験です。「受託事業者◯社に対し、仕様に基づく履行の確認と指示を実施」という形で書けます。なお、少人数の進行の管理を求める求人は多くあります。人数の規模ではなく、担った役割の中身で書いてください。

転職後、また係長のような立場になれますか

求人の条件によります。入社時の役割は、求人票に書かれた内容によって決まります。実務が中心の募集と、チームの運営を含む募集では、入社時の役割が異なります。なお、入社直後から運営を任される求人は、多くありません。業務を覚える期間が必要なためです。中長期の見通しについては、面接で確認して差し支えありません。「この役割から、どのような展開が想定されますか」という聞き方です。確約は得られませんが、その会社の考え方が分かります。まずは、求人票の仕事内容で、入社時の役割を確認してください。

出典

  1. 地方自治法 第153条(事務の委任・代理)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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