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選考対策 / 退職と在職中の進め方

有給休暇の消化

退職が決まった後、残っている年次休暇をどうするかという論点が出ます。

制度も運用も、自治体によって異なります。

この記事では、確認すべき点と、組み方の考え方を扱います。退職の時期の決め方は退職時期の決め方|年度末と年度途中にあります。

勤務条件は、条例で定められます

まず、どこを見れば分かるかを確認します。

地方公務員法第24条第5項です。

> 職員の給与、勤務時間その他の勤務条件は、条例で定める。

年次休暇も、勤務条件の1つです。

日数、繰越の扱い、取得の手続き。いずれも、所属の条例と規則で定められています。

この記事では、具体的な日数や上限は示しません。所属の規程で確認してください。

一般に、年次休暇は年ごとに付与され、一定の範囲で翌年に繰り越せる仕組みが採られていますが、細部は団体によって異なります。

確認すべき3点

#確認すること確認先
1残日数給与明細、庶務のシステム、人事の担当
2年度の区切りとの関係所属の規程
3退職時の未消化の扱い所属の規程、人事の担当

3つ目を先に確認してください。

未消化のまま退職した場合の扱いは、団体によって異なります。

買い上げの制度があるとは限りません。むしろ、制度として設けていない自治体が多いとされています。

確認したうえで、消化するかどうかを判断してください。

なお、年次休暇の取得に理由の記載を求められる場合でも、「私用」で足りることがほとんどです。退職前の消化であることを、わざわざ書く必要はありません。

消化の組み方

組み方内容
① 最終日の前にまとめて取る引継ぎを終えてから、連続して取得
② 分散して取る週に1〜2日ずつ、引継ぎと並行
③ 退職日を後ろにずらす消化する日数を見込んで、退職日を設定
④ 消化しない引継ぎを優先する判断

①がいちばん多い形とされています。

ただし、引継ぎが終わっていることが前提です。

③を選ぶ場合、次の入社日との関係を確認してください。

退職日を後ろにずらすと、入社日も後ろになります。応募先との調整が必要です。

引継ぎとの両立

消化と引継ぎは、両立させる必要があります。

順進め方
1引継ぎの計画を先に立てる(いつまでに何を渡すか)
2計画から逆算して、消化できる日数を出す
3上司と相談し、日程を確定
4関係先に、不在の期間を伝える

1と2の順序を守ってください。

先に休暇の日程を決めると、引継ぎが圧迫されます。

引継ぎの計画が立っていれば、「この日までに終わるので、その後は休暇を取りたい」と相談できます。

相談の時期は、退職の意思を伝えた直後でなくて構いません。引継ぎの計画が固まってからのほうが、具体的に話せます。

上司に相談するときの伝え方

> 引継ぎは◯月◯日までに終える計画で進めています。その後、◯日から◯日まで年次休暇を取得させていただきたいのですが、いかがでしょうか。

引継ぎの計画とセットで相談すると、話が進みます。

「休暇を取りたい」だけを述べると、業務の心配が先に立ちます。

休暇中の扱い

項目扱い
在職の身分退職日までは職員です
守秘の義務休暇中も、退職後も続きます
業務の連絡緊急時の連絡先を、上司と決めておく
次の勤務先での就業退職日前に就業しない

4つ目に注意してください。

年次休暇の期間中も、退職日までは職員の身分があります。

地方公務員法第35条は、勤務時間と注意力のすべてを職責の遂行に用いることを求めています。また、第38条は、任命権者の許可を受けなければ営利企業に従事できないとしています。

入社日を退職日の翌日以降にしてください。

最終出勤日と退職日の関係

2つの日付は、別のものです。

日付意味
最終出勤日実際に職場に出る最後の日
退職日身分が終わる日(書面に書く日)

年次休暇を消化する場合、この2つの間に期間が生じます。

例:3月20日が最終出勤日、3月31日が退職日。この間の11日間が、休暇の期間です。

書面に書くのは、退職日のほうです。最終出勤日は、引継ぎの計画の中で決めます。

関係先に伝えるときも、この2つを分けてください。「◯月◯日まで在籍していますが、実際の勤務は◯月◯日までです」という形です。

問い合わせの窓口が、いつから後任に移るかが伝わります。

消化しない場合

引継ぎを優先して、消化しない判断もあります。

その場合、次の点を確認してください。

確認内容
未消化の扱い所属の規程
退職日の設定消化を見込まないぶん、早められるか
次の入社日空白を作るかどうか

消化しないことで、入社日を早められることがあります。

応募先にとっては、そのほうが望ましい場合もあります。

経験の言い換えから相談することもできます。

退職の前後で変わる手続き

休暇の日程が決まったら、次の手続きの時期も確認しておいてください。

手続き時期
貸与品の返還最終出勤日まで
健康保険証の返還退職日以降(所属の指示による)
書類の受け取り最終出勤日か、退職日以降に郵送
共済・年金の手続き退職日の前後

1つ目と2つ目の時期が違う点に注意してください。

端末や鍵は最終出勤日までですが、保険証は退職日まで有効であるのが通常です。

休暇の期間中に手続きが生じる場合、受け取りの方法を事前に決めておいてください。郵送になることがあります。

よくある失敗

1. 未消化の扱いを確認しない

買い上げの制度があるとは限りません。

2. 休暇の日程を先に決める

引継ぎの計画が先です。

3. 退職日をずらして、入社日との調整を忘れる

応募先との調整が必要です。

4. 退職日の前に、次の勤務先で就業する

在職中の身分があります。

5. 連続で長く取って、引継ぎが終わらない

計画から逆算してください。

6. 関係先に不在を伝えない

問い合わせが来たときに困ります。

LINEで短く聞くこともできます

まとめ

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よくある質問

残日数が多く、消化しきれません

優先順位を決めてください。すべてを消化しようとすると、退職日を大きく後ろにずらすことになり、入社日との調整が難しくなります。現実的な判断としては、引継ぎが終わる時期を先に決め、その後に取れる日数だけ取るという形です。未消化の分は戻らないことが多いですが、入社の時期を遅らせる損失と比べてください。なお、年度の区切りをまたぐ場合、繰越の扱いが関わることがあります。所属の規程で確認してください。

休暇中に、職場から連絡が来ます

緊急時の連絡先を、事前に決めておいてください。「この件は連絡可、それ以外は後任へ」という線を、上司と共有しておくと、無用な連絡が減ります。そのうえで、頻繁に連絡が来る場合は、引継ぎの資料が不十分だった可能性があります。休暇に入る前に、想定される質問を資料に書き足しておくほうが確実です。なお、休暇中であっても、退職日までは職員の身分があります。業務上の連絡に応じること自体は、問題ありません。ただし、恒常的に対応が必要な状態は、休暇の趣旨と合いません。

病気休暇や特別休暇が残っている場合は

年次休暇とは扱いが異なります。病気休暇は、傷病により勤務できない場合に取得するものであり、退職前の消化を目的に取得するものではありません。特別休暇も、定められた事由に該当する場合に取得するものです。いずれも、所属の条例と規則で要件が定められています。該当する事由がある場合は、通常どおり取得してください。なお、療養が必要な状態で退職の手続きを進める場合、健康保険の切替えや傷病に関する給付の扱いを、共済組合に確認してください。個別の事情によって扱いが異なります。

出典

  1. 地方公務員法 第24条(給与、勤務時間その他の勤務条件の根本基準)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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