自治体別 / 中核市
秋田市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
秋田市の平均年齢42.3歳は、盛岡市40.8歳より1.5歳高い。平均給料月額も314,500円で、盛岡市306,700円を7,800円上回ります。
ところが平均給与月額は368,696円で、盛岡市369,402円を706円下回ります。
年齢も給料月額も上なのに、総額は下。どちらも地域手当0%なので、理由ははっきりします。
秋田市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、秋田市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 秋田市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 98.1 |
| 平均年齢 | 42.3歳 |
| 平均給料月額 | 314,500円 |
| 諸手当月額 | 54,196円 |
| 平均給与月額 | 368,696円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 347,475円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 0% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 0% |
諸手当の薄さが、年齢の効果を打ち消す
| 項目 | 秋田市 | 盛岡市 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 98.1 | 98.4 |
| 平均年齢 | 42.3歳 | 40.8歳 |
| 平均給料月額 | 314,500円 | 306,700円 |
| 諸手当月額 | 54,196円 | 62,702円 |
| 平均給与月額 | 368,696円 | 369,402円 |
| 地域手当(実支給) | 0% | 0% |
秋田市の諸手当54,196円は、比率にして14.7%。中核市62市のなかでも薄いほうで、八戸市49,341円に次ぐ位置にあります。
年齢が高いぶん給料月額では7,800円上回るのに、諸手当で8,506円下回る。この2つが相殺して、総額では706円下回ります。
そして補正済みのラスパイレス指数は、秋田市98.1、盛岡市98.4。年齢の効果を取り除くと、盛岡市のほうがわずかに上になります。
中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、県内の数字は秋田県職員の転職に整理しています。
中核市の職員は、保健所を持つ立場にある
地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。
とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。
「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 洋上風力など再エネの受入調整 | 再エネ開発、渉外、事業開発 |
| 港湾・物流の計画と調整 | インフラ企画、SCM企画 |
| 企業誘致・立地支援 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 食品衛生・医療の許認可と監視 | 品質保証、薬事管理、規制対応 |
| 人口減少を前提にした施設再編 | 拠点戦略、事業再編 |
| 除排雪・冬期の都市運営 | インフラ運営、オペレーション改善 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「先に使っている人がいる場所」に、新しい事業を入れる実務
秋田市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に関する法律第1条は、この法律が、海洋再生可能エネルギー発電事業の長期的、安定的かつ効率的な実施の重要性に鑑み、海洋基本法に規定する海洋に関する施策との調和を図りつつ、海域の利用を促進するものだと定めています。
「海洋に関する施策との調和を図りつつ」という条件が、目的に書かれています。
海には、すでに使っている人がいます。漁業、航路、防衛、環境。新しい事業を入れるには、その全部と折り合いをつけなければなりません。
実務としては、次のような作業になります。
- 先に使っている人が誰で、どの権利を持っているかを洗い出す
- 事業者と地元の間で、何をどの順序で説明するかを設計する
- 反対の理由が、影響そのものか、説明の順序かを見分ける
- 地域への還元を、どういう形にするかを詰める
- 長期にわたる関係を、誰がどう維持するかを決める
「先に使っている人がいる場所に、新しい事業を入れる」という仕事です。
これは、再エネに限らず、あらゆる新規事業で起きます。
新しい流通経路を作れば既存の販売店と衝突し、新しいサービスを始めれば既存の顧客の使い方が変わる。技術でも資金でもなく、先にいる人との折り合いで止まる案件が、実際にあります。
そして企業側には、この順序を設計できる人がほとんどいません。事業部は計画を作り、法務は契約を見ますが、誰にどの順序で話すかを決められる人がいない。
求人票では、再エネ開発、渉外、事業開発、パブリックアフェアーズといった名前で書かれています。
書くときのこつは、制度名を並べないことです。関わった主体の数、説明の順序をどう決めたか、反対の理由をどう見分けたか、そして還元の形をどう設計したか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
秋田で、どの経験が値になるか
1. 先にいる人との折り合いを付けた経験
漁業、航路、環境、地元。関係者の順序を設計した経験は、新規事業を進める企業で必要とされます。
2. 人口減少を前提に、施設や制度を組み替えた経験
統廃合、転用、廃止。「全部は残せない」という前提で順番を決めた経験は、企業の拠点戦略と同じです。書くときは「衰退した」ではなく、判断の基準と合意の作り方を書いてください。
3. 港湾と物流を扱った経験
港を持つ市です。物流の目詰まりがどこで起きるかを制度の側から知っている人は、サプライチェーンを扱う企業にとって希少です。
4. 冬を前提にした都市運営
除排雪、施設の設計、物流の確保。気象条件がコストに直結する地域での実務は、同じ条件の地域に展開する企業に直接読める経験です。
5. 保健所を持つ市としての実務
食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。
県内・県外の求人を見るときに
秋田市は県内の拠点機能が集まる位置にあり、担当エリア型の求人であれば、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○推進事業を担当」では読み手に何も残りません。事業名は庁内でしか意味を持たない固有名詞です。何件を、どういう基準で審査し、どこで判断が割れて、どう決着させたか。
説明の順序を書く
関係者が多い案件では、誰にどの順序で話したかが実力を示します。順序を間違えて止まった経験があるなら、それも書いてください。
規模を必ず書く
市の人口、関係者の数、年間の処理件数、予算額。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
海に接する構造物と積雪寒冷地の設計は、希少な経験になる
護岸、港湾、雪荷重、凍結。条件が重なる場所で構造物を成立させた経験は、扱える人が限られます。建設コンサルタントと、臨海部や寒冷地に設備を置く企業の両方から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。「行政なので利益はありません」と答えると、そこで話が終わります。事業の優先順位を付けた、単価の根拠を詰めた、複数案を比べた。同じ思考をしていたことを、民間の言葉で説明できるかが見られています。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 秋田市の一般行政職はラスパイレス指数98.1、平均給与月額368,696円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 盛岡市より年齢が1.5歳高く給料月額も7,800円上なのに、総額では706円下回ります
- 諸手当54,196円(比率14.7%)が、年齢の効果を打ち消しています
- 団体の平均年齢を自分の年齢と重ねて読まないでください
- 先に使っている人がいる場所に新しい事業を入れる実務は、あらゆる新規事業で起きます(再エネ海域利用法1条)
- 関わった主体の数、説明の順序、そして順序を間違えて止まった経験を書いてください
よくある質問
年齢も給料月額も盛岡市より上なのに、総額が下なのはなぜですか
諸手当の差です。秋田市の諸手当54,196円に対し、盛岡市は62,702円。年齢が高いぶん給料月額では7,800円上回りますが、諸手当で8,506円下回り、総額では706円下回ります。補正したラスパイレス指数では、盛岡市98.4、秋田市98.1と順序が入れ替わります。
根回しばかりで、成果物が残っていません
新規事業を進める企業が、いちばん欲しがっている経験です。新しいことを始めれば必ず先にいる人と衝突します。止まる理由の多くは、影響そのものではなく説明の順序を間違えたことです。先に知らされるべき人が後から知る、それだけで話が動かなくなる。この順序を設計できる人が企業にほとんどいません。
市内に希望する職種の求人が見当たりません
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