自治体別 / 中核市
福島市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
福島市のラスパイレス指数101.0は、中核市のなかでは高いほうです。平均給料月額322,100円も水戸市313,200円を8,900円上回ります。
ところが平均給与月額は福島市393,067円、水戸市407,795円。水戸市が14,728円上回ります。
指数も給料月額も福島市が上なのに、総額では逆転する。理由は地域手当です。
福島市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、福島市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 福島市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 101.0 |
| 平均年齢 | 40.6歳 |
| 平均給料月額 | 322,100円 |
| 諸手当月額 | 70,967円 |
| 平均給与月額 | 393,067円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 346,337円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 0% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 0% |
水戸市と並べてみる
| 項目 | 福島市 | 水戸市 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 101.0 | 98.9 |
| 平均年齢 | 40.6歳 | 40.4歳 |
| 平均給料月額 | 322,100円 | 313,200円 |
| 諸手当月額 | 70,967円 | 94,595円 |
| 平均給与月額 | 393,067円 | 407,795円 |
| 地域手当(実支給) | 0% | 10% |
平均年齢は0.2歳しか違いません。指数は福島市が2.1ポイント高く、給料月額も8,900円高い。
それでも総額では、水戸市が14,728円上回ります。差を作っているのは諸手当23,628円で、その大部分は地域手当10%の有無です。
これは中核市に特有の現象です。特別区23区は地域手当が全区20%で同じだったので、この逆転は起きませんでした。中核市62市は地域手当が0%から16%まで7段階に分かれるため、指数と総額の順序が一致しないことが頻繁に起こります。
中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、県内の数字は福島県職員の転職・郡山市職員の転職・いわき市職員の転職に整理しています。
中核市の職員は、保健所を持つ立場にある
地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。
とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。
「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 農地の集積・担い手の育成 | 事業承継支援、産地開発、調達 |
| 果樹・農産物の産地形成と販路 | 事業開発、産地開発、商品企画 |
| 食品衛生・医療の許認可と監視 | 品質保証、薬事管理、規制対応 |
| 企業誘致・立地支援 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 観光・温泉地の受入環境整備 | 観光事業企画、集客企画 |
| 除排雪・冬期の都市運営 | インフラ運営、オペレーション改善 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「やめる人から、続ける人へ」渡す実務
福島市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
農業経営基盤強化促進法第1条は、この法律が、効率的かつ安定的な農業経営を育成し、これらの農業経営が農業生産の相当部分を担うような農業構造を確立することが重要であることに鑑み、必要な措置を講ずるものだとしています。
「相当部分を担うような構造を確立する」という言葉に注目してください。
全員を支えるのではありません。続けられる経営に、資源を集めるという方向です。そしてそれは、やめる人が出ることを前提にしています。
実務としては、次のような作業になります。
- 誰が続け、誰がやめるのかを把握する
- やめる人の農地を、続ける人にどう渡すか
- 渡す側の事情(相続、税、愛着)に立ち入る
- 受ける側が、面積を増やして回せるかを見極める
- 条件が合わない土地を、どう扱うか
「やめる人と続ける人の間に立って、資産と役割を渡す」という仕事です。
企業でも、同じ形の課題が急速に増えています。
取引先の廃業、下請けの後継者不在、社内の熟練者の退職。技術も設備も顧客もあるのに、担う人がいなくなる。そして引き継ぎ先を探しても、条件が合わずに消えていく。
この場面で必要なのは、目利きと、双方への立ち入りです。どの事業なら引き継げるか。渡す側が何を手放せないか。そして全部は引き継げないという前提で、順番を決められるか。
求人票では、事業承継支援、調達、産地開発、アライアンスといった名前で書かれています。
書くときのこつは、制度名を並べないことです。扱った件数と面積、渡す側の事情をどう聞き出したか、成立した割合、そして成立しなかった案件は何が理由だったか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
福島で、どの経験が値になるか
1. やめる人と続ける人の間に立った経験
農地、事業、施設。双方の事情に立ち入って渡した経験は、事業承継支援の職務でそのまま必要とされます。
2. 果樹と農産物のブランドを扱った経験
産地形成、品質管理、販路開拓、輸出。輸出は許認可と制度の塊なので、制度を知っていること自体が実務能力にあたります。
3. 産地の信用を保つ実務
検査、記録、説明。数値を示しても受け取られ方が別に動く場面を経験しているなら、それは企業の広報とリスクマネジメントに直結します。
4. 観光と温泉地の受入環境
誘客だけでなく、受入環境の整備や地域との調整まで担当していれば、それは観光事業企画の中核です。
5. 保健所を持つ市としての実務
食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。
県内・県外の求人を見るときに
福島市は県内の拠点機能が集まる位置にあり、担当エリア型の求人であれば、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○推進事業を担当」では読み手に何も残りません。事業名は庁内でしか意味を持たない固有名詞です。何件を、どういう基準で審査し、どこで判断が割れて、どう決着させたか。
成立しなかった案件の理由を書く
渡す仕事では、全部が成立することはありません。成立しなかった理由を説明できる人は、見立てを持っている人として読まれます。
規模を必ず書く
市の人口、扱った件数と面積、事業者の数、予算額。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築士、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
傾斜地と積雪を前提にした設計は、希少な経験になる
果樹園の作業道、法面、雪荷重、凍結。条件が重なる場所で構造物と運用を成立させた経験は、同じ条件の地域に設備を置く企業から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。「行政なので利益はありません」と答えると、そこで話が終わります。事業の優先順位を付けた、単価の根拠を詰めた、複数案を比べた。同じ思考をしていたことを、民間の言葉で説明できるかが見られています。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 福島市の一般行政職はラスパイレス指数101.0、平均給与月額393,067円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 水戸市とは指数で2.1ポイント、給料月額で8,900円上回るのに、総額では14,728円下回ります
- 理由は地域手当。福島市0%、水戸市10%です
- 中核市は地域手当が7段階に分かれるため、指数と総額の順序が一致しないことが頻繁に起こります
- やめる人から続ける人へ渡す実務は、企業の事業承継と同じ形です(農業経営基盤強化促進法1条)
- 成立しなかった案件の理由を書いてください。まとまらなかった話のほうが読まれます
よくある質問
指数も給料月額も水戸市より上なのに、総額が下なのはなぜですか
地域手当の差です。福島市0%、水戸市10%。平均年齢は0.2歳しか違わず、指数は福島市が2.1ポイント高いのに、諸手当で23,628円下回り、総額では14,728円下回ります。中核市62市は地域手当が0%から16%まで7段階に分かれるため、この種の逆転が頻繁に起こります。
まとまらなかった話のほうが多く、実績と言えません
企業側は、まとめた件数より見立ての精度を見ています。取引先の廃業、後継者不在、熟練者の退職。最も困るのは「どれなら引き継げるか」を早い段階で見立てられず、時間をかけて交渉してから無理だと分かることです。成立しなかった案件の理由を説明できる人は、この見立てを持っています。
市内に希望する職種の求人が見当たりません
勤務地から探すのをやめてください。担当エリアが福島県全域や東北という求人であれば、本社の近くに住む必要はありません。リモート可や週数日出社の求人も増えています。まず職種で絞り、そのあとに出社頻度と担当エリアを確認する。この順序に変えるだけで、見える求人が変わります。掲載中の求人を見てみることもできます。