自治体別 / 中核市
明石市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
明石市の地域手当は6%、姫路市は3%。倍の開きがあります。
それでも総額は416,976円と416,598円。378円しか違いません。
これで兵庫県内の中核市4市がそろいました。地域手当の順序と総額の順序は、まったく一致しません。
明石市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、明石市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 明石市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.2 |
| 平均年齢 | 44.8歳 |
| 平均給料月額 | 332,900円 |
| 諸手当月額 | 84,076円 |
| 平均給与月額 | 416,976円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 388,151円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 6% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 6% |
平均年齢44.8歳は、中核市62市のなかでも高いほうです(呉市45.7歳に次ぎ、長野市と並びます)。
姫路市と並べる
| 項目 | 明石市 | 姫路市 | 差 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.2 | 100.9 | 0.7ポイント |
| 平均年齢 | 44.8歳 | 44.1歳 | 0.7歳 |
| 平均給料月額 | 332,900円 | 333,500円 | 600円 |
| 諸手当月額 | 84,076円 | 83,098円 | 978円 |
| 平均給与月額 | 416,976円 | 416,598円 | 378円 |
| 地域手当 | 6% | 3% | 3ポイント |
地域手当は倍違います。給料月額332,900円に対する3ポイントの差は、およそ9,987円。
それなのに総額の差は378円です。
つまり地域手当以外の部分で、姫路市がおよそ9,600円押し返していることになります。年齢は明石市が0.7歳高く、給料月額はほぼ同じ(600円差)。残りは、外からは読み取れない手当の構成です。
兵庫県内の中核市4市
| 市 | 地域手当 | ラスパイレス指数 | 平均年齢 | 平均給料月額 | 平均給与月額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 西宮市 | 15% | 101.0 | 41.8歳 | 327,300円 | 452,766円 |
| 尼崎市 | 10% | 97.8 | 41.3歳 | 310,500円 | 407,683円 |
| 明石市 | 6% | 100.2 | 44.8歳 | 332,900円 | 416,976円 |
| 姫路市 | 3% | 100.9 | 44.1歳 | 333,500円 | 416,598円 |
地域手当の順序:西宮15% > 尼崎10% > 明石6% > 姫路3%
総額の順序:西宮452,766 > 明石416,976 > 姫路416,598 > 尼崎407,683
尼崎市が2番目から4番目に落ちます。
中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、県内の数字は兵庫県職員の転職に、総額がほぼ同じ市は姫路市職員の転職に整理しています。
中核市の職員は、保健所を持つ立場にある
地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。
とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。
「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 保育の需給調整と施設整備 | 施設企画、人員計画、事業企画 |
| 給付・利用の認定と支給の管理 | 審査、債権管理、業務設計 |
| 事業者の指導・監査 | ベンダー管理、品質保証 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 食品衛生・医療の許認可と監視 | 品質保証、薬事管理、規制対応 |
| 企業誘致・産業用地の整備 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「需要が増えるほど、追いつかなくなる」実務
明石市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
子ども・子育て支援法第1条は、この法律が、急速な少子化の進行並びに家庭及び地域を取り巻く環境の変化に鑑み、児童福祉法その他の法律による施策と相まって、子ども・子育て支援給付その他の子ども及び子どもを養育している者に必要な支援を行い、もって一人一人の子どもが健やかに成長し、子どもを持つことを希望する者が安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現に寄与するものだとしています。
この分野には、他の行政分野とはっきり違う点があります。
施策がうまくいくほど、需要が増えます。
預けやすい、住みやすいと評価されれば、子育て世帯が集まります。すると保育の枠も、学校も、公園も、医療も足りなくなります。
- 定員を増やす。応募が増える
- 施設を建てる。地域の偏りが残る
- 保育士を確保する。募集しても集まらない
- 数年後には、同じ学年がまとまって学校に上がる
- そしてその世代が抜けたあとは、施設が余ります
「足りない」と「余る」が、数年の差で同じ場所に来る。この見通しを立てながら整備するのが、実務の中心になります。
企業でも、まったく同じ構造があります。
好調な事業に人と設備を寄せる。すると供給が追いつかなくなり、品質が落ち、評判が下がる。そして落ち着いたころには、増やした人と設備が余っている。
そして多くの企業で、この山を読む人がいません。事業部門は今期の需要を見ます。人事は今年の採用数を見ます。ところが「需要が伸びたときに、どこが先に詰まるか」「その需要が引いたときに、何が残るか」を同時に見る役割が、誰にも割り当てられていません。
求人票では、事業企画、人員計画、オペレーション企画、施設企画、PMOといった名前で書かれています。
書くときのこつは、制度や施設の名前を出さないことです。需要をどう見積もったか、どこが先に詰まると読んだか、増やしたあと余る分をどう設計したか、そして読みが外れた部分はどこか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
明石で、どの経験が値になるか
1. 需要が増えたときに、どこが先に詰まるかを読んだ経験
枠、人、場所、資格者。ボトルネックを先に特定した経験は、企業の事業企画でそのまま必要とされます。
2. 増やしたあと余る分を設計した経験
増やすのは簡単で、畳むのは難しい。最初から出口を考えていた経験は、そう多くの人が持っていません。
3. 人が集まらない前提で組んだ経験
募集しても集まらない職種がある。その前提で回した経験は、いまどの業界でも必要とされています。
4. 事業者の指導と監査
委託先の質をどう保つか。これはベンダー管理と同じ構造です。
5. 医療・保健の許認可と監視
食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。
県内・県外の求人を見るときに
明石市は神戸に隣接し、神戸・大阪方面の求人が現実的な通勤圏に入ります。播磨方面を担当エリアとする求人も多くあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○支援事業を担当」では読み手に何も残りません。需要をどう見積もり、どこが先に詰まると読み、余る分をどう設計したか。
読みが外れた部分を書く
先を読む仕事では、外れる部分が必ずあります。そこを書くと、読んでいたこと自体が伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、対象者数、定員、待っている人の数、施設の数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、保育士、社会福祉士、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
転用を前提にした建物の設計は、扱える人が限られる
用途が変わることを織り込んで建てる。将来の余剰を前提にした設計と改修の経験は、施設を多く持つ企業から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。需給の調整に関わったなら、定員、利用者数、充足率、整備にかかった費用で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 明石市の一般行政職はラスパイレス指数100.2、平均給与月額416,976円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 姫路市とは地域手当が倍(6%と3%)違うのに、総額は378円差です
- 給料月額に対する3ポイントの差はおよそ9,987円。地域手当以外で姫路市が約9,600円押し返しています
- 兵庫4市では、地域手当2番目の尼崎市が総額では4番目に落ちます
- 諸手当は総額の20.2%と薄く、去年の数字が翌年もほぼそのままという読み方がしやすい水準です
- 増やしたあと余る分を設計した経験は、企業でほとんど見つかりません(子ども・子育て支援法1条)
よくある質問
地域手当が姫路市の倍なのに、総額が378円しか違わないのはなぜですか
地域手当以外の部分で、姫路市が押し返しているからです。給料月額332,900円に対する3ポイントの差はおよそ9,987円。それでも総額の差は378円なので、差し引きおよそ9,600円を姫路市が別の部分で埋めていることになります。給料月額はほぼ同じ(600円差)、年齢は明石市が0.7歳高い。残りは外からは読み取れない手当の構成です。
平均年齢が高い組織にいることは、転職で不利になりますか
年齢そのものより、何を書けるかで決まります。年齢が上がっているということは、前任から引き継ぎ、次に渡した経験があるということです。数字の面では、明石市は諸手当が総額の20.2%と薄いので、去年の源泉徴収票の支払金額が翌年もほぼそのまま。求人票の想定年収と、そのまま並べて比べられます。
需要に追いつくための仕事ばかりで、実績が書きにくいです
書くのは見通しのほうです。需要をどう見積もり、どこが先に詰まると読み、増やしたあと余る分をどう設計したか。企業でも好調な事業に人と設備を寄せた結果、落ち着いたころに余る、という形で同じことが起きています。「需要が伸びたときにどこが詰まるか」と「引いたときに何が残るか」を同時に見る役割が空いています。