自治体別 / 中核市
青森市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
青森市のラスパイレス指数は96.2、青森県は96.8です。県のほうが0.6ポイント高い。
ところが平均給料月額は青森市318,100円、青森県312,100円で、市のほうが6,000円上回ります。
指数では県が上、給料月額では市が上。同じ県域でこの形になる理由から読み解いてください。
青森市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、青森市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 青森市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 96.2 |
| 平均年齢 | 42.9歳 |
| 平均給料月額 | 318,100円 |
| 諸手当月額 | 66,087円 |
| 平均給与月額 | 384,187円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 345,177円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 0% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 0% |
青森県と並べてみる
| 項目 | 青森市 | 青森県 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 96.2 | 96.8 |
| 平均年齢 | 42.9歳 | 42.6歳 |
| 平均給料月額 | 318,100円 | 312,100円 |
| 諸手当月額 | 66,087円 | 60,556円 |
| 平均給与月額 | 384,187円 | 372,656円 |
| 地域手当(実支給) | 0% | 0% |
地域手当はどちらも0%です。平均年齢の差も0.3歳しかありません。
それでも指数は県が0.6ポイント高く、給料月額は市が6,000円高い。年齢構成では説明がつきません。
給料表の形そのものが違うということです。そして諸手当でも市が5,531円上回り、総額では市が11,531円上回ります。
なお青森県のラスパイレス指数96.8は、47都道府県のなかでも低いほうです。その事情は青森県職員の転職で整理しています。
中核市62市の分布は旭川市職員の転職に整理しています。
中核市の職員は、保健所を持つ立場にある
地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。
とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。
「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 除排雪の計画・委託・実施管理 | オペレーション改善、SCM企画、調達 |
| 雪を前提にした施設・道路の設計 | インフラ企画、施設企画 |
| 港湾・物流の計画と調整 | インフラ企画、SCM企画 |
| 食品衛生・医療の許認可と監視 | 品質保証、薬事管理、規制対応 |
| 農水産物の産地形成・販路開拓 | 事業開発、産地開発、商品企画 |
| 観光・大規模催事の運営 | 観光事業企画、イベント企画 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「量が読めない仕事を、毎年必ず回す」実務
青森市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
豪雪地帯対策特別措置法第1条は、この法律が、積雪が特に甚だしいため、産業の発展が停滞的で、かつ、住民の生活水準の向上が阻害されている地域について、人口の減少、高齢化の進展その他の社会経済情勢の変化に加えて気候変動による降雪の状況の変化なども踏まえた対策を進めるものだとしています。
「積雪が特に甚だしい」ことが、産業と生活の制約として条文に書かれています。
そして除排雪は、行政の仕事のなかでも特殊な性質を持ちます。量が事前に読めないのに、毎年必ず実施しなければならない。
- 降雪量は年によって大きく変わる
- それでも予算は、事前に組まなければならない
- 業者の体制は、降らない年も維持してもらう必要がある
- 出動の判断は、夜間や早朝に短時間で下す
- 苦情は、対応の直後に直接来る
「需要が読めないのに、供給体制を常に用意しておく」という構造です。
これは、民間の物流と現場オペレーションが抱える課題とまったく同じです。
繁閑の差が大きい配送、季節で変動する生産、災害時の増員。必要なときに動ける体制を維持するには、動かない期間のコストを誰かが負担しなければなりません。そして委託先には、その期間も事業として成り立つ条件を示す必要があります。
「変動する需要に対して、委託先の体制ごと設計した経験」は、外から採用しにくいものです。
求人票では、オペレーション改善、SCM企画、調達、事業企画といった名前で書かれています。
書くときのこつは、降雪量の話に寄せないことです。委託した業者の数と体制、予算をどう組んだか、量が想定を超えたときに何を優先したか、そして苦情にどう応じたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
青森で、どの経験が値になるか
1. 量が読めない業務を、体制ごと設計した経験
除排雪、災害対応、繁忙期の増員。動かない期間のコストをどう扱うかまで含めて設計した経験は、物流やオペレーションの職務で必要とされます。
2. 委託先を、事業として成り立たせた経験
単価、稼働の保証、更新の条件。相手の採算を踏まえて契約を設計した経験は、調達の職務に直接つながります。
3. 気象条件を前提にした施設と道路の設計
雪荷重、融雪、凍結、堆雪の場所。条件がコストに直結する地域での実務は、同じ条件の地域に展開する企業に直接読める経験です。
4. 港湾と物流を扱った経験
港を持つ市です。物流の目詰まりがどこで起きるかを制度の側から知っている人は、サプライチェーンを扱う企業にとって希少です。
5. 大規模催事の運営
期限が動かせない枠組みのなかで、多数の関係機関を同時に動かした経験は、民間ではプロジェクトマネジメントとして読まれます。
県内・県外の求人を見るときに
青森市で職種を絞って求人を探すと、市内の件数は限られます。ここで諦めてしまう方が多いのですが、探し方を変えると結果が変わります。
近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。とくに自治体を顧客にする企業は、担当エリアに出向くことが仕事なので、本社への出社頻度が低い場合があります。担当エリアが青森県全域や北東北という求人であれば、住む場所は必ずしも本社の近くである必要がありません。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○推進事業を担当」では読み手に何も残りません。事業名は庁内でしか意味を持たない固有名詞です。何件を、どういう基準で審査し、どこで判断が割れて、どう決着させたか。
想定を超えたときの判断を書く
量が読めない業務では、想定内に収まった年の話より、超えた年に何を優先したかが読まれます。そこに設計の質が表れるからです。
規模を必ず書く
市の人口、委託先の数、年間の処理件数、予算額。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築士、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
積雪寒冷地の設計と維持管理は、希少な経験になる
雪荷重、凍結深度、融雪、堆雪の動線。気象条件を前提に構造物と運用を成立させた経験は、同じ条件の地域に設備を置く企業から求められます。対象施設の数と、条件の整え方で書いてください。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。除排雪の出動判断のように、短時間で決めた経験があるなら、それを答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。委託や調達に関わったなら、単価、委託先の数、年間の支出、想定との差で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 青森市の一般行政職はラスパイレス指数96.2、平均給与月額384,187円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 青森県とは指数で県が0.6ポイント高く、給料月額では市が6,000円高い。地域手当はどちらも0%、年齢差も0.3歳です
- 年齢構成では説明がつかず、給料表の形そのものが違うということになります
- 諸手当の比率17.2%は薄め。条件で動く部分が小さく、去年の源泉徴収票が物差しになります
- 量が読めない仕事を毎年必ず回す実務は、物流やオペレーションと同じ構造です(豪雪地帯対策特別措置法1条)
- 降雪量ではなく、委託先の体制、予算の組み方、想定を超えた年の優先順位を書いてください
よくある質問
青森県より指数が低いのに、給料月額が高いのはなぜですか
給料表の形そのものが違うからです。地域手当はどちらも0%、平均年齢の差も0.3歳しかありません。それでも指数は県が0.6ポイント高く、給料月額は市が6,000円高い。年齢構成では説明がつきません。団体どうしの比較は自分の水準を測る物差しにならないので、源泉徴収票の支払金額を使ってください。
除排雪の経験は、雪のない地域では役に立ちませんか
役に立つのは雪の知識ではなく、体制の設計です。需要が読めないのに供給を用意しておく構造は、物流にも生産にも災害対応にもあります。必要なときだけ動いてもらう相手には、動かない期間も事業として成り立つ条件を示さなければなりません。多くの企業が繁忙期に人と車両を探して確保できずにいます。
市内に希望する職種の求人が見当たりません
勤務地から探すのをやめてください。担当エリアが青森県全域や北東北という求人であれば、本社の近くに住む必要はありません。リモート可や週数日出社の求人も増えています。まず職種で絞り、そのあとに出社頻度と担当エリアを確認する。この順序に変えるだけで、見える求人が変わります。掲載中の求人を見てみることもできます。