自治体別 / 施行時特例市
岸和田市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
岸和田市の平均給料月額314,100円は、地域手当6%の6市のなかで4番目です。
総額402,563円も、6市のなかで3番目。
この6市では、給料月額の順序と総額の順序が、ほとんど一致しません。岸和田市はその中で、ずれがいちばん小さい市です。この回で、その並びを開きます。
岸和田市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、岸和田市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 岸和田市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 98.9 |
| 平均年齢 | 41.3歳 |
| 平均給料月額 | 314,100円(施行時特例市23市で18番目) |
| 諸手当月額 | 88,463円(23市で15番目) |
| 平均給与月額 | 402,563円(23市で15番目) |
| 平均給与月額(国ベース) | 361,670円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 6% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 6% |
諸手当は総額の22.0%を占めます。
地域手当6%の6市を並べる
施行時特例市23市のうち、地域手当の実支給が6%なのは6市です。地域手当という条件を揃えたうえで、給料月額の高い順に並べました。
| 市 | 平均年齢 | 平均給料月額 | 諸手当月額 | 平均給与月額 | 総額の順位 |
|---|---|---|---|---|---|
| 沼津市 | 40.3歳 | 324,900円 | 93,172円 | 418,072円 | 1位 |
| 所沢市 | 41.7歳 | 318,600円 | 74,160円 | 392,760円 | 6位 |
| 春日部市 | 41.9歳 | 317,100円 | 77,930円 | 395,030円 | 5位 |
| 岸和田市 | 41.3歳 | 314,100円 | 88,463円 | 402,563円 | 3位 |
| 春日井市 | 39.8歳 | 311,200円 | 100,708円 | 411,908円 | 2位 |
| 草加市 | 38.7歳 | 305,300円 | 94,014円 | 399,314円 | 4位 |
給料月額で2番目の所沢市が、総額では6市のなかで最も低くなります。
給料月額で5番目の春日井市が、総額では2番目です。
給料月額の幅は19,600円、総額の幅は25,312円。同じ地域手当でくくっても、順序はこれだけ入れ替わります。
年齢の並びを、同じ表で見る
上の表を、今度は平均年齢の若い順に並べ直します。
| 市 | 平均年齢 | 平均給料月額 | 諸手当月額 |
|---|---|---|---|
| 草加市 | 38.7歳 | 305,300円 | 94,014円 |
| 春日井市 | 39.8歳 | 311,200円 | 100,708円 |
| 沼津市 | 40.3歳 | 324,900円 | 93,172円 |
| 岸和田市 | 41.3歳 | 314,100円 | 88,463円 |
| 所沢市 | 41.7歳 | 318,600円 | 74,160円 |
| 春日部市 | 41.9歳 | 317,100円 | 77,930円 |
平均年齢40歳未満の2市と、40歳以上の4市で、平均を出します。
| 区分 | 平均給料月額 | 諸手当月額 | 平均給与月額 |
|---|---|---|---|
| 40歳未満の2市 | 308,250円 | 97,361円 | 405,611円 |
| 40歳以上の4市 | 318,675円 | 83,431円 | 402,106円 |
年齢が上の4市は、給料月額が10,425円多い。ところが諸手当は13,930円少ない。
結果として、総額の差は3,505円しかありません。
府内の数字は大阪府職員の転職に、同じ大阪府の施行時特例市は茨木市職員の転職に整理しています。
施行時特例市とは、どういう市か
特例市という制度は、2015年(平成27年)4月1日に廃止されました。
そのときに特例市だった市が、「施行時特例市」として、それまでと同じ事務を引き続き処理しています。岸和田市もその1つです。
中核市との違いは、はっきりしています。中核市は保健所を設置しますが、施行時特例市は設置しません。食品衛生や感染症対策は、都道府県の仕事として残ります。
一方で、施行時特例市が処理している事務も小さくありません。
- 都市計画法の開発許可
- 建築基準法の特定行政庁としての事務
- 騒音、振動、悪臭の規制
- 屋外広告物の規制
「建てる」「造る」「出す」に関わる許認可が中心です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 屋外広告物の許可、違反是正 | 規制対応、品質保証、リスク管理 |
| 景観計画、まちなみの誘導 | ブランド管理、店舗開発 |
| 開発許可、建築確認の審査 | 規制対応、用地開発、品質保証 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 騒音・振動・悪臭の規制 | 環境管理、規制対応 |
| 大規模な催しの安全管理 | イベント企画、リスク管理 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「見た目の話」と「落ちてくる話」を同じ基準で扱う実務
岸和田市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
屋外広告物法第1条は、この法律が、良好な景観を形成し、若しくは風致を維持し、又は公衆に対する危害を防止するために、屋外広告物の表示及び掲出物件の設置並びにこれらの維持並びに屋外広告業について、必要な規制の基準を定めることを目的とすると定めています。
注目してほしいのは、目的が3つ並んでいることです。
景観を形成する。風致を維持する。そして、公衆に対する危害を防止する。
前の2つは「見た目」の話で、最後の1つは「落ちてきて人に当たる」話です。まったく性質の違うものが、同じ法律、同じ許可の手続きのなかに入っています。
第3条では、都道府県が条例で、良好な景観や風致を維持するために必要があると認めるときは、一定の地域や場所について広告物の表示や掲出物件の設置を禁止することができると定めています。
実務は、次のような形になります。
- 同じ看板について、見た目の基準と安全の基準を両方あてる
- 片方を満たしても、もう片方で許可できないことがある
- 許可のあとも、劣化していないかを見に行く
- 相手にとっては「見た目の話」が本音で伝わりにくい
- 危険なものは、見た目の議論より先に落とす
「基準の性質が違うものを、1つの窓口でさばく」仕事です。
企業でも、同じ構造の場面が増えています。
表示やパッケージの審査、店舗の看板や什器、広告の表現、社内の安全基準。「ブランドとして許せるか」と「事故が起きないか」は、別の基準です。ところが判断する窓口は1つで、相手には同じ「差し戻し」に見えます。
そして多くの企業で、こうなります。ブランドの基準と安全の基準が同じ書類に混ざり、どちらの理由で通らなかったのかが相手に伝わりません。だから何度も同じやりとりが起きます。
求人票では、品質保証、審査業務、リスク管理、ブランド管理、内部統制といった名前で書かれています。
書くときのこつは、個別の事業者や案件を書かないことです。性質の違う基準をどう並べたか、どちらを先に見ると決めたか、その理由を相手にどう伝えたか、そして基準そのものを見直した場面はあるか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
岸和田で、どの経験が値になるか
1. 性質の違う基準を1つの窓口でさばいた経験
「見た目」と「安全」は別の物差しです。両方を扱った経験が値になります。
2. 許可のあとを見に行った経験
出したら終わりではありません。維持の状態まで見た経験は、品質保証でそのまま使われます。
3. 大勢が集まる場の安全を組んだ経験
人が集まる前提で動線と危険を設計した経験は、イベントと店舗運営で求められます。
4. 開発許可と建築確認の実務
審査する側にいた経験は、そのまま職種になります。
府内・府外の求人を見るときに
岸和田市は大阪府南部にあり、大阪市内や関西空港周辺を担当エリアとする求人が、通勤の範囲に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「屋外広告物の許可事務を担当」では読み手に何も残りません。どちらの基準で判断し、その理由をどう伝えたか。
通らなかった場面を書く
基準に合わない案件は必ず出ます。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、許可の件数、是正の件数、点検した数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、建築基準適合判定資格者、建築士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。許認可に関わったなら、許可の件数、是正の件数、点検した数、予算の執行率で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 岸和田市の一般行政職はラスパイレス指数98.9、平均給与月額402,563円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 地域手当6%の6市では、給料月額の順序と総額の順序がほとんど一致しません。給料月額2位の所沢市が総額では6位、5位の春日井市が総額では2位です
- 岸和田市は給料月額4位・総額3位で、6市のなかでずれがいちばん小さい市です
- 平均年齢40歳以上の4市は、40歳未満の2市より給料月額が10,425円多いのに、諸手当は13,930円少ない
- 結果として、総額の差は3,505円しかありません
- 「性質の違う基準を1つの窓口でさばく」経験は、企業でほとんど誰も整理していません(屋外広告物法1条・3条)
よくある質問
地域手当が同じなのに、給料月額の順と総額の順が違うのはなぜですか
諸手当が別々に動くからです。地域手当は給料月額×割合なので6市とも同じ向きに動きますが、時間外、住居、通勤、管理職といった残りの部分は、給料月額とは関係なく積み上がります。所沢市は給料月額が6市で2番目に高く、諸手当は6市で最も薄い。この2つが重なって、総額では6位になります。
年齢が上がると総額も上がるのではないですか
この6市では、そうなっていません。40歳以上の4市は給料月額が10,425円多い一方、諸手当は13,930円少なく、総額の差は3,505円です。理由はこの統計だけでは分かりませんが、打ち消し合っているという事実は、はっきり出ています。
諸手当22.0%のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当6%ぶんのおよそ18,846円を除いた、69,617円の部分です。総額に占める割合でいうと17.3%。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で人ごとに違います。求人票の想定年収と比べるときは、ここがどれだけ自分に付いているかが効きます。