自治体別 / 施行時特例市
厚木市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
厚木市の平均給与月額467,495円は、施行時特例市23市のなかで最も高い数字です。諸手当143,395円も、地域手当16%も1位。
ところが平均給料月額324,100円は、23市のなかでは中位です。
総額の高さは、給料表から来ていません。
厚木市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、厚木市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 厚木市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 99.9 |
| 平均年齢 | 41.8歳 |
| 平均給料月額 | 324,100円 |
| 諸手当月額 | 143,395円(施行時特例市23市で1位) |
| 平均給与月額 | 467,495円(施行時特例市23市で1位) |
| 平均給与月額(国ベース) | 416,360円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 16%(つくば市と並び23市で最も高い) |
| 地域手当(実際の支給割合) | 16% |
諸手当から地域手当を引く
給料月額324,100円の16%は、およそ51,856円。
| 項目 | 金額 | 総額に占める割合 |
|---|---|---|
| 諸手当月額 | 143,395円 | 30.7% |
| うち地域手当(概算) | 約51,856円 | 11.1% |
| 地域手当以外 | 約91,539円 | 19.6% |
諸手当の4割近くが地域手当です。残る約91,539円が、時間外・住居・扶養・管理職手当などにあたります。
茅ヶ崎市と並べる(年齢が0.1歳差)
| 項目 | 厚木市 | 茅ヶ崎市 | 差 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 99.9 | 97.7 | 2.2ポイント |
| 平均年齢 | 41.8歳 | 41.7歳 | 0.1歳 |
| 平均給料月額 | 324,100円 | 318,400円 | 5,700円 |
| 諸手当月額 | 143,395円 | 118,609円 | 24,786円 |
| 平均給与月額 | 467,495円 | 437,009円 | 30,486円 |
| 地域手当 | 16% | 10% | 6ポイント |
| 地域手当以外の手当 | 約91,539円 | 約86,769円 | 約4,770円 |
年齢は0.1歳差です。諸手当の差24,786円のうち、給料月額324,100円に対する地域手当6ポイントの差はおよそ19,446円。
引き算すると、地域手当以外の差は約4,770円まで縮みます。
県内の数字は神奈川県職員の転職に、年齢がほぼ同じ市は茅ヶ崎市職員の転職に整理しています。
施行時特例市とは、どういう市か
特例市という制度は、2015年(平成27年)4月1日に廃止されました。
そのときに特例市だった市が、「施行時特例市」として、それまでと同じ事務を引き続き処理しています。厚木市もその1つです。
中核市との違いは、はっきりしています。中核市は保健所を設置しますが、施行時特例市は設置しません。食品衛生や感染症対策は、都道府県の仕事として残ります。
一方で、施行時特例市が処理している事務も小さくありません。
- 都市計画法の開発許可
- 建築基準法の特定行政庁としての事務
- 騒音、振動、悪臭の規制
- 屋外広告物の規制
「建てる」「造る」「出す」に関わる許認可が中心です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 道路の管理と費用の負担区分の調整 | インフラ企画、渉外、購買 |
| 道路の占用許可と沿道の調整 | 規制対応、用地開発 |
| 開発許可、建築確認の審査 | 規制対応、用地開発、品質保証 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 騒音・振動・悪臭の規制 | 環境管理、規制対応 |
| 企業誘致・産業用地の整備 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「誰の持ち物で、誰が払うか」を決める実務
厚木市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
道路法第1条は、この法律が、道路網の整備を図るため、道路に関して、路線の指定及び認定、管理、構造、保全、費用の負担区分等に関する事項を定め、もって交通の発達に寄与し、公共の福祉を増進することを目的とすると定めています。
注目してほしいのは「費用の負担区分」が目的条文に入っていることです。
道路は、つながっています。ところが管理する主体は、国、県、市と分かれています。
同じように見える道でも、誰が管理し、誰が直し、誰が払うかが違う。そして道はつながっているので、境界のところで必ず調整が要ります。
- 交差点の一方が県道、もう一方が市道
- 歩道を広げたいが、管理者が違う
- 沿道の開発に伴う改良は、誰の負担か
- 占用している設備の移設費用は、誰が持つか
- そして、使っている人から見れば全部「道路」です
「つながっているものを、区分して管理する」という仕事です。
企業でも、まったく同じ構造があります。
共用の設備、共通のシステム、複数部門が使う拠点、社外と共有する仕組み。使う人から見れば1つですが、費用の負担は部門ごとに分かれています。
そして多くの企業で、境界のところが誰の仕事でもなくなります。各部門は自分の持ち分を見ます。ところが「つなぎ目は誰が持つか」を決めた人がいません。だから、つなぎ目だけが古いまま残り、問題が起きたときに担当が決まりません。
求人票では、インフラ企画、購買、業務設計、PMO、渉外といった名前で書かれています。
書くときのこつは、路線や施設の名前を出さないことです。どこが境界だったか、負担の区分をどう決めたか、決まらなかったときにどう処理したか、そして決めた区分を記録にどう残したか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
厚木で、どの経験が値になるか
1. 費用の負担区分を決めた経験
つなぎ目は誰が持つか。この決着をつけた経験は、企業の共用資源の管理でそのまま必要とされます。
2. 管理者が違う相手と調整した経験
国、県、事業者。指揮命令の関係がない相手との調整は、渉外に直結します。
3. 決まらなかったときの処理をした経験
すべてが決まるわけではありません。決まらないまま動かす方法を持っていた経験が値になります。
4. 交通の結節点にある都市の実務
通過する交通と、住んでいる人の生活。その間を整えた経験は、物流と都市開発で効きます。
5. 開発許可と建築確認の実務
審査する側にいた経験は、そのまま職種になります。
県内・県外の求人を見るときに
厚木市は神奈川県央にあり、県内や都内の求人が現実的な選択肢に入ります。製造業と研究施設の集積地として、担当エリア型の求人も多くあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○線の管理を担当」では読み手に何も残りません。どこが境界で、負担の区分をどう決めたか。
決まらなかった話を書く
すべてが決まるわけではありません。決まらないまま動かした方法を書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、管理する道路の延長、処理した件数、事業費。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、建築基準適合判定資格者。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
供用中の道路での工事は、扱える人が限られる
車線の規制、迂回、夜間作業、埋設物の確認。止められない場所で工事を組むという条件の工程管理は、経験者が多くありません。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。道路や施設の管理に関わったなら、延長、事業費、負担の割合、処理した件数で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 厚木市の一般行政職はラスパイレス指数99.9、平均給与月額467,495円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 総額・諸手当・地域手当16%の3つとも、施行時特例市23市で1位です
- ところが給料月額324,100円は23市のなかでは中位。総額の高さは給料表から来ていません
- 年齢が0.1歳差の茅ヶ崎市とは、地域手当を引くと約4,770円しか違いません
- 諸手当は総額の30.7%。地域手当を除いても19.6%が条件で動く部分です
- 「つなぎ目は誰が持つか」を決めた経験は、企業の共用資源の管理で抜けています(道路法1条)
よくある質問
総額が23市で1位なのに、給料月額は中位なのはなぜですか
総額の高さが、給料表から来ていないからです。効いているのは地域手当16%(およそ51,856円)と、地域手当を除いた手当約91,539円。諸手当143,395円の4割近くが地域手当にあたります。給料月額324,100円は、23市のなかでは中位です。
諸手当が総額の3割を超えていると、どう考えればいいですか
年による振れ幅が大きい、ということです。地域手当は割合が決まっていますが、時間外、住居、扶養、管理職手当は担当業務と家族構成と役職で変わります。厚木市は地域手当を除いても19.6%が動く部分。1年ぶんだけを見ると、高い年を基準にして「下がる」と判断してしまうことがあります。
道路の管理は、民間でどう読まれますか
「つなぎ目は誰が持つか」を決めた経験として読まれます。企業でも共用の設備や共通のシステムは、使う人から見れば1つですが費用の負担は部門ごとに分かれています。各部門が自分の持ち分だけを見るので、境界が誰の仕事でもなくなります。境界の場所、負担の区分の決め方、決まらなかったときの処理、記録の残し方を書いてください。