自治体別 / 中核市
盛岡市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
盛岡市の平均給与月額369,402円、秋田市は368,696円。差は706円です。
それでも平均給料月額は盛岡市306,700円、秋田市314,500円で7,800円違い、諸手当は盛岡市62,702円、秋田市54,196円で8,506円違います。
総額が並んでいても、中身は逆。どちらも地域手当0%なので、違いの出どころは絞り込めます。
盛岡市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、盛岡市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 盛岡市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 98.4 |
| 平均年齢 | 40.8歳 |
| 平均給料月額 | 306,700円 |
| 諸手当月額 | 62,702円 |
| 平均給与月額 | 369,402円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 334,681円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 0% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 0% |
秋田市と並べてみる
| 項目 | 盛岡市 | 秋田市 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 98.4 | 98.1 |
| 平均年齢 | 40.8歳 | 42.3歳 |
| 平均給料月額 | 306,700円 | 314,500円 |
| 諸手当月額 | 62,702円 | 54,196円 |
| 平均給与月額 | 369,402円 | 368,696円 |
| 地域手当(実支給) | 0% | 0% |
盛岡市は給料月額が7,800円低く、諸手当が8,506円厚い。この2つがほぼ相殺して、総額が706円差になります。
給料月額の差は、平均年齢1.5歳の違いで説明がつきます。秋田市のほうが年齢が高く、給料表は勤続年数とともに上がるためです。
一方でラスパイレス指数は盛岡市98.4、秋田市98.1で、補正して比べれば盛岡市がわずかに上。年齢の効果を取り除くと、順序が入れ替わります。
中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、県内の数字は岩手県職員の転職に整理しています。
中核市の職員は、保健所を持つ立場にある
地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。
とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。
「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 歴史的な建物と営みの保存・活用 | 文化事業企画、施設企画、ブランド企画 |
| 都市計画、中心市街地の再生 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 伝統工芸・地場産業の支援 | 事業開発、産地開発、ブランド企画 |
| 食品衛生・医療の許認可と監視 | 品質保証、薬事管理、規制対応 |
| 大学・研究機関との連携施策 | 産学連携、技術企画、事業開発 |
| 観光の誘客・受入環境整備 | 観光事業企画、集客企画 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「建物ではなく、営みごと残す」実務
盛岡市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律第1条は、この法律が、地域におけるその固有の歴史及び伝統を反映した人々の活動と、その活動が行われる歴史上価値の高い建造物及びその周辺の市街地とが一体となって形成してきた良好な市街地の環境(歴史的風致)の維持及び向上を図るものだと定めています。
注目してほしいのは、「人々の活動」が定義に入っていることです。
建物だけではありません。そこで営まれている商い、祭り、手仕事。それと建物と周辺の街並みが一体になったものを、対象にしています。
これが実務を難しくします。
- 建物を直しても、使っている人がいなければ意味がない
- 商いが続く条件を整えなければ、営みは消える
- 後継者がいない店を、どう扱うか
- 観光で人を呼ぶと、日常の営みが壊れることがある
- 補助を出しても、続けるかどうかは本人が決める
「形のあるものと、形のない営みを、同時に残す」という仕事です。
企業でも、同じ問題が起きています。
工場の設備は残っているが、作れる職人がいない。店舗はあるが、その店の売り方を知っている人が辞めた。マニュアルに書けない部分が、人と一緒に消える。
そして多くの企業が、設備や仕組みの承継には投資しても、「営み」の承継を後回しにします。目に見えず、費用対効果も示せないからです。
建物と営みの両方を扱ってきた経験は、ここで効きます。
求人票では、文化事業企画、ブランド企画、人材開発、事業承継支援といった名前で書かれています。
書くときのこつは、歴史や文化の価値を語らないことです。対象の件数、営みを続ける条件をどう整えたか、続かなかった事例では何が足りなかったか、そして観光と日常の折り合いをどう付けたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
盛岡で、どの経験が値になるか
1. 形のない営みを残そうとした経験
商い、手仕事、祭り。続く条件を整えた経験は、企業の事業承継や技能承継の場面でそのまま必要とされます。
2. 中心市街地の再生に関わった経験
空き店舗、権利者の調整、施設の再編。人が減る前提で街をどう作り直すかは、商業施設やまちづくり事業を手がける企業が直面している課題です。
3. 伝統工芸と地場産業を支えてきた経験
技術を持つ小さな事業者が集積する地域です。数が多く、一社ごとが小さい相手を動かした経験は、調達やパートナー営業の職務に直接つながります。
4. 大学・研究機関との連携
共同研究の橋渡し、人材の育成。研究の側と事業の側で言葉が通じないというのは、企業の側でも同じ悩みです。
5. 保健所を持つ市としての実務
食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。
県内・県外の求人を見るときに
盛岡市は県内の拠点機能が集まる位置にあり、担当エリア型の求人であれば、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○推進事業を担当」では読み手に何も残りません。事業名は庁内でしか意味を持たない固有名詞です。何件を、どういう基準で審査し、どこで判断が割れて、どう決着させたか。
続かなかった事例を書く
営みを残す仕事では、続かなかった事例で何が足りなかったかが、いちばん読まれます。そこに見立ての精度が表れるからです。
規模を必ず書く
市の人口、対象の件数、事業者の数、予算額。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築士、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
歴史的建造物の保存と改修は、希少な経験になる
構造の補強、意匠の維持、現行基準との折り合い。使い続けられる形にする設計を扱える人は限られます。設計事務所と、歴史的な建物を活用する事業者の両方から求められます。件数と、判断が割れた事例で書いてください。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。「行政なので利益はありません」と答えると、そこで話が終わります。事業の優先順位を付けた、単価の根拠を詰めた、複数案を比べた。同じ思考をしていたことを、民間の言葉で説明できるかが見られています。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 盛岡市の一般行政職はラスパイレス指数98.4、平均給与月額369,402円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 秋田市とは総額が706円差ですが、給料月額は7,800円、諸手当は8,506円違います
- 給料月額の差は平均年齢1.5歳で説明がつき、補正した指数では盛岡市がわずかに上になります
- 諸手当の比率17.0%は薄め。条件で動く部分が小さく、去年の源泉徴収票が物差しになります
- 建物ではなく営みごと残す実務は、企業の事業承継・技能承継と同じです(歴史まちづくり法1条)
- 価値を語らず、続く条件をどう整えたか、続かなかった事例で何が足りなかったかを書いてください
よくある質問
秋田市と総額がほぼ同じですが、中身も同じですか
逆になっています。盛岡市は給料月額が7,800円低く、諸手当が8,506円厚い。この2つがほぼ相殺して総額が706円差になります。給料月額の差は平均年齢1.5歳の違いで説明がつき、補正したラスパイレス指数では盛岡市98.4、秋田市98.1と順序が入れ替わります。団体の数字は自分の水準を測る物差しになりません。
保存の仕事は、事業を作る職種には向きませんか
やってきたのは、守ることではなく続けさせることのはずです。建物を直しても使う人がいなければ意味がない。商いが続く条件を整え、後継者の話に立ち入り、それでも続かない店を見送る。この経験は、企業の事業承継と技能承継で必要とされています。設備は残っても作れる職人がいない、という問題が各社で起きています。
市内に希望する職種の求人が見当たりません
勤務地から探すのをやめてください。担当エリアが岩手県全域や北東北という求人であれば、本社の近くに住む必要はありません。リモート可や週数日出社の求人も増えています。まず職種で絞り、そのあとに出社頻度と担当エリアを確認する。この順序に変えるだけで、見える求人が変わります。掲載中の求人を見てみることもできます。