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自治体別 / 中核市

大分市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方

大分市のラスパイレス指数102.1は、中核市62市のなかで2番目に高い数字です(越谷市102.7に次ぎます)。

地域手当は0%です。

そして宮崎市と並べると、平均年齢が40.4歳で完全に一致し、地域手当も同率0%、諸手当も57円差。変数が給料月額だけという、ここまでで最もきれいな組み合わせになりました。

大分市の給与水準を、数字で確認する

総務省の調査によると、大分市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。

項目大分市
ラスパイレス指数102.1(中核市62市で2番目)
平均年齢40.4歳
平均給料月額322,600円
諸手当月額71,242円
平均給与月額393,842円
平均給与月額(国ベース)351,583円
地域手当(国の指定基準)0%
地域手当(実際の支給割合)0%

宮崎市と並べる(年齢・地域手当・諸手当が揃う)

項目大分市宮崎市差
ラスパイレス指数102.198.63.5ポイント
平均年齢40.4歳40.4歳一致
平均給料月額322,600円313,700円8,900円
諸手当月額71,242円71,185円57円
平均給与月額393,842円384,885円8,957円
地域手当0%0%同率

年齢が完全に一致し、地域手当も同率0%、諸手当も57円差。

残る変数は、給料月額だけです。

そして総額の差8,957円は、給料月額の差8,900円とほぼ完全に一致します。

ここで初めて、指数の意味がまっすぐ出ます

ラスパイレス指数は、年齢と学歴の構成を国に合わせて補正したうえで、給料表の水準を比べた数字です。

この2市は平均年齢が同じです。だから補正で消える部分がほとんどありません。

年齢が揃っているとき、指数の差はそのまま給料月額の差として見えます。

ここまでの記事では、年齢が違うために指数と給料月額の順序が逆転する例をいくつも見てきました。倉敷市と福山市は指数が完全に一致していながら給料月額が15,000円離れ、呉市は倉敷市と給料月額が200円差でも指数が2.2ポイント低く出ました。年齢が揃って初めて、指数は素直な数字になります。

中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、県内の数字は大分県職員の転職に、条件が揃う市は宮崎市職員の転職に整理しています。

中核市の職員は、保健所を持つ立場にある

地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。

とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。

「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。

市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか

市役所での仕事求人票での言い方
予算の要求・査定、財政計画予実管理、投資判断、経営企画
工場排水の規制と測定環境管理、品質保証、規制対応
立入検査と改善の指導監査、サプライヤー監査
臨海部の用地と産業の調整用地開発、事業開発
都市計画、区画整理、駅周辺の整備用地開発、開発企画、都市開発
食品衛生・医療の許認可と監視品質保証、薬事管理、規制対応
企業誘致・産業団地の整備事業開発、用地開発、アライアンス
上下水道など公営企業インフラ運営、事業運営
市有施設の設計・積算・監督発注者支援、施工管理
窓口・住民対応の業務設計カスタマーサポート、業務設計
内部管理(人事・財政・総務・会計)コーポレート、管理部門
議会対応、条例・規則の改正渉外、法務、規程整備

部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。

「出したあとを追う」実務

大分市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。

水質汚濁防止法第1条は、この法律が、工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出及び地下に浸透する水の浸透を規制するとともに、生活排水対策の実施を推進すること等によって、公共用水域及び地下水の水質の汚濁の防止を図り、もって国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、並びに被害が生じた場合における事業者の損害賠償の責任について定めることにより被害者の保護を図るものだとしています。

注目してほしいのは「地下に浸透する水の浸透」まで対象にしていることです。

排水口から出ていくものだけではありません。地面に染み込んでいくものも、規制の対象に入っています。

見えないところに出ていくものを、どう扱うか。それがこの法律の難しさです。

「出した時点では誰も気付かない影響を、あとから遡って扱う」という仕事です。

だから記録がすべてです。いつ、どこで、何を、どれだけ測ったか。測っていなければ、いつから始まったのかを示せません。

企業でも、まったく同じ構造があります。

情報の持ち出し、不良品の混入、会計処理の誤り、権限の逸脱。どれも起きた時点では見えず、分かったときには何年も経っています。そして「いつから続いていたのか」を示せなければ、範囲が確定しません。

そして多くの企業で、遡れる記録が残っていません。現場は日々の作業を優先し、管理部門は報告を集めるだけ。ところが「あとから遡れるようにするには、いま何を残しておく必要があるか」を設計した人がいません。だから問題が出たとき、いつからかも、どこまでかも分かりません。

求人票では、内部監査、環境管理、品質保証、内部統制、規制対応といった名前で書かれています。

書くときのこつは、施設や制度の名前を出さないことです。何を、どの頻度で、どこで測る仕組みにしたか、基準を超えたときにどう遡ったか、遡れなかった部分はどこか、そして記録の残し方をどう改めさせたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。

行政が相手の求人を見てみる

大分で、どの経験が値になるか

1. あとから遡れる記録を設計した経験

いま何を残しておけば、あとから遡れるか。この設計ができる人は、企業の中にほとんどいません。

2. 遡れなかった部分を把握していた経験

すべては遡れません。どこまで分かって、どこから先は分からないかを言えることが値になります。

3. 見えない影響を扱った経験

出した時点では誰も気付かない。この前提で仕組みを作った経験は、情報管理と品質管理でそのまま必要とされます。

4. 臨海部の産業と市街地が近い都市の実務

先にある工場と、後から増えた住まい。その間を整えた経験は、用地開発と渉外に直結します。

5. 医療・保健の許認可と監視

食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。

県内・県外の求人を見るときに

大分市は大分県の中心にあり、県内や北部九州を担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。

判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。

まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。

自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。

職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか

制度名ではなく、判断したことを書く

「○○の規制事務を担当」では読み手に何も残りません。何をどの頻度でどこで測る仕組みにし、基準を超えたときにどう遡ったか。

遡れなかった部分を書く

すべては遡れません。どこから先が分からなかったかを書けると、範囲を把握していたことが伝わります。

規模を必ず書く

市の人口、対象となる事業場の数、検査の件数、測定の回数。数字を添えないと規模が伝わりません。

技術職の場合は、探し方が変わる

発注者側の経験そのものが職種になる

「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。

資格が入口で効く

技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、公害防止管理者、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。

地下水と土壌の調査は、扱える人が限られる

井戸の配置、流向の推定、汚染の広がり方、対策の工法。見えないものの範囲を推定する技術は、経験者が多くありません。環境コンサルティングと工場を持つ企業の双方から求められます。

面接で必ず詰められる2つのこと

「意思決定のスピードに耐えられるか」

行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。

「数字への意識があるか」

「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。規制や監視に関わったなら、対象となる事業場の数、検査の件数、基準を超えた割合、是正までの期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。

在職中に進めるときの注意点

顔が知られている前提で動く

市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。

服務上の扱いを先に確かめる

在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。

面接の日程は、議会日程から逆算する

地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。

在職中に決める

公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。

LINEで短く聞くこともできます

まとめ

よくある質問

指数の差が、そのまま給料月額の差になるのはなぜですか

年齢構成が揃っているからです。ラスパイレス指数は年齢と学歴の構成を国に合わせて補正した数字なので、比べる2市の年齢が同じなら、補正で消える部分がほとんどありません。大分市と宮崎市は平均年齢が40.4歳で完全に一致し、指数の差3.5ポイントが給料月額の差8,900円(約2.8%)として現れます。

指数が中核市で2番目に高いことは、転職で意味を持ちますか

団体の指数は、求人票の想定年収とは関係しません。見られるのは自分の実額です。しかも指数が当てになるのは年齢構成が揃った相手と比べたときだけで、倉敷市と福山市は指数が完全一致でも給料月額が15,000円離れます。団体の平均ではなく、複数年ぶんの源泉徴収票の支払金額で比べてください。

規制や測定の仕事は、実績として書きにくいです

書くのは記録の設計です。何を、どの頻度で、どこで測る仕組みにしたか。基準を超えたときにどう遡ったか。企業では情報の持ち出しも不良品の混入も、分かったときには何年も経っていて、「いつから続いていたのか」を示せなければ範囲が確定しません。「あとから遡れるようにするには、いま何を残すか」を設計した人がいません。

出典

  1. 令和6年 給与・定員等の調査結果等(ラスパイレス指数及び平均年齢・平均給与月額等・市区町村)|総務省
  2. 水質汚濁防止法 第1条(目的)|e-Gov法令検索
  3. 地方自治法 第252条の22(中核市の権能)/第211条(予算の調製及び議決)/第233条(決算)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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