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制度とお金 / 任用

会計年度任用職員とは

財政課で働いていると、同じ課に会計年度任用職員がいて、決算統計の入力や資料の整理を担っています。転職を考える方にとって、会計年度任用職員は2つの意味で関わります。退職した後に、自治体の仕事を短時間で続ける入口として、そして、財政課の業務を民間の視点で見るとき、常勤と非常勤の任用の違いを説明できる知識として。

会計年度任用職員は、地方公務員法第22条の2により、一会計年度を超えない範囲で置かれる非常勤の職を占める職員で、パートタイム(週の勤務時間が常勤より短い)とフルタイム(常勤と同じ)の2つの区分があります。任期は最長で会計年度の末日まで、条件付採用は1か月、報酬と手当は地方自治法第203条の2と条例で定められます。

この記事では、会計年度任用職員の条文、2つの区分、任期と再度の任用、報酬と手当、共済と社会保険、退職後に応募する場合の注意を整理します。報酬の額、手当の有無、募集の有無は自治体によるので、応募を考える方は、募集の要項と人事の担当課で確かめてください。

条文——第22条の2

項内容
第1項会計年度任用職員の採用は、競争試験または選考による。区分は次の2つ
第1項第1号パートタイム:一会計年度を超えない範囲内で置かれる非常勤の職(定年前再任用短時間勤務の職を除く)を占め、1週間の通常の勤務時間が常勤より短い職員
第1項第2号フルタイム:同じ職を占め、1週間の通常の勤務時間が常勤と同一の職員
第2項任期は、採用の日から同日の属する会計年度の末日までの期間の範囲内で任命権者が定める
第3項採用の際、任期を明示しなければならない
第4項任期が会計年度の末日に満たない場合、勤務実績を考慮して、その範囲内で任期を更新できる
第6項職務の遂行に必要かつ十分な任期を定め、必要以上に短い任期を定めて採用・更新を反復してはならない
第7項条件付採用の期間は、「6月」を「1月」と読み替える(第22条)

「会計年度」の単位で任用される非常勤の職員が定義で、任期は最長でその年度の3月31日までです。翌年度も働く場合は、再度の任用(新たな採用)になります。

2つの区分——パートタイムとフルタイム

項目パートタイム(第1号)フルタイム(第2号)
勤務時間常勤より短い常勤と同じ
給付報酬(地方自治法第203条の2)。期末手当・勤勉手当を支給できる給料と手当(地方自治法第204条。常勤の職員と同じ体系)
共済勤務時間により、健康保険・厚生年金または国民健康保険・国民年金共済組合の組合員となる場合がある(任用の期間などによる)
退職手当原則として対象外一定の期間以上の任用で対象となる場合がある(条例)
営利企業への従事等の制限(第38条)対象外(非常勤職員)対象

財政課の会計年度任用職員の多くはパートタイムで、報酬と期末手当・勤勉手当の体系です。地方自治法第203条の2は、非常勤の職員(フルタイムの会計年度任用職員を除く)に報酬を支給しなければならず、期末手当または勤勉手当を支給することができ、額と支給方法は条例で定めると規定しています。

任期と再度の任用

項目内容
任期採用の日から会計年度の末日まで(最長)
再度の任用翌年度も働く場合は、新たな採用として、競争試験または選考を経る。前年度の勤務実績が考慮されることが多い
公募多くの自治体で、一定の回数の再度の任用の後に公募を行う運用。詳しくは公募と再度の任用に書いています
条件付採用採用のたびに1か月の条件付採用(第7項)
任期の明示採用のたびに任期を明示(第3項)

「来年も働けるか」は、再度の任用の判断によるので、保証はありません。再度の任用の運用(公募の時期、回数の上限)は自治体ごとに違います。

退職後に応募する場合——注意

点内容
応募の資格退職した職員が応募することを禁じる規定はない。募集の要項の要件(年齢、資格、経験)による
経験の評価財政課の経験は、財政・会計の業務の会計年度任用職員の選考で評価されやすい
身分の違い常勤の職員ではなく非常勤の職員。報酬の体系、共済、退職手当が変わる
服務パートタイムは第38条の対象外で、他の仕事と兼ねられる。守秘義務(第34条)、職務専念義務(第35条)、信用失墜行為の禁止(第33条)は及ぶ
再就職者の働きかけの規制(第38条の2)会計年度任用職員は「営利企業等の地位」ではなく自治体の職員なので、自治体への再任用の形では規制の対象にならない。ただし、退職後に民間に就職した後で会計年度任用職員を兼ねる場合は、民間の側で規制が及ぶ
退職手当・年金との関係退職手当は退職の時点で受取り済み。共済の年金は原則65歳から。会計年度任用職員の報酬は、年金の在職老齢年金の調整の対象になる場合がある(65歳以降、厚生年金の被保険者となる勤務時間の場合)

退職後に会計年度任用職員として自治体に戻る形は、時間を減らして自治体の仕事を続けたい方にとって現実的な選択肢です。ただし、身分は非常勤で、再度の任用の保証はなく、報酬の水準は常勤とは別の体系です。定年前再任用短時間勤務(第22条の4)が使える年齢の方は、そちらのほうが身分と処遇の面で有利なので、先に確かめてください。

転職するとどうなるか

転職を考えている方にとって、会計年度任用職員で効いてくる点は3つです。

1. 退職後に自治体の仕事を短時間で続ける入口になる

財政課の経験は選考で評価されやすいですが、身分は非常勤で、再度の任用の保証はありません。

2. パートタイムは第38条の対象外で、民間の仕事と兼ねられる

転職先で働きながら、自治体の業務を週数日担う形が制度上は可能です。転職先の兼業の規程は別に確かめてください。

3. 定年前再任用短時間勤務が使える年齢なら、そちらが先

身分と処遇の面で有利です。60歳以上で退職する方は、第22条の4の制度を先に確かめてください。

手続きと期限

順序手続き時期場所
退職後の働き方を考えたら定年前再任用短時間勤務の対象か(60歳以上)を確かめる退職前人事の担当課
会計年度任用職員を考えるなら募集の要項(報酬、勤務時間、手当、任期、再度の任用の運用)を確かめる募集の時期自治体の採用情報
応募競争試験または選考募集の時期任命権者
採用任期の明示を受ける。条件付採用1か月採用の日任命権者
採用後勤務時間に応じた社会保険の加入。民間の仕事と兼ねる場合は転職先の規程を確かめる採用後自治体、転職先
年度末再度の任用の選考(公募の場合は応募)年度末任命権者

誤解されやすい点

「会計年度任用職員は常勤の職員と同じ身分」と思い込む

非常勤の職員で、任期は最長で会計年度の末日までです(第22条の2)。

「一度採用されれば毎年続けられる」と思い込む

翌年度は新たな採用で、再度の任用の保証はありません。公募の運用も自治体によります。

「会計年度任用職員には手当がない」と思い込む

期末手当・勤勉手当を支給できると地方自治法第203条の2が定め、条例で支給しています。

「退職した職員は会計年度任用職員に応募できない」と思い込む

禁じる規定はなく、募集の要項の要件によるので、経験者として応募できます。

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まとめ

よくある質問

民間に転職した後、パートタイムの会計年度任用職員を兼ねることはできますか

制度上は可能です。パートタイムの会計年度任用職員は営利企業への従事等の制限(第38条)の対象外で、転職先の兼業の規程が許せば、両方を続けられます。第38条第1項ただし書により、非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員などを除く)は営利企業への従事等の制限の対象外なので、パートタイムの会計年度任用職員が民間企業で働くことに、地方公務員法上の制限はありません。逆に、転職先の就業規則で副業・兼業が制限されていれば、転職先の側の許可が要ります。守秘義務(第34条)、職務専念義務(第35条、勤務時間中)、信用失墜行為の禁止(第33条)は会計年度任用職員にも及び、自治体の業務で知り得た秘密を転職先で使うことはできません。転職先が自治体を顧客とする企業の場合、自治体の会計年度任用職員を兼ねることが利益相反として問題になり得るので、転職先と自治体の両方に事情を伝えて、可否を確かめてください。週2〜3日の会計年度任用職員と、民間の仕事を組み合わせる形は、財政・会計の経験を両方で生かす道として、面談でも例があります。

会計年度任用職員の報酬は、どのくらいですか

自治体の条例で定められ、職務の内容と勤務時間により違います。募集の要項に報酬の額(時間額または月額)が明示されているので、そこで確かめてください。パートタイムの会計年度任用職員の報酬は、地方自治法第203条の2に基づき条例で定められ、多くの自治体で、常勤の職員の給料表の一定の級・号給を基礎に、勤務時間に応じて時間額または月額を算定しています。期末手当・勤勉手当は、条例により、一定の勤務時間と任期の要件を満たす職員に支給され、支給の割合は常勤の職員と同じ水準に近づける運用が広がっていますが、自治体によります。通勤に要する費用は費用弁償として支給されます。財政課の経験者として採用される場合、経験を報酬の決定で考慮する自治体もあれば、職務の内容で一律に定める自治体もあります。募集の要項で「報酬の額、期末手当・勤勉手当の有無と支給の要件、費用弁償、社会保険の加入」を確かめ、年間の収入の見込みを出してください。民間の仕事と組み合わせる場合は、両方の収入を合わせて見込みます。

定年前再任用短時間勤務と、会計年度任用職員は、どちらがよいですか

60歳以上で退職する方は、定年前再任用短時間勤務が身分と処遇の面で有利です。60歳未満で退職する方や、定年前再任用短時間勤務の選考に通らなかった方は、会計年度任用職員が選択肢になります。定年前再任用短時間勤務(第22条の4)は、条例で定める年齢(国の例で60歳)以上で退職した者を、選考により定年退職日相当日まで短時間勤務の職に採用する制度で、任期が定年退職日相当日まで続き、給与は短時間勤務の職の給与(常勤の給料表を基礎に勤務時間で按分)で、期末手当・勤勉手当も条例により支給されます。会計年度任用職員は、任期が最長で会計年度の末日まで、翌年度は新たな採用で保証がなく、報酬は非常勤の体系です。任期の安定性、給与の水準、共済の扱いのいずれも、定年前再任用短時間勤務のほうが有利なことが一般的です。60歳以上で退職する方は、まず定年前再任用短時間勤務の対象か、短時間勤務の職があるか、選考の時期はいつかを人事の担当課で確かめ、その道が使えない場合に会計年度任用職員を考える順序が合理的です。60歳未満で退職して自治体の仕事を短時間で続けたい方は、会計年度任用職員が主な入口です(定年前再任用短時間勤務)。

出典

  1. 地方公務員法 第22条(条件付採用)/第22条の2(会計年度任用職員の採用の方法等)/第22条の4(定年前再任用短時間勤務職員の任用)|e-Gov法令検索
  2. 地方自治法 第203条の2(非常勤の職員の報酬等)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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