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制度とお金 / 失業給付と税金

給与の源泉徴収の仕組み

給与明細に記載された所得税は、通常、給与を受け取る本人が毎月税務署へ振り込むのではなく、勤務先が給与から差し引いて国へ納めています。この仕組みが源泉徴収です。公務から民間へ移る場合も、給与から税を徴収する基本的な考え方を確認しておくと役立ちます。

ただし、毎月差し引かれた額がそのまま一年の最終的な税額になるとは限りません。年末調整や確定申告との関係、申告書の提出状況も重要です。本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。国内の居住者が受け取る給与の一般的な取扱いを扱い、本人の税額・申告は勤務先の給与担当と税務署に確認してください。

勤務先が支払時に徴収し国へ納める

所得税法第183条は、給与等の支払者が支払の際に所得税を徴収する義務を定めています。源泉徴収義務者は民間企業だけではありません。国税庁の説明でも、官公庁や学校など、給与を支払う組織も含まれるとされています。

2026年分の給与では、所得税と復興特別所得税の源泉徴収を確認します。勤務先は給与から税を差し引いて本人へ支払い、徴収した税を国へ納めます。給与担当が本人の税額を任意の割合で決めているわけではなく、法令と税額表などに沿って計算する仕組みです。

国税庁は、原則として実際に給与などを支払った月の翌月10日までに納めると案内しています。これは主に給与支払者の納付についての期限です。本人が明細の所得税と同じ額を、毎月重ねて税務署に納めるという意味ではありません。

給与明細では、所得税、住民税、社会保険料などが控除欄に並ぶことがあります。しかし、税の計算や納付先は同一ではありません。手取り額が減ったときは控除の合計だけを見るのではなく、どの項目が変わったかを分けて確認してください。

毎月の税額は課税対象額と税額表を確認する

所得税法第185条は、給与等から徴収する税額の計算を定めています。通常の月給では、給与のうち課税対象となる部分や社会保険料等の控除後の金額、税額表の適用欄、扶養親族等の扱いなどを確認します。給与総額に同じ率を掛ければ毎月の税が分かるとは限りません。

給与の名称だけで課税・非課税を判断することも避けます。たとえば通勤手当には非課税の制度がありますが、対象と限度などの条件があります。支給欄に載っている金額すべてを一括して税額表に当てはめるのではなく、給与計算上の課税対象額を給与担当に確認します。

また、賞与の源泉徴収は通常の月給と計算方法が異なります。賞与明細の税額を月給の税額と単純に比較し、税率が間違っているとは判断できません。通常給与と賞与を分けて、適用した表や計算条件を尋ねてください。

2026年版の国税庁「源泉徴収のあらまし」には、作成の基準となった法令時点と、その後の改正に関する案内が載っています。同じ「2026年版」でも、その資料だけでその年のすべての変更を確認したことにはなりません。改正案内と適用時期も併せて見る必要があります。

甲欄と乙欄は申告書の提出状況などで異なる

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、名前に扶養とあっても、扶養家族がいる人だけの書類ではありません。所得税法第194条に基づく申告で、主たる給与の源泉徴収や年末調整に関係します。転職先から提出を求められたら、扶養親族がいないという理由で放置しないようにします。

国税庁の二か所以上の給与に関する説明では、この申告書を提出した勤務先の主たる給与は税額表の甲欄、従たる給与は乙欄で求めるとされています。両者は税額の求め方が異なるため、支給条件が似ていても明細の税額が同じになるとは限りません。

複数の勤務先から同時に給与を受ける場合、通常の扶養控除等申告書をそれぞれへ重複して出すことはできません。主たる給与と従たる給与の区分や、従たる給与に関する別の申告制度の該当性は、給与担当や税務署へ確認します。源泉徴収の説明は、兼業が許可されるかという服務上の判断とは別です。

転職で給与支払者が変わる場合も、新勤務先に必要な申告を行います。前職で提出済みだから新勤務先でも同じ条件が自動的に登録されるとは考えないでください。入社時には、いつまでにどの申告書を提出すれば初回の給与計算に反映できるかを確認します。

職務や勤務条件の比較には、公務員経験を生かせる求人一覧も使えます。掲載条件と手取りの見込みを同じ数字として扱わず、控除の条件は別途確認してください。

年末調整は一年分との過不足を精算する

所得税法第190条の年末調整は、対象者について、給与から徴収してきた税と一年の給与に関する税額との過不足を精算する仕組みです。控除の申告内容や年間の給与などを確認して計算するため、毎月の税の合計と最終的な税額は一致しないことがあります。

年の途中で転職し、前職でも扶養控除等申告書を提出して給与を受けていた場合は、原則としてその前職分を含めた確認が必要です。国税庁No.2674は、前職の給与、徴収税額、社会保険料などを源泉徴収票などで確認し、確認できなければ年末調整ができないと説明しています。

ただし、給与として受け取ったものを無条件ですべて転職先の年末調整へ合算できるわけではありません。同時に複数の勤務先から受ける従たる給与は、原則として年末調整できないとされています。前職の給与なのか、同時並行の従たる給与なのかを区別して伝えてください。

年末調整を受けたとしても、ほかの所得や控除などによって確定申告が必要な場合があります。「給与から税が引かれている」「年末調整をした」という事実だけで、すべての税の申告が終わったとは判断しません。本人の所得全体と受けたい控除を税務署へ確認します。

2026年は毎月の徴収と改正後の精算時期を区別する

国税庁の2026年度税制改正の案内では、基礎控除、給与所得控除の最低保障額、扶養親族等の所得要件などの改正について、原則として2026年12月1日に施行し、2026年分以後の所得税に適用するとしています。

同じ案内は、この改正による源泉徴収事務の変更について、2026年11月までの事務には変更がなく、12月に行う年末調整などから変更が生じると説明しています。つまり、年間の所得税への適用と、毎月の給与計算へ反映する時点を、同じものとして読まないことが重要です。

改正後の控除の説明を見て、11月以前の明細の税を本人が独自に差し引き直すことは避けてください。担当者には、どの年分の税を、どの時点の制度に従って処理しているかを尋ねます。2027年分の税額表や防衛特別所得税の案内も、2026年分と区別して確認する必要があります。

今年の年末調整に何を申告するかは、年末調整で申告する項目で整理しています。前年の申告書をそのまま写さず、勤務先から案内された対象年分と最新様式を確認しましょう。

退職前後は源泉徴収票を確実に受け取る

所得税法第226条は、給与所得の源泉徴収票の本人への交付について定めています。年の中途で退職した人への交付は、原則として退職の日以後一か月以内です。退職時には交付方法と連絡先を確認し、電子交付の場合は退職後にも取得できるかを確かめます。

源泉徴収票では対象年分、支払金額、源泉徴収税額、社会保険料などを確認します。給与明細一枚の代わりではなく、その年の給与に関する情報を確認する資料です。退職手当について交付される源泉徴収票とは区分して保管してください。

年内に転職する場合は、新勤務先の年末調整の締切に間に合うよう提出時期を相談します。届かない場合は前職の担当へ交付状況を問い合わせ、再交付や受取方法を確認します。前職の給与を推測で申告せず、新勤務先に確認できない事情を伝えてください。

入社時期や仕事の希望を整理する場として、相談の申込みも利用できます。源泉徴収や年末調整の確定は給与担当・税務署へ、経歴や応募先の整理は仕事の相談先へ、それぞれ確認しましょう。

よくある質問

所得税が給与から引かれていれば確定申告は不要ですか

それだけでは決まりません。年末調整の有無に加え、ほかの所得や適用したい控除などで申告の要否が変わります。本人の状況を税務署に確認してください。

扶養家族がいなくても扶養控除等申告書は関係しますか

関係します。主たる給与の源泉徴収や年末調整に関わる書類です。勤務先から提出案内があった場合は、対象年分と記載内容を確認してください。

転職先には前職の給与明細だけを提出すればよいですか

前職分の年末調整に必要な情報は、通常、給与所得の源泉徴収票などで確認します。必要書類と提出期限を新勤務先へ確認し、前職から源泉徴収票を受け取ってください。

源泉徴収は給与の支払時の徴収、年末調整は対象者の年間の精算です。両者を分け、申告書と源泉徴収票を整理しましょう。仕事の選び方はLINEの相談窓口でも相談できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。

出典

  1. 所得税法 第183条・第185条・第190条・第194条・第226条
  2. 国税庁 No.2502 源泉徴収義務者とは
  3. 国税庁 No.2520 2か所以上から給与をもらっている人の源泉徴収
  4. 国税庁 No.2674 中途就職者の年末調整
  5. 国税庁 令和8年版 源泉徴収のあらまし
  6. 国税庁 令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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