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制度とお金 / 失業給付と税金

年末調整で申告する項目

年末調整の書類は、保険料の証明書を出せば終わり、とは限りません。本人と家族の所得、扶養の状況、直接払った社会保険料、住宅ローン控除など、該当する項目を確認します。転職した年は、前職の給与についての資料も重要です。

2026年分は税制改正により控除や様式の確認が必要です。前年と家族構成が同じでも、前年の記載をそのまま使えるとは限りません。本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。主に12月に行う年末調整の一般的な項目を整理します。本人の控除や申告の判断は給与担当と税務署に確認してください。

最初に対象年分と年末調整を行う勤務先を確認する

所得税法第190条は、対象者の給与から徴収してきた所得税と年間の税額との差を精算する年末調整を定めています。その計算には、本人が提出する各種申告書の情報が関係します。勤務先が家族や保険料の情報をすべて自動的に把握しているわけではありません。

年の途中で転職し、年末まで新勤務先で働く場合などは、年末調整の対象となるか確認します。前職で扶養控除等申告書を提出して受けた給与は、源泉徴収票などで給与額、源泉徴収税額、社会保険料等を確認し、新勤務先で扱う必要があります。

国税庁No.2674は、前職の情報を確認できない場合は年末調整ができず、本人が確定申告で精算することになると案内しています。すべての退職者や入社者が同じ取扱いになるわけではないため、給与を受けた期間と申告状況を新勤務先に伝えてください。

さらに秋の書類提出では、2026年分の年末調整用と、2027年分の給与計算に使う扶養控除等申告書を同時に求められることがあります。書類の上部の年分を見て、今年の実績・見込みを書くのか、翌年の状況を書くのかを区別しましょう。

申告項目を四つのまとまりで確認する

国税庁の2026年分「年末調整のしかた」は、扶養控除等、基礎控除・配偶者控除等など、保険料控除、住宅借入金等特別控除の各申告書の確認を案内しています。本人が必要な資料を集めるときも、この区分で整理すると見落としを防げます。

確認するまとまり主な内容
扶養控除等申告書扶養親族、障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生などの該当性
基礎控除などの兼用申告書本人・配偶者の所得見積り、特定親族、所得金額調整控除など
保険料控除申告書生命保険、地震保険、直接支払った社会保険料等
住宅ローン控除の申告書等年末調整で適用できる年か、必要な証明・情報

複数の控除の申告書が一枚の兼用様式になっていても、記載する項目は本人の状況によって違います。書類の数が少ないから確認事項も少ない、と考えず、どの控除について申告するかを先に確認します。

電子申告を利用する場合も、確認すべき内容は同じです。勤務先のシステムで登録済みの情報を見直し、証明データの取込みや添付が完了しているかを確認します。途中保存と提出完了を区別し、修正が必要なときの連絡先も把握しておきましょう。

扶養と配偶者は年の所得見込みを確認する

扶養控除等申告書は所得税法第194条に関係する書類です。家族の就職、収入の変化、結婚などによる異動のほか、本人が障害者やひとり親などの要件に該当するかも確認します。氏名や続柄が前年と同じでも、控除の条件が同じとは限りません。

所得の判定では、手取り額ではなく、その年の所得を確認します。給与だけなら給与収入から給与所得控除を踏まえて所得を求めますが、ほかの所得がある場合はそれも考慮します。家族に見込みを確認し、不明なまま前年の額を写さないようにします。

配偶者控除・配偶者特別控除では、本人と配偶者の所得などを確認します。扶養控除等申告書の配偶者欄に記載したことだけで年末調整の申告が済むとは限らず、配偶者控除等申告書の提出が必要です。国税庁の2026年分の手引もこの点を注意事項として示しています。

特定親族特別控除も、通常の扶養控除と区分して確認します。親族の年齢や所得などの要件に応じる制度で、対象となる場合にはその申告書が必要です。扶養控除等申告書の源泉控除対象親族欄への記載の有無だけで、年末調整の手続きが完了したとは判断しません。

仕事内容や勤務時間などの選択肢は、掲載中の求人一覧から確認できます。控除の該当性は税務の窓口で確かめ、求人条件とは別の項目として整理してください。

基礎控除の所得見積りには前職分なども反映する

基礎控除申告書には本人の合計所得金額の見積りなどを記載します。所得税法第195条の4が関係する手続きです。転職した年に、新勤務先から受け取る給与だけを一年分として記入すると、前職分が漏れるおそれがあります。

前職と現職の給与、給与以外の所得がある場合は、その種類と金額を整理します。源泉徴収票の支払金額と、給与所得控除を踏まえた所得金額は同じではありません。また、すでにほかの資料に前職分が合算されている場合は、重ねて加えていないか確認します。

退職手当を受け取った場合も、その支給額をそのまま給与収入の欄に加えることはしません。退職所得に関する資料と給与の源泉徴収票を分け、合計所得金額を確認する際に何を含めるかを手引や給与担当に照会してください。

所得金額調整控除も、本人の給与収入や家族・障害の状況など、制度の要件に該当するかを確認して申告します。兼用様式に欄があるから全員が記載する、と判断せず、対象かどうかを勤務先の案内で確かめます。

保険料は給与控除分と本人が直接払った分を分ける

保険料控除申告書では、生命保険料、地震保険料、社会保険料、小規模企業共済等掛金などの該当する項目を確認します。所得税法第196条が申告書に関係します。保険会社などから届く控除証明書の区分と対象年分を見ながら整理してください。

生命保険料は一般、介護医療、個人年金などの区分と新旧契約の扱いを確認します。支払った保険料がそのまま同額の税の還付になるわけではありません。証明書に表示された支払額と、計算した控除額を区別し、勤務先の様式やシステムに沿って申告します。

社会保険料では、すでに給与から差し引かれ勤務先が把握する分と、本人が直接支払った分を分けます。給与控除分を保険料控除申告書の申告分へ再び記載し、重複させないようにします。転職の間に直接納めた国民年金や国民健康保険などは、支払った年、支払った人、金額を確認します。

国税庁は、国民年金保険料等では支払額の証明書類が必要とする一方、それ以外の社会保険料については添付不要と案内しています。すべての保険料に同じ証明書が必要とは限りません。証明書が届かない場合や電子データを利用する場合の方法も、給与担当へ確認してください。

2026年分の改正と11月以前の取扱いに注意する

国税庁は、2026年度改正による基礎控除、給与所得控除の最低保障額、扶養親族等の所得要件などの見直しについて、原則2026年12月1日施行、2026年分以後の所得税に適用すると案内しています。11月までの源泉徴収事務には変更がない点も示しています。

年末調整用の基礎控除等の兼用様式についても、2026年分の様式は12月1日以後の年末調整で使うとされ、11月30日以前に行う場合は前年分の様式を補正するなどの案内があります。年の途中で年末調整を行う事情がある場合は、通常の12月用の説明だけで判断しないでください。

2026年分には、年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例も案内されています。保険料控除申告書の該当欄と要件を確認し、家族の年齢だけで適用を決めないようにします。11月以前に年末調整を行う場合は所得要件の読み替えの注意書きもあります。

これらは所得税の説明です。住民税にも同じ金額や同じ時期で一律に適用されると考えず、税の種類と年分・年度を分けて確認します。改正の全体像と毎月の給与計算の関係は給与の源泉徴収の仕組みでも整理しています。

住宅ローン控除と年末調整で扱えない項目を分ける

住宅ローン控除は、年末調整で適用できる年かを確認し、必要な申告書や年末残高等の情報を準備します。初めて適用を受ける年は原則として確定申告が必要です。以後の年も、居住や借入れなど本人の条件と必要書類を確認してください。

また、医療費控除や寄附金控除など、年末調整で扱わない項目があります。年末調整の書類に領収書を追加すればすべて精算できるわけではありません。確定申告や別の手続きの要否を税務署に確認し、そのための資料も保管します。

保険料控除や基礎控除等の申告について、国税庁の手続案内は、その年最後の給与支払日の前日までの提出としています。一方、勤務先は計算・確認のため事務上の締切を設けます。勤務先の案内を優先して準備し、資料が間に合わない場合は先に担当者へ連絡してください。

仕事や入社時期の整理には、相談の申込みも利用できます。税務の判断は給与担当や税務署で確認し、確かめた情報を今後の家計や働き方の検討に使いましょう。

よくある質問

前年と家族構成が同じなら同じ内容で申告できますか

そのままでよいとは限りません。家族の所得、本人の状況、税制改正などを確認します。2026年分は控除や所得要件などの改正があるため、対象年分の案内に沿って見直してください。

転職前の社会保険料をもう一度保険料控除申告書に書きますか

前職の給与から差し引かれた分は、源泉徴収票などで確認する情報と重複しないようにします。本人が直接支払った分とは分け、どの欄で扱うかを新勤務先に確認してください。

控除証明書が締切に間に合わないときはどうしますか

発行元への確認と同時に、給与担当へ事情を伝えます。提出・提示の方法や再調整の可否、確定申告での対応が必要かなどを確認し、独自の見込額だけで処理しないようにしてください。

年末調整では、書類の年分と、本人・家族・保険料などの情報を順に確かめます。働き方の希望はLINEの相談窓口でも整理できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。

出典

  1. 所得税法 第190条・第194条・第195条の2から第195条の4・第196条
  2. 国税庁 令和8年分 年末調整のしかた
  3. 国税庁 令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について
  4. 国税庁 給与所得者の保険料控除の申告
  5. 国税庁 給与所得者の基礎控除、配偶者(特別)控除、特定親族特別控除及び所得金額調整控除の申告
  6. 国税庁 No.2674 中途就職者の年末調整

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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