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確定申告が必要になる退職のケース
退職したら全員が確定申告をしなければならない、というわけではありません。申告して税を納める義務がある場合と、納め過ぎた税の還付を受けるために申告できる場合を分けて確認します。年末調整を受けたかどうかだけで、すべてが決まるわけでもありません。
その年の給与、ほかの所得、退職手当、受けたい控除を並べて見ると、確認の順番が明確になります。本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。国内の居住者についての一般的な取扱いを扱い、本人の所得税の申告要否は税務署、住民税の申告は市区町村へ確認してください。
申告義務と還付を受ける申告を分ける
所得税法第120条は確定所得申告、第121条は給与所得者などの申告を要しない場合、第122条は還付等を受けるための申告を定めています。「確定申告」という同じ言葉でも、本人に義務があるかどうかは状況によって違います。
退職後に再就職せず年末調整を受けなかった場合、毎月徴収された所得税等が納め過ぎになっていることがあります。国税庁No.1910は、この場合に翌年から申告して還付を受けられると案内しています。年末調整を受けていないことだけで、全員に納税のための申告義務があるとはいえません。
反対に、年末調整を受けた人でも、給与以外の所得や複数の勤務先からの給与などによって申告義務が生じることがあります。まず申告しなければならない条件を確認し、その条件に当てはまらない場合も、還付を受けられるかを別に検討します。
還付が生じるかは、一年の所得、控除、源泉徴収税額などを踏まえて計算します。退職したから必ず還付になる、あるいは源泉徴収票があるから追加納付はない、とは判断できません。資料をそろえた上で、その年分の計算と確認を行ってください。
年末調整が済んだ給与と未調整の給与を整理する
年内に再就職して前職分を含めた年末調整を受けた場合は、給与に関する過不足がそこで精算されるのが一般的です。ただし、前職の情報が確認できず年末調整ができなかった場合や、同時に複数の勤務先から給与を受けていた場合などは、別の確認が必要になります。
源泉徴収票は支払者ごとに整理し、対象年分をそろえます。新勤務先の票に前職分が含まれているなら、前職分をもう一度加えていないか確認してください。一方、合算されていない票を見落とすと、年間の給与を少なく把握してしまいます。
国税庁No.1900は、二か所以上から給与を受け、給与全部が源泉徴収の対象となる場合の申告条件を案内しています。年末調整されなかった給与の収入金額と、給与・退職所得以外の所得金額との合計などを用いて判定するため、給与もほかの所得も一律に「利益」で比較するものではありません。
退職して給与が一か所だけだった場合も、給与の年間収入や、ほかの所得の有無を確認します。年末調整の有無を入口にしながら、最終的には一年間の所得全体で申告の要否を確かめる、という順番が大切です。
退職後にほかの所得がある場合を確認する
退職後に業務を受託した場合、不動産の貸付けなどがある場合は、給与とは異なる所得が生じる可能性があります。何の所得に当たるか、収入から何を差し引けるかは、取引の内容や記録に基づいて確認します。受け取った金額と所得金額を混同しないでください。
国税庁No.1900は、一か所から給与を受け、その全部が源泉徴収の対象となる場合について、給与・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える場合などを申告が必要な例として挙げています。この基準には給与収入などの前提条件があり、誰でも少額なら無条件に申告不要という意味ではありません。
また、申告義務の判定で一定額以下として扱われる所得でも、医療費控除などのために確定申告をする場合は、申告対象となる所得を含めて計算する必要があります。還付を受けたい項目だけ選び、ほかの申告対象所得を除くことはできません。
所得の種類によっては申告不要を選択できる制度などもあります。株式や配当を含む場合は、一般的な「給与以外の所得」の説明だけで判断しないでください。自分が利用する口座や課税方法を伝え、本人の制度に沿って確認します。
今後の職務や勤務条件は、公務員経験を生かせる求人一覧で確認できます。税の精算と仕事の条件を分け、確認できた事実を生活の見通しへ反映しましょう。
退職所得は申告書の有無と別の申告理由を見る
退職手当については、支払者に「退職所得の受給に関する申告書」を提出したかを確認します。国税庁No.1420は、提出した場合、退職所得に応じた税額が源泉徴収されるため、原則として確定申告は必要ないと説明しています。
提出していない場合は、2026年分では支払金額に20.42%の所得税・復興特別所得税が源泉徴収され、本人が確定申告で精算する取扱いです。これは通常の控除や所得区分を踏まえて計算した最終負担が一律にその率になる、という意味ではありません。
さらに、申告書を提出して退職手当の税が源泉徴収で済んでいる場合も、医療費控除や寄附金控除などのために確定申告をするなら、退職所得の金額を記載する必要があります。退職所得の記載を省くことと、ほかの所得と分離して計算することは違います。
同じ年に複数の退職手当がある場合や、過去の退職金・確定拠出年金の一時金などがある場合は、控除額の計算も確認します。源泉徴収されている事実だけで計算が本人のすべての事情を反映していると決めつけず、支払者へ申告した内容と資料を照合してください。
医療費などは申告義務がなくても手続きを検討する
年末調整では扱わない控除を受けたい場合は、確定申告などの必要な手続きを確認します。医療費、寄附金、初めて適用を受ける住宅ローン控除などは、年末調整を受けたことだけで手続きが終わるとは限りません。
申告する前には、対象となる支出や本人の要件、必要な証明書を確認します。支出額がそのまま税の還付額になるわけではありません。すでに年末調整で反映された保険料などを重複して追加しないことも大切です。
年の途中で退職し、その後に自分で支払った社会保険料がある場合も、支払った年と人、保険料の種類を整理します。年末調整に含まれていなければ、適用できる控除を確定申告で確認する材料になります。納付の対象月と実際に支払った年を混同しないようにします。
仕事の希望や入社時期の整理には、相談の申込みも利用できます。控除や申告の判断は税務署へ確認し、仕事の相談ではその結果を前提に時期や条件を考えましょう。
所得税の申告が不要でも住民税は別に確認する
所得税の確定申告が不要と判断できても、そのまま住民税の申告も不要とはいえません。横浜市は、一定の給与以外の所得などが20万円以下で所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合を案内しています。
所得税の申告不要の仕組みを、住民税の非課税制度と同じものとして読まないことが重要です。所得税の確定申告を行わない場合は、市区町村に給与支払報告書などの情報があるか、ほかの所得や控除について申告が必要かを確認してください。
所得税の確定申告を提出した場合には、一般にその情報が住民税へもつながりますが、本人の申告内容や必要な手続きは自治体の案内で確認します。所得がなかった場合も、保険料の判定や証明などのために住民税申告が必要となる場合があります。
また、申告をしたことと納付が完了したことは別です。納付すべき所得税がある場合の方法と期限、住民税が後で課税される時期を確認します。給与からの徴収が続いている部分と、自分で払う部分も分けておきましょう。
期限と資料を確認してから提出へ進む
所得税法第120条は、通常の確定申告の期間を翌年2月16日から3月15日までと定めています。ただし、休日などによる扱いや、個別の延長などもあり得るため、申告する年分の公式案内で実際の期限を確認してください。
一方、申告義務のない人が納め過ぎの還付を受ける申告について、国税庁No.1910は、退職した年の翌年1月1日から五年間提出できるとしています。こちらの期間を、納税のための申告義務がある人にもそのまま適用して期限を延ばせると考えてはいけません。
用意する資料は、その年の給与・退職所得の源泉徴収票、ほかの所得の記録、控除証明書、年末調整の内容などです。電子申告の準備はe-Taxでの確定申告の流れで整理しています。入力前に年分と所得の範囲を確かめてください。
よくある質問
年末調整を受けなかった退職者は全員申告義務がありますか
一律にはいえません。申告義務の条件と、納め過ぎの還付を受けるための申告を分けて確認します。その年の所得全体を税務署へ伝えて照会してください。
年末調整を受けていれば退職後の所得を確認しなくてよいですか
確認が必要です。年末調整の対象外の給与やほかの所得によって申告義務が生じる場合があります。年末調整の有無だけで判断しないでください。
退職手当が源泉徴収済みなら確定申告に書かなくてよいですか
別の理由で確定申告をする場合は、原則として退職所得も記載する必要があります。申告書提出済みかどうかと、退職所得の源泉徴収票の内容を確認してください。
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