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制度とお金 / 失業給付と税金

失業者の退職手当の課税

「失業者の退職手当」は、名称に退職手当とあっても、通常の退職金と同じ税の扱いとは限りません。国税庁は、国家公務員退職手当法第10条の給付や、それと同趣の条例に基づく給付について、失業等給付に相当するものとして非課税とする取扱いを示しています。

一方、退職時に支払われる一般の退職手当は、原則として退職所得の計算を確認します。二つを名前だけでまとめないことが大切です。本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。一般的な取扱いを整理し、本人の給付の種類と受給資格は所属・支給担当、課税や申告は税務署・市区町村へ確認してください。

一般の退職手当と失業者の退職手当を分ける

退職時に受け取る一般の退職手当は、勤務の期間や退職の事情などに基づいて支給額を決める制度です。その税の計算では、退職所得控除や所得区分、支払時の源泉徴収を確認します。国税庁No.1420が説明する一般的な退職所得の仕組みが関係します。

これに対し、失業者の退職手当は、一般の退職手当等が失業等給付に相当する額に満たず、その後一定の期間に失業している場合などに、その差額を限度として支給する制度です。国の仕組みは国家公務員退職手当法第10条に定められています。

厚生労働省の制度概要も、政府職員の退職後の失業状態と、一般の退職手当等との比較を説明しています。通常の退職手当を受け取ったことだけで追加給付が決まるわけではなく、退職手当が少額なら無条件に全員受け取れるという制度でもありません。

確認するもの一般の退職手当失業者の退職手当
主な制度の確認勤続期間、退職理由、支給額の規定一般の退職手当等との比較、失業状態、支給期間等
税の入口退職所得の計算を確認国税庁が示す非課税扱いとの対応を確認
本人が見る資料支給通知、退職所得の源泉徴収票等受給資格・認定・支給に関する資料等

同じ支払者から入金される場合も、給付の根拠や通知の名称を確かめます。振込欄の略称だけで税の区分を判断せず、支給担当がどの制度で支払ったかを確認してください。

国税庁は失業等給付に相当するものとして説明する

国税庁の質疑応答事例「条例に基づき支給する失業者の退職手当の取扱い」は、国の第10条の給付について、実質的には雇用保険の失業等給付に相当するため、失業等給付と同様に非課税として扱うと説明しています。

雇用保険法第12条は、失業等給付として受け取った金銭を標準として租税その他の公課を課すことを禁止しています。国税庁は、この条文と所得税基本通達9-24(1)を根拠に、国の失業者の退職手当の取扱いを示しています。

地方についての照会事例では、市の条例に基づく給付が国の制度と同趣で、一般の退職手当がない場合の相当額、または一般の退職手当等との差額を支給するものという事実関係を前提としています。その条件で、国の給付と同様に非課税として扱うとしています。

したがって、「退職後にもらった支援金なら何でも非課税」「手当という名前なら全部同じ」と広げて読むことはできません。国税庁も事実関係に基づく一般的な回答であることを注意しています。本人の給付の根拠と内容が同じかを確認する必要があります。

所得税の控除を使ってゼロにする説明とは違う

通常の退職所得では、収入金額から退職所得控除を差し引くなどの計算をします。結果として所得や税が生じない場合もありますが、それは計算結果の話です。失業者の退職手当の非課税扱いは、その給付の性格に基づく取扱いとして区別します。

一般の退職手当と失業者の退職手当を合計し、その全体に同じ退職所得控除を使えばよい、とは判断しないでください。また、一般の退職手当について提出する「退職所得の受給に関する申告書」と、失業者の退職手当の受給に必要な書類も別のものです。

確定申告の準備では、どの入金が課税対象の給与・退職所得などで、どれが非課税扱いの給付かを整理します。支給担当から交付された資料の区分を確認し、不明な場合は税務署へ資料を示して照会してください。名称が似ているという理由で給与や退職所得へ一括入力しないようにします。

一般の退職手当の仕組みは退職所得の分離課税とはで整理しています。非課税の給付を受けていても、その年の給与やほかの所得、受けたい控除についての申告確認が不要になるわけではありません。

今後の職務の選択肢は、公務員経験を生かせる求人一覧で確認できます。求人の条件と、本人に適用される給付の確認は、それぞれ進めてください。

公務員の区分と所属の制度を確認する

公務員という名称だけで、全員の雇用保険や退職手当の扱いが同じとはいえません。雇用保険法第6条には適用除外の条件があり、任用形態などによって加入の取扱いを確認する必要があります。給与明細や任用に関する資料と所属の説明を照合してください。

国の国家公務員退職手当法第10条を、地方公務員本人へ直接当てはめることもできません。地方では所属の退職手当条例や、退職手当組合などの定める制度を確認します。税の説明が国の制度と同趣でも、申請窓口や必要書類まで全国共通とは限りません。

埼玉県の案内も、一般に地方公務員が雇用保険の適用除外となることを踏まえ、退職手当と失業給付相当額の差、退職後の求職状態などの条件を説明しています。退職票の交付を希望する人への問い合わせ先も示していますが、別の自治体の人が同じ窓口を使うわけではありません。

本人は退職前に、雇用保険の被保険者であるか、退職手当の制度は何か、失業者の退職手当の確認が必要かを所属へ照会します。前職が民間で雇用保険の記録がある場合も含め、経歴と加入状況を具体的に伝えてください。

受給の確認は税の申告を待たずに進める

国の第10条には、勤続期間、一般の退職手当等との比較、失業している期間、待期日数などの条件があります。ここでいう待期日数は、一般の退職手当等の額を踏まえて計算するものです。雇用保険についての短い待期の説明を、そのまま同じ意味で使わないようにします。

また、失業は、単に勤務先がないという状態だけで判断するものではありません。働く意思と能力があり求職しているか、認定に必要な活動を行っているかなどを確認します。就職、就労、病気や育児などによる求職の中断がある場合は、支給担当へ正確に伝えてください。

支給を受けられる期間や、手続きの時期にも確認が必要です。税の確定申告の時期まで待つと受給に関する手続きが遅れる可能性があるため、退職時または退職後の早い段階で所属の担当者へ相談します。必要な退職票や受給資格の書類を、誰が発行するかを確かめます。

国と地方、職員の区分によって具体的な処理が異なるため、ハローワークで行うことと、所属・退職手当の支給担当で行うことを分けて記録します。求職の申込みをしただけで受給が確定したとは考えず、必要な認定と請求の案内に従ってください。

仕事の方向性や経験を整理する場として、相談の申込みも利用できます。受給資格や認定は制度の担当窓口へ、応募先の検討は仕事の相談先へ、それぞれ確認しましょう。

非課税でもほかの税や社会保険の確認は残る

失業者の退職手当が非課税として扱われることと、退職前の給与に係る住民税がなくなることは別です。前年所得を基にすでに課税された年度の税や、退職した年の給与に応じる翌年度の税を、それぞれ確認してください。

また、所得税の申告義務がない場合も、住民税の申告や所得証明、保険料の判定などに必要な手続きがある場合があります。非課税の給付しかない場合を含め、自治体の案内に沿って申告の必要性を確かめます。

健康保険の被扶養者認定など、別の制度が用いる収入の基準も所得税と同一とは限りません。「非課税だからどの制度の収入にも含めなくてよい」と決めつけず、給付の正式名称、日額や支給予定などを共済組合・健康保険の保険者へ伝えて確認してください。

同じ資料を複数の窓口で使う場合は、支給決定や受給期間が分かる通知を保管します。税務の非課税扱いを示すことと、各制度に対して受給状況を正確に申告することは両立します。確認先の質問に応じ、資料を使い分けましょう。

よくある質問

失業者の退職手当にも退職所得控除を使いますか

通常の退職所得の計算と分けて確認します。国税庁が示す国の制度やそれと同趣の給付は、失業等給付に相当するものとして非課税扱いです。本人の給付の根拠を支給担当へ確認してください。

退職手当が少なければ必ず受給できますか

自動的には決まりません。勤続期間、一般の退職手当等との比較、失業状態、支給期間などの条件があります。所属の制度と本人の任用形態を確認してください。

非課税なら住民税の納付もなくなりますか

退職前の給与などに係る住民税は別です。現在の年度の残額、翌年度分の見込み、住民税申告の必要性を自治体に確認してください。

失業者の退職手当は、一般の退職手当と区分し、受給条件と税の扱いをそれぞれ確かめます。働き方の希望はLINEの相談窓口でも整理できます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。

出典

  1. 国家公務員退職手当法 第10条
  2. 雇用保険法 第6条・第12条
  3. 国税庁 条例に基づき支給する「失業者の退職手当」の取扱い
  4. 厚生労働省 政府職員失業者退職手当について
  5. 埼玉県 失業者の退職手当
  6. 国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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