選考対策 / 面接
逆質問で何を聞くか
面接の終わりに、必ず言われます。
「何かご質問はありますか」
「特にありません」と答えると、関心が薄いと受け取られます。一方で、調べれば分かることを聞くと、準備していないと受け取られます。
用意するのは3つです。中身にも、基準があります。
この記事では、その選び方を扱います。面接の全体像は公務員からの転職面接|全体の流れと準備にあります。
情報は、求めに応じて提供されるものです
質問すること自体に、遠慮は要りません。
行政手続法第9条です。
> 行政庁は、申請者の求めに応じ、当該申請に係る審査の進行状況及び当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならない。>> 2 行政庁は、申請をしようとする者又は申請者の求めに応じ、申請書の記載及び添付書類に関する事項その他の申請に必要な情報の提供に努めなければならない。
「求めに応じ」情報を提供するよう努める。
窓口で申請を扱ってきた方には、なじみのある考え方のはずです。聞かれたら答える。ただし、聞かれなければ、こちらからは出ない情報もある。
面接も同じです。入社後に関わる情報のうち、聞かなければ分からないものがあります。
結論:4分類から3つ選ぶ
| 分類 | 何が分かるか | 聞き方の例 |
|---|---|---|
| ① 仕事の実態 | 入社後に何をするか | 「入社後の3か月で、どの業務を担当することを想定されていますか」 |
| ② 評価と育成 | どう評価され、どう育つか | 「評価はどのような項目と頻度で行われますか」 |
| ③ 組織と体制 | 誰と働くか | 「配属予定の部署は、何名でどのような構成ですか」 |
| ④ 立ち上がり | 何を求められるか | 「これまで中途で入られた方は、どのくらいで戦力になられていますか」 |
3つに絞る理由は、時間です。質問の時間は、5分程度であることが多く、3つで埋まります。
用意は3つ、実際に聞くのは2〜3つ。会話の中で解消されたものは飛ばします。
とくに効く質問
面談で勧めている質問を3つ挙げます。
| 質問 | なぜ効くか |
|---|---|
| 「このポジションは増員ですか、後任ですか」 | 事業の状況と、前任者の事情が分かる |
| 「入社された方が、最初につまずくのはどのあたりですか」 | 実務の難所が具体的に分かる |
| 「◯◯の業務は、どの部署が担当されていますか」 | 組織の切り分けが分かり、自分の範囲が見える |
2つ目は、返ってくる答えの質が高い質問です。
「特にありません」と返ってくることは、ほとんどありません。実際に教育を担当している方なら、具体的な答えが返ります。
そして、その答えは、入社後の準備の材料になります。
回によって変える
| 回 | 会う相手 | 聞くとよいこと |
|---|---|---|
| 一次 | 現場の責任者、人事 | 仕事の実態、立ち上がり(①④) |
| 二次 | 部門の責任者 | 組織と体制、部署の課題(③) |
| 最終 | 役員、経営層 | 事業の方向、求める人物像(会社全体の話) |
最終の面接で、業務の細かい手順を聞くのは適切ではありません。
逆に、一次で経営の方針を聞いても、答えられる範囲が限られます。
相手の立場で答えられることを聞く。これが、質問を選ぶときの基準です。
聞かないほうがよいこと
| ✕ | 理由 |
|---|---|
| 調べれば分かること | 事業の内容、拠点の数、設立の年 |
| 条件の話だけ | 一次の段階では時期が早い |
| 「特にありません」 | 関心が薄いと受け取られます |
| 評価を求める質問 | 判断を相手に委ねる形になります |
| 答えにくい質問 | 離職率、前任者の退職の理由を直接聞く |
| 抽象的な質問 | 「御社の強みは」は、公式サイトに書かれています |
5つ目について補足します。離職の状況を知りたい場合は、「このポジションは増員ですか、後任ですか」という聞き方があります。同じことが、角度を変えて確認できます。
条件の話は、選考が進んだ段階か、内定の提示の際に確認してください。
公務員だからこそ聞ける質問
役所の経験があるからこそ、意味を持つ質問があります。自治体を顧客とする会社に応募する場合は、この角度が効きます。
| 質問 | 何が分かるか |
|---|---|
| 「自治体のどの部署を主な窓口にされていますか」 | 顧客の中での立ち位置。情報部門か、事業課か |
| 「提案は、予算の要求の時期に合わせて動かれますか」 | 自治体の年度の流れを理解している会社かどうか |
| 「議会での説明が必要になる案件は、どのように支援されていますか」 | 顧客の意思決定の深さまで関わっているか |
| 「単年度の契約と、複数年度の契約の割合はどの程度ですか」 | 事業の安定性と、顧客との関係の深さ |
4つとも、役所の仕組みを知らないと出てこない質問です。
質問そのものが、自分の経験の証明になります。面接官が「よくご存じですね」と反応したら、そこから先は、経歴の話がしやすくなります。
なお、一般の事業会社では、この角度は使えません。その場合は、①〜④の分類から選んでください。
質問が思いつかない場合
会話の中から拾ってください。
| 拾う場所 | 例 |
|---|---|
| 相手が説明した業務 | 「先ほどの◯◯について、もう少し伺えますか」 |
| 求人票の記載 | 「求人票にあった◯◯は、具体的にはどういう業務ですか」 |
| 自分の経験との違い | 「役所では◯◯でしたが、御社ではどう進められますか」 |
その場で作るほうが、会話が自然につながることもあります。
ただし、最低1つは事前に用意してください。会話から拾えなかった場合の備えです。
経験の言い換えから相談することもできます。
用意した質問は、書き留めておいてください。面接の場で思い出そうとすると、当たり障りのないものに寄ります。手元のメモに3行あるだけで、聞ける内容が変わります。
よくある失敗
1. 「特にありません」と答える
関心が薄いと受け取られます。
2. 調べれば分かることを聞く
準備していないと受け取られます。
3. 条件の話だけを聞く
一次の段階では早すぎます。
4. 相手の立場で答えられないことを聞く
役員に業務の手順を聞いても、範囲が限られます。
5. 質問が多すぎる
3つまで。時間は5分程度です。
6. 評価を求める
判断を相手に委ねる形になります。
まとめ
- 行政手続法第9条は、申請者の求めに応じ、審査の進行状況や必要な情報を提供するよう努めるとしています。聞かなければ出ない情報があります
- 用意するのは3つ。分類は、①仕事の実態 ②評価と育成 ③組織と体制 ④立ち上がりです
- とくに効くのは、増員か後任か/最初につまずくのはどこか/その業務はどの部署かの3つです
- 回によって変えてください。最終の面接で業務の手順を聞くのは適切ではありません
- 調べれば分かること、条件の話だけ、評価を求める質問は避けてください
- 「入社後の3か月で何を担当するか」は必ず聞く。答えの具体性が、受け入れ体制を示します
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よくある質問
質問の時間が無いまま終わりそうなときは
無理に時間を作る必要はありません。面接の進行は、相手が管理しています。ただし、どうしても確認したいことが1つある場合は、「1点だけよろしいでしょうか」と切り出して構いません。1点に絞れば、時間を取らせません。また、人材会社を経由している場合は、面接の後に担当者を通じて確認できます。条件や制度の詳細は、そちらのほうが正確な情報が得られることもあります。面接の場で全部を確認しようとせず、経路を分けて考えてください。
オンラインの面接では、質問しにくいのですが
画面越しでは、切り出す間が取りにくいのは確かです。対処としては、質問があることを先に伝えておく方法があります。「後ほど、2点ほど伺えればと思います」と冒頭で述べておけば、相手が時間を確保します。また、手元にメモを置いて構いません。画面越しなら、メモを見ていることは分かりにくく、質問を忘れる心配がなくなります。なお、通信の状態で聞き取れなかった場合は、遠慮せず聞き直してください。聞き直すこと自体が、印象を下げることはありません。
「何でも聞いてください」と言われると、かえって困ります
その場合は、①から順に聞いてください。「入社後の3か月で、どの業務を担当することを想定されていますか」。この質問は、どの会社でも成立します。答えが返ってきたら、その内容について1つ掘り下げると、会話が続きます。「その業務は、何名で担当されているのですか」「その中で、いちばん時間がかかるのはどの部分ですか」。用意した3つを順に読み上げるより、1つを掘り下げるほうが、会話として自然です。質問の数より、1つの質問から会話が続くことのほうが印象に残ります。