選考対策 / 面接
面接後に残しておくべき記録
面接が終わった後、そのまま次の予定に移ってしまう方が多くいます。
10分でよいので、記録を残してください。
理由は3つあります。次の回の準備に使える。複数社が混ざらない。内定が出たときの判断材料になる。
この記事では、残す項目と使い方を扱います。
「跡付け、検証できるように」
記録を残す意味は、役所の文書の考え方と同じです。
公文書等の管理に関する法律第4条です。
> 行政機関の職員は(中略)当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう(中略)文書を作成しなければならない。
経緯も含めた意思決定に至る過程を、跡付け、検証できるように。
面接の記録も、同じ役割です。
内定が出たときに、「どの会社の、どの条件だったか」を跡付けられる状態にしておく。複数社を並行させているなら、なおさらです。
記憶だけで判断すると、印象の強い会社に引っ張られます。
残す項目
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ① 日時・回・相手 | 何次の面接で、誰が出てきたか(役職) |
| ② 聞かれたこと | 質問の内容。答えにくかったものに印を |
| ③ 説明されたこと | 業務の内容、配属、体制、条件 |
| ④ 確認できていないこと | 次の回で聞くこと |
| ⑤ 自分の感触 | 違和感を含めて、率直に |
④と⑤が、後で効きます。
④は、次の回の逆質問になります。
⑤は、内定が出たときに読み返す材料です。時間が経つと、感触は薄れます。
②の使い方——答えにくかった質問
印を付けた質問は、次の面接でも出る可能性があります。
| 場面 | 対処 |
|---|---|
| 同じ会社の次の回 | 同じ質問が出る前提で、答えを整えておく |
| 他社の面接 | 同種の質問として備える |
| 答えが長くなった質問 | 削る部分を決めておく |
面接は、回数を重ねるほど答えが整います。
その整え方を支えるのが、この記録です。記録がないと、同じ質問で同じように詰まります。
③の使い方——説明された内容を残す
説明された条件や体制は、その場では覚えていても、数日で曖昧になります。
| 記録すること | なぜ必要か |
|---|---|
| 配属予定の部署と人数 | 内定後の判断材料 |
| 担当する業務の範囲 | 入社後の相違を防ぐ |
| 評価の仕組み | 会社ごとに違う |
| 入社の時期の想定 | 退職の手続きとの調整 |
| 選考の残りの回数 | 日程の見通し |
複数社を並行させていると、これらが混ざります。
「あの話はどの会社だったか」という状態になると、面接で誤ったことを述べてしまうことがあります。
社名と日付を必ず付けて残してください。
面接の中で確認した条件は、書面と照らす
面接で口頭で説明された条件と、後で提示される書面の内容が、常に一致するとは限りません。説明の時点では想定だった、担当者の理解が違っていた、といったことは起こり得ます。
記録があれば、照らし合わせができます。
| 照らす項目 | 確認の仕方 |
|---|---|
| 担当する業務 | 面接での説明と、提示された職務の内容 |
| 勤務地 | 説明された拠点と、書面の就業の場所 |
| 就業時間 | 説明された運用と、書面の所定の時間 |
| 転勤の有無 | 説明の内容と、書面の就業の場所の変更の範囲 |
違いがあれば、受諾の前に確認してください。
労働基準法第15条第1項により、労働条件は明示されるものです。同条第2項は、明示された条件が事実と相違する場合に、労働者が即時に労働契約を解除できるとしています。
それでも、入社後に解除するより、受諾の前に確認するほうが、双方にとって負担が小さいです。
他の応募者と比較する材料にはしない
記録は、自分の判断のために残すものです。
面接の待機の時間などで、他の応募者の話を聞く機会があるかもしれません。それを記録に混ぜないでください。
伝聞の情報は、正確とは限りません。「あの会社は◯◯らしい」という情報を前提に判断すると、確かめないまま結論を出すことになります。
残すのは、自分が見聞きした事実だけにしてください。確認したいことがあれば、次の面接で直接聞くか、人材会社の担当者に確認すれば足ります。
記録の形式
凝る必要はありません。
| 形式 | 使いどころ |
|---|---|
| 表計算 | 複数社を並行させる場合。一覧で比べられる |
| 文書 | 1社あたり1ページ。詳しく残したい場合 |
| 手書きのノート | 面接の直後に書ける。後で表に転記 |
表計算で、1社1行にしておくと、内定が出たときに並べて比べられます。
列は、社名・日付・回・担当・条件・確認事項・感触の7つで足ります。
在職中の方は、書類の管理の場所にも注意してください。職場の端末には置かないでください。
なお、記録の保管の期間は、転職活動が終わるまでで足ります。入社が決まった後は、条件に関わる部分だけを残して、他は処分して構いません。応募先の担当者の氏名や、面接で聞いた内部の話は、手元に置き続ける必要がありません。
面接の直後にやること
| 順 | やること | 時間 |
|---|---|---|
| 1 | 聞かれた質問を書き出す | 5分 |
| 2 | 説明された条件を書き出す | 3分 |
| 3 | 確認できていないことを書く | 2分 |
合計10分です。移動の電車の中でも書けます。
その日のうちに書いてください。翌日になると、質問の順序や、細かい表現が抜けます。
画面越しの面接なら、終了の直後にそのまま書けます。
経験の言い換えから相談することもできます。
記録を続けていると、面接の回数が増えるほど答えが整っていくのが分かります。同じ質問に対する答えが、3社目には短く、要点が揃った形になっている。その変化自体が、準備が進んでいる証拠です。
よくある失敗
1. 記録を残さない
同じ質問で、同じように詰まります。
2. 翌日以降に書く
細かい部分が抜けます。当日に書いてください。
3. 社名と日付を書かない
複数社が混ざります。
4. 感想だけを書く
事実として残してください。
5. 職場の端末に保存する
私的な用途に業務用の資源を使うことになります。
6. 違和感を書かない
内定後の判断材料になります。
まとめ
- 公文書管理法第4条は、経緯も含めた過程を合理的に跡付け、又は検証することができるよう文書を作成するとしています
- 残すのは、①日時・回・相手 ②聞かれたこと ③説明されたこと ④確認できていないこと ⑤感触の5項目です
- ②は次の回の準備、④は次の逆質問、⑤は内定後の判断材料になります
- 社名と日付を必ず付けてください。複数社が混ざります
- その日のうちに、10分で書いてください。翌日になると細かい部分が抜けます
- 職場の端末には保存しないでください
行政が相手の求人もまとまっています。行政が相手の求人を見てみる。
よくある質問
面接中にメモを取ってもよいですか
多くの場合で問題ありません。冒頭で「メモを取らせていただいてもよろしいでしょうか」と一言添えれば確実です。ただし、書き続けて相手を見なくなるのは避けてください。取るのは、数字、固有名詞、日付といった、後で思い出しにくい部分にとどめます。質問の内容や感触は、終わってから書けば足ります。なお、画面越しの面接では、メモを取っていることが分かりにくいため、目線が下がり続けないように注意してください。キーワードだけを書く形にすると、視線の移動が少なくて済みます。
不採用になった会社の記録も残しますか
残してください。理由は2つあります。1つは、傾向が見えることです。どの段階で止まったかを記録しておくと、直す場所が特定できます。一次で続けて止まるなら書類と話し方、二次なら任せる範囲の擦り合わせ。切り分けの仕方は書類選考で落ちるときに見直す点に整理しています。もう1つは、再応募の可能性です。同じ会社が、別のポジションで募集することがあります。そのときに、前回の面接で話した内容と整合を取る必要があります。記録があれば、確認できます。
記録を人材会社の担当者に共有してもよいですか
共有して構いません。むしろ、確認できていないことを伝えておくと、担当者が応募先に確認してくれることがあります。条件、配属、評価の仕組み。面接で聞きにくい内容ほど、間に入ってもらうほうが早いです。なお、感触の部分は、率直に伝えて差し支えありません。「配属先の説明が曖昧だった」と伝えれば、その点を確認したうえで、次の回の準備ができます。担当者には職業安定法第51条第1項の守秘の義務があるため、伝えた内容が現在の所属に伝わることはありません。