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選考対策 / 志望動機

社会貢献を前面に出すと弱くなる理由

公務員からの志望動機で、よく出てくる書き方です。

「社会に貢献できる仕事がしたいと考えています」

内容そのものは、間違っていません。ただ、これを中心に置くと、志望動機としては弱くなります。

理由は3つあります。

この記事では、なぜ弱くなるのかと、どう書き直すかを扱います。志望動機の組み立ては公務員からの転職で志望動機をどう組み立てるかにあります。

公益を担う法人にも、経営が求められています

社会貢献と経営は、対立するものではありません。

社会福祉法第24条第1項です。

> 社会福祉法人は、社会福祉事業の主たる担い手としてふさわしい事業を確実、効果的かつ適正に行うため、自主的にその経営基盤の強化を図るとともに、その提供する福祉サービスの質の向上及び事業経営の透明性の確保を図らなければならない。

社会福祉法人ですら、経営基盤の強化を求められています。

公益を目的とする法人であっても、事業として成り立たせることが前提です。

これは、民間の会社ではさらに明確です。事業が続かなければ、貢献も続きません。

志望動機で社会貢献だけを語ると、この前提が抜けます。

弱くなる3つの理由

理由内容
① 会社を選んだ理由にならない社会貢献をしている会社は、他にもあります
② 事業の視点が抜ける事業として成り立たせるという前提が見えません
③ 役所でもできるなぜ転職なのかが説明できません

③がいちばん大きいです。

社会に貢献したいなら、いまの職場で続けるほうが直接的です。

そこを説明せずに社会貢献だけを述べると、「では、なぜ辞めるのか」という問いが残ります。

書き直しの方向

社会貢献を消す必要はありません。事業の視点とセットにしてください。

✕ 単独○ セット
「社会に貢献したい」「◯◯の課題を、事業として続く形で解決したい」
「人の役に立つ仕事がしたい」「◯◯を必要としている人に、確実に届く仕組みを作りたい」
「地域のために働きたい」「地域の◯◯という課題に、民間の立場から関わりたい」

右側は、いずれも「誰の、どの課題か」が具体的です。

そして、「事業として」という前提が入っています。

役所との違いを、1行入れる

③の問いに答えるには、役所と民間の違いを1行で示す必要があります。

違い書き方の例
対象の範囲役所は区域内が対象。民間は区域を越えて展開できる
速度制度の改正を待たずに、先に試せる
資源予算の枠ではなく、投資で広げられる
継続性単年度ではなく、複数年で設計できる

この1行があると、「なぜ役所ではなく民間か」が説明できます。

書き方の例

> 窓口で制度を説明する中で、制度の要件に当てはまらない方が一定数いることに気づきました。自治体では、制度の枠の外に出る対応は難しく、要件の見直しには改正が必要です。>> 御社は、行政の制度では対応しきれない部分を、民間のサービスとして提供されていると理解しています。事業として続く形で、その隙間を埋める仕事に関わりたいと考えました。

社会貢献という言葉は使っていませんが、内容は貢献の話です。

具体的であれば、言葉は要りません。

事業の成り立ちを、3点で確認する

応募先の事業がどう成り立っているかは、公式サイトで確認できます。見るのは3点です。

確認する点見る場所
誰が費用を負担しているか事業の説明、顧客の記載
どういう単位で収益が生じるか契約の形(受託、販売、利用料、保守)
継続する仕組みがあるか複数年の契約、保守や運用の体制

1つ目が分かると、動機の書き方が決まります。

顧客が自治体なら、費用は予算から出ます。したがって、予算が確保される必要があるという制約が生じます。この制約は、公務員が最もよく知っている部分です。

利用者が費用を負担する事業なら、選ばれ続ける必要があります。行政のサービスとの違いは、使わない選択肢があることです。

この違いを踏まえて動機を書くと、事業の理解が伝わります。

使ってよい場面

社会貢献が動機として成立する場面もあります。

場面成立する理由
応募先が、その課題を事業の中心に置いている会社の方針と一致する
自分の経験が、その課題に直接関わっている具体の裏づけがある
事業としての成り立ちも述べている前提が共有できている

3つとも満たすなら、社会貢献を前面に出しても構いません。

ただし、その場合も「なぜこの会社か」は別に必要です。

公務員だからこそ書ける形

役所での経験は、貢献の話を具体にできます。

経験具体の出し方
窓口・相談制度の枠から外れる人を見てきた
事業の設計効果が出にくい構造を知っている
統計・分析地域の課題を数字で把握している
事業者の指導現場が守れない基準の実態を知っている

4つとも、「きれいごと」ではありません。

制度の限界を実務として知っていることが、この動機の説得力になります。

経験の言い換えから相談することもできます。

この確認は、1社あたり15分程度で済みます。応募の前にやっておくと、志望動機の①が書きやすくなります。

よくある失敗

1. 社会貢献だけで構成する

会社を選んだ理由になりません。

2. 事業の視点が抜ける

続かなければ、貢献も続きません。

3. 「役所でもできるのでは」に答えていない

違いを1行入れてください。

4. 抽象的な言葉を重ねる

「誰の、どの課題か」を書いてください。

5. 応募先の事業の成り立ちを調べない

誰が費用を負担しているかを確認してください。

6. 制度の限界を書かない

実務で見てきたことが、いちばんの材料です。

LINEで短く聞くこともできます

まとめ

行政が相手の求人もまとまっています。行政が相手の求人を見てみる。

よくある質問

応募先が、社会課題の解決を掲げている会社です

その場合でも、事業としての成り立ちには触れてください。会社が掲げていることと、自分が書くことは別です。「理念に共感しました」と書くと、共感を述べただけになります。代わりに、「その課題に、自分の経験のどこが対応するか」を書いてください。加えて、その会社がどう収益を得ているかを理解していることが伝わると、事業の話ができる人として読まれます。社会課題を掲げる会社ほど、事業として続けることの難しさを日々扱っています。そこへの理解を示すほうが、共感を述べるより効きます。

非営利の法人への転職でも、同じですか

基本の考え方は同じです。社会福祉法第24条が示すとおり、非営利の法人でも経営基盤の強化は求められます。非営利とは、利益を分配しないという意味であって、収益を上げてはいけないという意味ではありません。したがって、「営利ではないから、貢献だけを語ればよい」ということにはなりません。事業をどう続けるかは、非営利の法人でも中心的な課題です。むしろ、補助金や委託費に依存する構造を知っている公務員は、その難しさを理解しているはずです。その理解を書いてください。

貢献したい分野が、応募先の事業と少しずれています

ずれている場合は、無理に結びつけないでください。「本当は◯◯をやりたいが、まずはここで」という形は、定着の見込みに影響します。対処は2つです。1つは、応募先の事業の中で、自分の関心に近い部分を探すこと。同じ会社の中でも、職種や事業の部門によって扱う領域が違います。もう1つは、応募先を見直すこと。関心のある分野を事業にしている会社が、他にある可能性があります。探し方は業界の選び方と、志望動機への落とし方に整理しています。

出典

  1. 社会福祉法 第24条(経営の原則等)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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