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選考対策 / 職務経歴書

調達・入札の経験の書き方

入札と契約の経験は、民間の購買・調達の部門がそのまま探している経歴です。

それが、職務経歴書ではこうなります。

「契約事務を担当。入札の執行および契約書の作成を行った。」

「事務」の2文字で、設計の部分が消えています。

実際には、何を買うかを決め、仕様を書き、予定価格を積み、入札の方法を選び、参加の資格を設定し、開札し、契約を結び、履行を確認して、検収していたはずです。

この記事では、5つの工程に分けて書き方を決めます。書類全体の型は公務員の職務経歴書|民間で読まれる形にする基本にあります。

結論:調達の経験は、5工程で書く

工程何をしたか
① 仕様の作成何を、どの水準で買うかを文書にする
② 予定価格積算、見積りの徴取、市場の価格の確認
③ 方式の選定一般競争、指名競争、随意契約、プロポーザルの選択と理由
④ 入札・選定公告、参加の資格の設定、開札、審査委員会の運営
⑤ 契約と履行契約書の作成、変更契約、履行の確認、検収、支払い

①と③に、判断が集中しています。ここを書かないと、事務処理として読まれます。

「一般競争入札が原則」という構造

民間の調達との違いは、方式の選び方にあります。

地方自治法第234条です。

> 売買、貸借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする。>> 2 前項の指名競争入札、随意契約又はせり売りは、政令で定める場合に該当するときに限り、これによることができる。

一般競争入札が原則で、指名競争・随意契約・せり売りは、政令で定める場合に限られる。

さらに同条第3項は、競争入札では予定価格の制限の範囲内で最高または最低の価格を申し込んだ者を相手方とすると定めています。

つまり、「この会社に頼みたい」という理由だけでは、相手を選べない仕組みです。選ぶには、政令に当たる根拠と、説明できる理由が要ります。

この構造の下で調達をしてきた経験は、民間で価値があります。理由は、説明責任に耐える調達の手順を身につけているからです。上場企業の購買部門、公共の案件を扱う会社、内部統制の整備が進んでいる会社では、そのまま求められます。

悪い例と良い例

悪い例

> 契約担当として、入札事務および契約書の作成を担当した。

良い例

> 契約・調達(年間約◯件、契約総額約◯億円)>> 物品、委託、工事の契約について、年間約◯件を担当。仕様書の作成にあたっては、事業課の要求を機能の要件に整理し、特定の製品に限定されない記述に修正(年間約◯件)。>> 予定価格の積算について、参考見積りの徴取(◯者以上)と、過去の契約の実績、公表されている単価表を突き合わせて算定。>> 契約の方式は、一般競争入札を原則としつつ、緊急の場合や、性質上競争に適さない場合について、根拠と理由を整理したうえで選定。プロポーザル方式による選定◯件について、評価の項目と配点を設計し、審査委員会の事務局を担当。>> 履行の確認では、委託の業務について仕様どおりの実施を確認し、不履行のあった◯件について是正を要求。変更契約◯件の手続きを担当。

5工程が全部入っています。

とくに「特定の製品に限定されない記述に修正」は、民間の購買でそのまま評価される記述です。競争性を確保する技術として読まれます。

書くと効く4つの経験

経験なぜ効くか
仕様書を自分で書いた何を買うかを定義できる。購買の中核
プロポーザルの評価を設計した価格以外の基準で選ぶ設計。ベンダー選定と同じ
不調・不落に対処した市場と価格の感覚がある証拠
履行の不備に是正を求めた委託先の管理の経験

不調・不落への対処は、書き落とされやすい部分です。入札が成立しなかったときに、仕様を見直したのか、期間を延ばしたのか、積算をやり直したのか。その判断が、市場の理解を示します。

工事の契約は、別に書く

工事の契約を担当していた方は、物品・委託とは分けて書いてください。扱う要素が違います。

この5つは、建設コンサルタント、施工管理、発注者支援の会社で、直接に読まれます。とくに、発注者支援の業務は、公務員の発注の経験そのものを求めている仕事です。

経験の言い換えから相談することもできます。

よくある失敗

1. 「契約事務」で終える

5工程に分けてください。とくに①仕様と③方式は、判断の記述になります。

2. 件数と金額の規模を書かない

年間約◯件、契約総額約◯億円。扱っていた規模が読めます。

3. 随意契約を後ろめたく書く

政令に定めのある正規の方式です。選んだ根拠と理由を書けば足ります。

4. プロポーザルの設計を書かない

価格以外の基準で選ぶ経験です。民間でいちばん効きます。

5. 履行の確認を省略する

契約して終わりではありません。委託先の管理の経験として書いてください。

6. 特定の事業者名を書く

書かないでください。業種と規模で足ります。

LINEで短く聞くこともできます

まとめ

行政が相手の求人もまとまっています。行政が相手の求人を見てみる。

よくある質問

事業課の側で、仕様書を書いていただけです

それが、いちばん書ける経験です。契約の手続きは契約担当課が担いますが、何を買うかを決めているのは事業課です。民間の購買でも、仕様を定義する工程がもっとも難しいとされています。書くなら、「委託業務の仕様書を年間約◯件作成。求める成果と、業務の範囲、報告の頻度、検収の基準を文書で定義」という形です。加えて、仕様の書き方で失敗した経験と、その後どう直したかを書けると、さらに具体的になります。「成果の定義が曖昧で、履行の確認に支障が出たため、次年度から数量と頻度を明記する形に修正」という形です。実務を知っている書き方として読まれます。

検査・検収だけを担当していました

検収は、品質の管理の経験です。仕様どおりに納められたかを確認し、違っていれば受け取らない。この判断をしていたなら、そう書いてください。「委託業務約◯件について、仕様に定める成果物の確認を担当。不備のあった◯件について是正を要求し、再提出を受けて検収」という形です。民間では、検収の甘さが、そのまま支払いと品質の問題になります。ここを厳密に回していた経験は、購買、品質保証、業務委託の管理で読まれます。工事の検査を担当していた方は、出来形の確認と、立会いの実績も添えてください。

情報システムの調達を担当しました。どう書けばよいですか

この経験は、単独で強い項目になります。システムの調達は、要件の定義、事業者の選定、契約、開発の進行の確認、検収、運用の保守までを含みます。書くなら、「基幹システムの更改(契約額約◯億円、期間◯年)について、業務側の要件の整理、提案依頼の資料の作成、プロポーザルの評価項目の設計、審査委員会の運営、契約後の進行の確認を担当」という形です。自治体向けのシステムを扱う会社では、発注側の経験がそのまま求められます。とくに、業務の要件を整理した経験は、導入の支援やコンサルティングの職種で直接に読まれます。部署ごとの言い換えは自治体の部署別 仕事ガイドにも整理しています。

出典

  1. 地方自治法 第234条(契約の締結)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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