選考対策 / 職務経歴書
フォーマットの選び方|編年式と逆編年式
職務経歴書には、3つの型があります。
編年式、逆編年式、キャリア式。このうちどれを選ぶかで、同じ経歴でも読まれ方が変わります。
ところが、実際には「雛形が手元にあったから」という理由で選ばれていることが多いです。型は、経歴の形に合わせて選ぶものです。
この記事では、3つの違いと選び方を扱います。異動が多い場合の並べ方は異動が多い公務員の職務経歴書の並べ方、枚数は職務経歴書は何枚が適切かにあります。
結論:3つの型と、向いている人
| 型 | 並べ方 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 編年式 | 古い順に、在籍を並べる | 同じ分野を積み上げてきた人(技術職に多い) |
| 逆編年式 | 新しい順に、在籍を並べる | 直近の仕事が応募先に近い人 |
| キャリア式 | 在籍の順を無視し、機能ごとにまとめる | 分野が何度も変わった人 |
公務員の経歴では、逆編年式かキャリア式になることが多いです。
編年式が向くのは、土木・建築・保健師など、同じ分野を続けてきた場合です。年次とともに担当の範囲が広がっていく過程が、そのまま読めます。
「相互に密接な関連を有する文書は、一の集合物にまとめる」
どの型にするかは、読む側が探しているものを、探しやすい順に置くという考え方で決まります。
これは、文書の整理の考え方と同じです。
公文書等の管理に関する法律第5条第1項は、行政文書について分類し、名称を付するとともに、保存期間を設定しなければならないとしています。そして同条第2項は、
> 相互に密接な関連を有する行政文書(中略)を一の集合物にまとめた上で
整理することを求めています。
第34条は、地方公共団体についても、この法律の趣旨にのっとって、保有する文書の適正な管理に関する施策を策定し、実施するよう努めなければならないとしています。
分類して、名前を付けて、関連するものをまとめる。文書の管理をしてきた方には、なじみのある考え方のはずです。
職務経歴書の型を選ぶというのは、この作業を自分の経歴に対してやることです。関連する経験を、1つの集合物にまとめるのがキャリア式、時系列という分類軸を使うのが編年式と逆編年式です。
逆編年式——公務員の標準形
新しい順に並べます。
> ◯年4月〜現在 ◯◯市 財政課> (担当の内容、規模、実績)>> ◯年4月〜◯年3月 ◯◯市 保険年金課> (担当の内容、規模、実績)>> ◯年4月〜◯年3月 ◯◯市 市民課> (担当の内容、規模、実績)
利点は、直近の仕事から読まれることです。採用の側がいちばん知りたいのは、「いま何をしている人か」です。
注意点は、直近の部署が応募先と関係ない場合です。直近が庶務や内部管理で、応募先が事業に関わる職種なら、キャリア式のほうが伝わります。
キャリア式——分野が変わった人向け
機能ごとにまとめます。
> 【債権の管理と回収】通算◯年> 税務課(◯年)、保険年金課(◯年)、住宅課(◯年)> (担当の内容、規模、実績)>> 【予算と財源の管理】通算◯年> 財政課(◯年)> (担当の内容、規模、実績)>> 【窓口の運営】通算◯年> 市民課(◯年)
利点は、通算の年数が出ることです。3つの部署に分かれていた経験が、1つの機能の経験として読まれます。
注意点は、在籍の期間が読みにくくなることです。必ず、下に在籍の一覧の表を付けてください。
併用が、いちばん収まりがよい
公務員の経歴では、この形が扱いやすいです。
| 位置 | 内容 |
|---|---|
| 1枚目の上 | 職務要約(5行) |
| 1枚目の中 | 機能ごとのブロック(キャリア式)を2〜3個 |
| 2枚目の上 | 実績(3〜5項目) |
| 2枚目の下 | 在籍の一覧(逆編年式の表) |
上半分で「何ができる人か」、下半分で「いつどこにいたか」。2つの型を、役割で使い分けます。
編年式が効く場合もある
同じ分野を続けてきた技術職では、編年式のほうが読みやすくなります。理由は、年次とともに担当の範囲が広がる過程が、そのまま経験の厚みとして読めるからです。
> ◯年〜◯年 道路課 小規模な舗装の工事の監督(年間約◯件)> ◯年〜◯年 道路課 橋梁の修繕の設計と発注(年間約◯件、総額約◯億円)> ◯年〜現在 道路課 橋梁◯橋の点検の計画と、修繕の優先順位の設定
同じ課でも、扱う規模と判断の範囲が上がっていることが、並べただけで伝わります。この形が作れるなら、編年式が最も分かりやすい型です。
逆に、同じ内容が3ブロック並ぶ場合は、編年式に向いていません。その場合は、キャリア式でまとめたうえで、段階(担当・主任・係長)で分けて書くほうが読めます。書き方は同じ部署が長い場合の職務経歴書に整理しています。
見出しと表の使い方
| 要素 | 実務 |
|---|---|
| 見出し | 機能名か、所属名。太字と罫線で区切る。装飾は不要 |
| 表 | 在籍の一覧、資格と実務の対応、工種の一覧に使う |
| 箇条書き | 担当業務の列挙に使う。実績には使わない(文で書く) |
| 空白行 | ブロックの間に1行。詰めすぎない |
実績を箇条書きにすると、判断の記述が落ちます。「◯◯を担当」という短い行が並ぶだけになるためです。実績は、状況・判断・結果が入る文で書いてください。
表が効くのは、同じ形式の情報が並ぶ場合です。在籍の一覧、資格、担当した制度の一覧。逆に、実績を表にすると、各項目が1行に圧縮されて薄くなります。
経験の言い換えから相談することもできます。
よくある失敗
1. 雛形をそのまま使う
経歴の形に合わせて選んでください。型は3つあります。
2. キャリア式にして、在籍の一覧を付けない
期間が読めなくなります。必ず下に表を置いてください。
3. 編年式で、古い部署から詳しく書く
1枚目が、20年前の記述で埋まります。
4. 実績を箇条書きにする
判断の記述が落ちます。文で書いてください。
5. 装飾を入れる
罫線と太字で足ります。色や図は不要です。
6. 型を途中で混ぜる
上半分と下半分で役割を分けるのは構いません。同じブロックの中で混ぜないでください。
まとめ
- 型は、編年式・逆編年式・キャリア式の3つ。公務員は逆編年式かキャリア式になることが多いです
- 公文書管理法第5条は、文書を分類し、名称を付し、相互に密接な関連を有するものを一の集合物にまとめることを求めています。第34条により、地方公共団体も同じ趣旨での管理に努めます
- 型を選ぶことは、自分の経歴に同じ整理を適用することです
- 選ぶ基準は、直近の3年が応募先に関係しているか。関係していれば逆編年式、していなければキャリア式です
- 併用(上に機能のブロック、下に在籍の一覧)が、いちばん収まります
- 実績は箇条書きにせず、文で書きます。表は、同じ形式の情報が並ぶ場合に使います
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よくある質問
応募先の会社から雛形が指定されました
指定された雛形を使ってください。そのうえで、雛形の枠の中で順番を工夫できます。たとえば、職歴を書く欄が時系列で固定されていても、各欄の中で、応募先に関係する機能を先に書くことはできます。また、「活かせる経験・知識」の欄があれば、そこがキャリア式のブロックの代わりになります。機能ごとに通算の年数を書けば、時系列の枠の中でも、機能の経験が伝わります。雛形に無い項目を勝手に足すのは避けてください。読む側が比較しにくくなります。
民間から公務員になり、また民間に戻る場合はどの型ですか
キャリア式か併用が扱いやすいです。民間と役所で同じ機能を担っている部分があるなら、そこを1つのブロックにまとめられます。「契約と調達 通算◯年(民間◯年、自治体◯年)」という形です。両方の経験があることは、この書き方でいちばん伝わります。逆に、時系列で並べると、転職と入庁の経緯のほうに目が向きます。在籍の一覧は下に置いて、期間が確認できるようにしてください。なお、役所に入る前の民間の経験は、年数が経っていても書いてください。応募先の業界と重なる場合は、とくに読まれます。
職務経歴書に「志望動機」の欄を作るべきですか
作らなくて構いません。職務経歴書は、経歴を示す書類です。志望動機は、履歴書の欄か、別に求められた書類で書きます。ただし、応募先から職務経歴書に含めるよう指定された場合は従ってください。その場合は、最後に5〜8行で足ります。内容は、「自分の経験のどれが、応募先のどの仕事に対応するか」を中心に書くと、経歴書の流れとつながります。役所への不満や、環境を変えたいという動機は書かないでください。書き分けは職務経歴書と履歴書の書き分けに整理しています。