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選考対策 / 職務経歴書

異動が多い公務員の職務経歴書の並べ方

職務経歴書を作り始めて、最初に手が止まるのがここです。

「3年ごとに異動して、6つの部署。順番に書くと、一貫性のない人に見えます」

税務、市民課、福祉、広報、財政、人事。時系列で並べると、バラバラに見えるのは確かです。

ただ、バラバラなのは経歴ではなく、並べ方です。民間の中途採用でも、社内の異動で職種が変わった人はいます。その人たちは、時系列では書いていません。

この記事では、並べ方の選び方と、束ね方の手順を扱います。書類全体の型は公務員の職務経歴書|民間で読まれる形にする基本、書き出しの5行は職務経歴書の要約欄|最初の5行で何を書くかにあります。

結論:公務員は「併用」で書く

職務経歴書の並べ方は、3つあります。

並べ方形向いている人
時系列(編年式)古い順、または新しい順に在籍を並べる職種が一貫している人
機能別(キャリア式)機能ごとに束ねて、在籍の順番を無視する職種が何度も変わった人
併用上に機能のブロック、下に在籍の一覧表異動の多い公務員

併用を勧めるのは、2つを同時に満たす必要があるからです。

読む側は、まず「何ができる人か」を知りたい。機能別のほうが伝わります。一方で、在籍の期間と空白の有無は、必ず確認されます。時系列の情報が無いと、確認のやり取りが増えます。

だから、上半分を機能別、下半分を在籍の一覧表にします。A4で2枚に収まります。

異動は、法律上「横の移動」として扱われています

並べ替えてよい理由は、任用の仕組みのほうにも書かれています。

地方公務員法第15条の2第1項は、任用の種類をこう定義しています。

> 二 昇任 職員をその職員が現に任命されている職より上位の職制上の段階に属する職員の職に任命することをいう。>> 四 転任 職員をその職員が現に任命されている職以外の職員の職に任命することであつて前二号に定めるものに該当しないものをいう。

「転任」は、昇任にも降任にも当たらない任命です。つまり、職制上の段階は変えずに、職を変えること。多くの定期異動が、これに当たります。

ここから読めるのは、ほとんどの異動が「職責の段階を保ったまま、担当する分野を変える」動きだということです。

民間で言えば、同じ等級のままジョブローテーションをしている状態に近い。本人が選んだキャリアチェンジではありません。

だから、時系列で並べると不利になります。時系列は、本人が職種を選んで積み上げた前提の並べ方だからです。選んでいない順番を、選んだ順番のように見せる必要はありません。

複数の部署を、1つの機能に束ねる

併用で書くときの山場が、束ね方です。部署の名前ではなく、やっていた動作で束ねてください。

束ねる機能束ねられる部署の例
債権の管理と回収税務課、国民健康保険、保育料、住宅使用料、水道の料金
申請の審査と決定福祉、児童手当、各種の給付、補助金、許認可の窓口
対外の説明と合意形成広報、議会の事務局、住民説明会の担当、審査会の事務局
予算と契約財政、経理、契約、管財、会計
制度の設計と改正企画、政策、例規、人事、行革
事業者の指導と監督生活衛生、環境、建築の指導、介護や障害の事業者の指定

3つの部署が、1つの機能に入ることがあります。それでよいです。むしろ、そのほうが「その機能を◯年担当した」と書けます。

税務課3年+国保の徴収2年+住宅使用料の担当2年なら、「債権の管理と回収を通算7年」です。7年の経験として読まれます。

束ね方の手順

手順やること
1全部の在籍を紙に書き出す(部署名と期間)
2各部署で自分がしていた動作を3つずつ書く(受け付ける、審査する、折衝する…)
3動作が重なる部署を線でつなぐ
4つながった塊に、機能の名前を付ける
5応募先に関係の深い機能から順に並べる

手順2が要です。部署名で考えると束ねられませんが、動作で考えるとつながります。

在籍の一覧表は、下に小さく置く

併用の下半分です。表で構いません。

期間所属主な担当
◯年4月〜◯年3月税務課 市民税係個人市民税の賦課、年間約◯件
◯年4月〜◯年3月保険年金課 収納係国民健康保険料の滞納整理、約◯件
◯年4月〜現在財政課一般会計約◯億円の予算査定、◯部局を担当

各行は1行。詳しく書くのは上の機能ブロックなので、ここは期間の確認のために置きます。

空白の期間がある場合は、その行も書いてください。育児や介護の休業、研修の派遣、他団体への派遣。書かないと、確認のやり取りが1往復増えます。

自分の在籍をどう束ねるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。経験の言い換えから相談することもできます。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担です)。

よくある失敗

1. 時系列だけで書く

6部署が6個の島になります。上に機能ブロックを置いてください。

2. 全部の部署を同じ分量で書く

応募先に関係のない部署は、一覧表の1行で足ります。分量は、関係の深さで変えてください。

3. 異動の理由を説明しようとする

定期の異動に、説明は要りません。「人事異動により」の一言も不要です。

4. 機能名を役所の言葉で付ける

「庶務」「調整」「管理」。外では中身が読めません。「債権の管理と回収」「申請の審査と決定」のように、動作が分かる名前にしてください。

5. 束ねすぎて、1つの機能に全部入れる

機能は3つまで。全部を1つにすると、今度は何をしていたか分からなくなります。

6. 「広く浅く」と自分から書く

書かないでください。機能で束ねれば、通算の年数が出ます。

LINEで短く聞くこともできます

まとめ

行政が相手の求人もまとまっています。行政が相手の求人を見てみる。

よくある質問

機能が3つ以上あります。どれを落とせばよいですか

応募先との距離で決めてください。上から3つが機能ブロック、残りは在籍の一覧表の行に入れて構いません。落とすのではなく、分量を変えるという考え方です。判断の目安は、求人票の「仕事内容」の欄に出てくる動作と重なるかです。求人票に「関係部門との折衝」とあれば、対外の説明と合意形成を上に。「予実の管理」とあれば、予算と契約を上に。この並べ替えは、応募先ごとに5分でできます。中身を書き直す必要はありません。同じ経歴でも、順番だけで読まれ方が変わります。

技術職で、ずっと同じ工種です。それでも機能別にすべきですか

その場合は、時系列のほうが読みやすいことが多いです。土木でも、建築でも、同じ分野を続けているなら、経験の積み上がりが時系列で見えます。ただし、工程で分けた見出しを添えてください。「計画」「設計」「発注」「監督」「維持管理」のどこを担当したかが、年次によって違うはずです。それが見えると、時系列でも機能が読めます。なお、同じ分野でも、担当した施設の種類が変わっていれば、それは束ねる材料になります。「道路、橋梁、上下水道の3分野で、発注と監督を通算◯年」という形です。

出向や派遣の期間は、どう書けばよいですか

在籍の一覧表に、そのまま書いてください。国や県への派遣、一部事務組合、外郭団体、民間企業への派遣。どれも職歴として書けます。むしろ、派遣の経験は書類の中で目を引く部分です。理由は、組織の外に出た経験があるからです。役所の中だけで完結していない、という情報になります。書き方は、「◯年4月〜◯年3月 ◯◯(派遣)」として、担当した内容を1行で添えれば足ります。派遣先の組織の規模が書けるなら、それも入れてください。民間への派遣であれば、上の機能ブロックのほうに入れることも検討してください。

出典

  1. 地方公務員法 第15条の2(定義・昇任・転任)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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