選考対策 / 立場・年代別
任期付職員の任期満了後の進路
任期の満了が見えてきた段階でのご相談です。
制度の趣旨を踏まえると、説明がしやすくなります。
この記事では、選択肢と、任期中に整えることを扱います。
専門性を活用するための制度です
地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律第3条第1項です。
> 任命権者は、高度の専門的な知識経験又は優れた識見を有する者をその者が有する当該高度の専門的な知識経験又は優れた識見を一定の期間活用して遂行することが特に必要とされる業務に従事させる場合には、条例で定めるところにより、職員を選考により任期を定めて採用することができる。
同条第2項は、専門的な知識経験を有する者について、部内で確保することが困難な場合などに、任期を定めて採用できるとしています。
同法第6条第1項です。
> 第三条第一項又は第二項の規定により採用される職員の任期は、五年を超えない範囲内で任命権者が定める。
同条第3項は、任期の明示を求めています。
つまり、「専門性を一定の期間活用する」ことが制度の前提です。
任期の満了は、予定どおりの経過であって、勤務の評価によるものではありません。
この点は、選考の場でそのまま説明できます。
選択肢
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| ① 民間へ移る | 経験を活かせる領域へ |
| ② 他の団体の任期付 | 同種の募集がある |
| ③ 常勤の採用試験 | 経験者の採用など |
| ④ 同じ分野の専門職 | 独立、業務の受託 |
| ⑤ 任期の更新・再度の採用 | 制度と条例による |
⑤について。
扱いは団体の条例と運用によります。
可能性の有無を、早めに人事担当に確認してください。
②について。
任期付の募集は、複数の団体で行われています。
同じ分野での経験が、そのまま要件に当たることがあります。
任期中に整えること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ① 実績の記録 | 担当した案件、成果物、件数 |
| ② 成果物の控え | 公表された資料の範囲で |
| ③ 資格・登録 | 取得、更新 |
| ④ 分野の動向 | 制度の改正、技術の動き |
| ⑤ 関係先との関係 | 継続できる形で |
| ⑥ 満了の時期の確認 | 逆算の起点 |
①が最も重要です。
任期付では、特定の業務に集中して従事することが多く、成果が形に残りやすいという特徴があります。
計画、報告書、システム、要綱、手引。
何を作り、何を残したかを書き出してください。
②について。
公表されている資料であれば、その範囲で示せます。
公表されていないものは、内容に触れずに「◯◯を作成」と書いてください。
書き方の例
悪い例
> ◯◯市の任期付職員として勤務しました。
良い例
> ◯◯市において、◯◯の分野の専門職として任期を定めて採用され、◯年間従事。◯◯に関する計画の策定を担当し、現状の分析、関係課との調整、審議会への説明、意見の募集への対応を実施。◯◯の仕組みを新たに構築し、運用の手順と要綱を整備。職員◯名に対する研修を◯回実施。
「採用の趣旨」「作ったもの」「関わった範囲」が入っています。
基本の型は公務員の職務経歴書|民間で読まれる形にする基本に整理しています。
面接での説明
| 聞かれること | 答え方 |
|---|---|
| なぜ任期が終わるのか | 制度上、期間を定めた採用であるため |
| 何を担当したか | 作ったもの、関わった範囲 |
| 常勤にならなかった理由 | 採用の枠組みが別であること |
| 次に何をしたいか | 分野を続けるか、変えるか |
| いつから働けるか | 満了の時期 |
1行目と3行目です。
制度の仕組みを説明すれば足ります。
弁解の形にしないでください。
5行目について。
満了の時期が決まっているため、入社の時期を明確に示せます。
これは、在職中の方より有利な点です。
時期の逆算
| 時期 | やること |
|---|---|
| 満了の1年前 | 更新の可能性を確認、実績を整理 |
| 8か月前 | 職務経歴書を作る、求人を読む |
| 6か月前 | 応募を始める |
| 3か月前 | 選考、条件の確認 |
| 満了 | 退職の手続き |
満了の6か月前を目安に応募を始めてください。
選考には、1社あたり1か月前後かかることがあります。
複数を並行して見る場合、余裕が必要です。
扱いは選考スケジュールの組み方に整理しています。
なお、任期の満了と同時に次の勤務を始める必要はありません。
空白の期間を置く場合、健康保険や年金の手続きが生じます。
扱いを、所属の担当に確認しておいてください。
経験の言い換えから相談することもできます。
見る領域
| 領域 | 内容 |
|---|---|
| ① 同じ分野の民間 | 専門性がそのまま |
| ② 行政が相手の事業 | 制度の支援、調査、システム |
| ③ 他の団体の任期付 | 同種の募集 |
| ④ 調査・コンサルティング | 計画の策定の経験 |
| ⑤ 業務の受託 | 構築した仕組みの運用 |
②と④が、任期付の経験と重なりやすいです。
計画を作り、仕組みを構築した経験は、支援する側の業務でそのまま使えます。
探し方は公務員経験が活きる求人の探し方に整理しています。
よくある失敗
1. 採用の趣旨を書かない
経歴の位置づけが伝わりません。
2. 任期の満了を弁解する
制度の説明で足ります。
3. 作ったものを書かない
成果が形に残りやすい立場です。
4. 更新の可能性を確認しない
選択肢が1つ減ります。
5. 応募を始めるのが遅い
6か月前を目安にしてください。
6. 満了の時期を強みとして使わない
入社の時期を明確に示せます。
7. 他の団体の任期付を見ない
同種の募集があります。
8. 公表されていない内容を書く
守秘の義務は退職後も続きます。
まとめ
- 地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律第3条は、高度の専門的な知識経験又は優れた識見を一定の期間活用するために、任期を定めた採用ができるとしています
- 同法第6条第1項は、任期を5年を超えない範囲と定めています
- 任期の満了は、予定どおりの経過です。勤務の評価によるものではありません
- 更新・再度の採用の可能性を、早めに人事担当に確認してください
- 作ったもの(計画、仕組み、要綱、手引)を書いてください
- 満了の時期が決まっていることは、強みです。入社の時期を明確に示せます
- 応募は、満了の6か月前を目安に始めてください
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よくある質問
任期の更新は、期待してよいですか
制度と条例、運用によります。更新や再度の採用の可否は、団体によって扱いが異なります。また、業務の必要性や予算の状況にも左右されます。確認の仕方は、人事担当に「任期の満了後の取扱いについて、制度の説明を伺いたい」で足ります。時期も併せて確認してください。なお、可能性があっても、確定するのは満了の直前ということがあります。その場合、並行して外の選択肢も見ておくほうが確実です。どちらかに絞る必要はありません。扱いは何社くらい受けるべきかに整理しています。
民間から任期付に入り、また民間へ戻る場合の説明は
一貫した軸を示してください。「民間で◯◯の経験を積み、行政の側から同じ分野に関わるために任期付として従事し、両方の立場を理解したうえで、再び◯◯に取り組みたい」という形です。行き来したこと自体が、説明の材料になります。発注する側と受ける側の両方を知っているという点は、行政が相手の事業では強みです。なお、任期中に得たものを具体に示してください。制度の理解、手続きの流れ、関係者の動き方。「戻る」のではなく「視野を広げて再び関わる」という組み立てにすると、一貫します。
満了まで時間がなく、準備が間に合いません
優先順位を付けてください。最優先は、①職務経歴書を1通仕上げることです。次に、②求人を読んで条件を絞ること。この2つができていれば、応募は始められます。実績の細かい整理は、後からでも間に合います。なお、満了の時期が決まっているため、入社の時期を明確に示せるという強みがあります。これを伝えれば、選考を急いでもらえる場合があります。「◯月末で任期が満了するため、それまでに決めたい」と、時期を先に伝えてください。紹介を通す場合、この事情を踏まえて日程を調整できます。扱いは転職エージェントの使い方に整理しています。