選考対策 / 退職と在職中の進め方
転職活動にかかる期間の目安
転職活動を始めるときに、見通しが立たないと不安になります。
「どのくらいかかるのか」
この記事では、段階ごとの目安を扱います。在職中か退職後かの判断は在職中と退職後、どちらで探すべきかにあります。
見通しを示す仕組みは、役所にもあります
期間の目安を持つことの意味を、条文で確認しておきます。
行政手続法第6条です。
> 行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間(中略)を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは(中略)公にしておかなければならない。
標準的な期間を定めて、公にする。
窓口を担当したことがある方なら、この期間を示すことで、申請者の不安が減ることをご存じのはずです。
「いつ頃までに結果が出るか」が分かれば、待つことができます。
転職活動も同じです。目安を持っておくと、進んでいないように見える時期にも、判断を誤りません。
4段階に分けて見積もる
| 段階 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| ① 準備 | 書類の作成、応募先の検討 | 2週間〜1か月 |
| ② 応募 | 求人を選び、書類を出す | 随時 |
| ③ 選考 | 書類、面接、内定 | 1社あたり3週間〜1か月半 |
| ④ 退職 | 申し出、引継ぎ、退職 | 1〜3か月 |
全体では、3か月から6か月を見込んでください。
在職中であれば、さらに長くなることがあります。
①——準備
| やること | 目安 |
|---|---|
| 職務経歴書の1通目 | 数時間(まとまった時間が要る) |
| 履歴書 | 30分〜1時間 |
| 業界と応募先の検討 | 3〜4時間 |
| 志望動機の材料(機能3つ) | 2時間 |
合計で、休日を1〜2日です。
ここを飛ばすと、②以降が遅くなります。
応募したい求人が出たときに、1通目がないと間に合いません。
③——選考
| 段階 | 目安 |
|---|---|
| 書類の結果 | 1〜2週間 |
| 一次面接 | 書類の通過から1〜2週間後 |
| 二次面接 | 一次から1〜2週間後 |
| 最終面接 | 二次から1〜3週間後 |
| 内定の提示 | 最終から1週間以内 |
1社あたり、3週間から1か月半です。
在職中は、面接の日程の調整で、さらに数日から1週間加わることがあります。
同時に3〜5社進めていれば、全体の期間は1社分と大きく変わりません。
④——退職
| やること | 目安 |
|---|---|
| 退職の申し出 | 規程で定められた期間を見込む |
| 引継ぎ | 1〜2か月 |
| 年次休暇の消化 | 日数による |
内定から入社まで、2〜3か月かかることが珍しくありません。
応募先には、この見込みを早い段階で伝えてください。
在職中に長くなる理由
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 書類を作る時間 | 夜と休日に限られます |
| 面接の日程 | 調整に時間がかかります |
| 応募できる件数 | 同時に3〜5社が上限 |
| 業務の繁忙期 | 動けない期間が生じます |
3つ目が、期間に最も影響します。
同時に10社応募できれば早く決まりますが、在職中は準備が追いつきません。
結果として、期間が長くなります。
この見積もりは、あくまで目安です。応募先の選考の進め方によって、1週間で最終まで進むこともあれば、2か月かかることもあります。
時期による違い
| 時期 | 状況 |
|---|---|
| 年度末・年度初め | 役所側が動きにくい。引継ぎと異動が重なります |
| 4〜6月 | 求人が動く時期とされています |
| 9〜11月 | 同上 |
| 年末年始 | 選考が止まりやすい |
求人の動きは、業界と職種によって異なります。
ただし、自分の側の制約(繁忙期、議会、予算の編成)は、自分で把握できます。
動きにくい時期を避けて、動ける時期に集中するという組み方ができます。
記録をつけると、見通しが立つ
期間の感覚は、記録をつけると具体になります。
| 記録する項目 | 何が分かるか |
|---|---|
| 応募した日 | 書類の結果までの日数 |
| 各段階の日付 | 一次から二次、二次から最終までの間隔 |
| 止まった段階 | 直す場所の特定 |
| 応募先の条件 | 対応の度合いと結果の関係 |
2つ目を記録しておくと、次の応募先の見通しが立ちます。
「この会社は一次から二次まで2週間かかったから、他社も同程度だろう」と見積もれます。
加えて、複数社を並行させているとき、どの会社がどの段階かが混ざりません。
記録の残し方は面接後に残しておくべき記録にあります。
表計算の数行で足ります。応募日、会社名、職種、段階、次の予定。この5列があれば、全体の進み方が見えます。
期間を短くする方法
| 方法 | 効果 |
|---|---|
| 1通目の書類を先に作る | 応募までの時間が短くなります |
| 画面越しの面接を使う | 日程の調整が早くなります |
| 日程の返信を早くする | 24時間以内に返すと調整が進みます |
| 応募先を絞る | 準備の質が保てます |
3つ目が、意外に効きます。
返信が遅れると、先に他の応募者の日程が埋まります。
経験の言い換えから相談することもできます。
なお、記録は活動が終わるまでで足ります。入社が決まった後は、条件に関わる部分だけ残して処分して構いません。
よくある失敗
1. 1か月で結論を出す
最初の内定は、早くても2か月後です。
2. 準備を飛ばして応募する
1通目がないと、②以降が遅くなります。
3. 退職までの期間を見込まない
内定から入社まで2〜3か月かかります。
4. 応募の数を増やして準備を薄くする
通過する割合が下がります。
5. 日程の返信を遅らせる
先に枠が埋まります。
6. 繁忙期に無理に動く
業務にも活動にも影響します。
まとめ
- 行政手続法第6条は、標準的な期間を定めて公にすることを求めています。目安を持つと、待つ側の不安が減ります
- 段階は、①準備 ②応募 ③選考 ④退職。全体で3〜6か月を見込んでください
- ①の準備に、休日を1〜2日。ここを飛ばすと、以降が遅くなります
- ③の選考は、1社あたり3週間〜1か月半です
- ④の退職に、1〜3か月。内定から入社まで2〜3か月かかることが珍しくありません
- 1か月で結論を出さない。判断するのは3か月経ってからで足ります
行政が相手の求人もまとまっています。行政が相手の求人を見てみる。
よくある質問
求人が出る時期に、合わせるべきですか
合わせられるなら、そのほうが候補は増えます。ただし、求人の動きは業界と職種によって異なります。自治体を顧客とする会社では、年度の区切りに合わせた募集が見られることがあります。一方、増員や欠員の補充は、時期を問わず生じます。したがって、時期を待つより、条件に合う求人が出たときに動ける状態を作っておくほうが確実です。1通目の書類を作っておけば、いつでも応募できます。なお、自分の側の繁忙期は避けてください。業務にも活動にも影響します。
3か月経っても、面接に進めません
止まっている段階を特定してください。書類で止まっているなら、応募先の選び方か、書類の中身です。面接に進んでいるなら、書類は機能しています。切り分けの手順は不採用が続いたときの見直し方に整理しています。なお、応募の件数が少ない場合、そもそも母数が足りていない可能性もあります。在職中で同時に3〜5社であれば、3か月で10社程度が目安になります。それより少ない場合は、応募先の条件を広げることを検討してください。
内定が出たが、入社まで間が空きます
問題ありません。内定から入社まで2〜3か月空くことは、中途採用では通常です。応募先も、在職中の応募者を前提に計画を立てています。ただし、入社日を明確にしてください。「◯月◯日に入社します」と確定していれば、間が空いても問題になりません。曖昧なまま時間が過ぎると、相手の計画が立ちません。なお、この期間に、業界の基礎を確認しておくと、入社後の立ち上がりが楽になります。準備は内定から入社までにやることにあります。
活動が長引いて、気持ちが続きません
期間を区切って、一度止めてください。2週間から1か月、応募を止めて構いません。その間に、記録を読み返し、応募先の条件を見直す。それだけで、次の動き方が変わることがあります。なお、完全に止める必要はありません。応募を止めて、求人を見ることだけ続けるという形でも足ります。在職中であれば、急ぐ理由は多くありません。そして、止めた結果「やはり残る」という結論になることもあります。それも、比べたうえでの判断です。