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行政書士|行政経験との相性と、転職での使い方
行政の事務を担当してきた方から、「相性はよいのか」というご相談を伺います。
資格の定めに、公務員の勤務年数が挙げられています。
この記事では、その中身と、転職での使い方を扱います。
⚠ 該当の判定・登録の手続は、所管するところの公表を確認してください。この記事では判断できません。
勤務年数による定めがあります
行政書士法第2条です。
> 次の各号のいずれかに該当する者は、行政書士となる資格を有する。>> 一 行政書士試験に合格した者>> (略)>> 六 国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間及び行政執行法人(略)又は特定地方独立行政法人(略)の役員又は職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して二十年以上(学校教育法(略)による高等学校を卒業した者その他同法第九十条に規定する者にあつては十七年以上)になる者
試験に合格した者のほか、一定の年数の勤務による定めが置かれています。
「行政事務を担当した期間」が要件とされています。
⚠ どの職務が「行政事務」に当たるか、期間の通算の方法、登録の手続は、所管の公表を確認してください。
条文だけでは判断しきれません。
業務の中身
行政書士法第1条の2は、官公署に提出する書類等の作成を業務としています。
つまり、申請する側に回るということです。
| 立場 | 内容 |
|---|---|
| 行政の担当 | 申請を受け、審査する側 |
| 行政書士 | 申請する側(依頼を受けて) |
立場が逆になります。
この逆転が、経験の価値でもあります。
審査する側で、何を見てきたかを知っているためです。
どの転職先で効くか
| 領域 | 使いどころ |
|---|---|
| ① 許認可に関わる事業 | 申請の支援 |
| ② 規制を受ける側の会社 | 許認可の対応、監査 |
| ③ 自治体が相手の事業 | 手続と基準の理解 |
| ④ 相談・窓口の業務 | 制度の説明 |
| ⑤ 事務の受託 | 手順の整備 |
②が見落とされやすいです。
許認可を受ける側の会社では、申請や報告を担う部署があります。
審査する側にいた経験は、そこで直接使えます。
扱いは国家公務員から民間へにも整理しています。
探し方は公務員経験が活きる求人の探し方に整理しています。
行政の実務で身についていること
| 経験 | 民間での読まれ方 |
|---|---|
| ① 申請の審査 | 基準に照らした確認 |
| ② 書類の見立て | 必要な書類の判断 |
| ③ 補正の指導 | 不備への対応 |
| ④ 相談への対応 | 制度の説明 |
| ⑤ 要綱・様式の整備 | 手順の設計 |
| ⑥ 記録の作成 | 経緯を残す |
②と③が、申請する側でそのまま使えます。
②について。
どの書類が必要で、どこでつまずくかを知っているということです。
この見立ては、経験からしか身につきません。
③について。
不備を指摘するだけでなく、どう直せばよいかを具体に示してきたはずです。
この伝え方は、顧客への対応でそのまま使えます。
「補正の内容を具体に示して指導」と書いてください。
「不備を指摘した」だけでは、伝え方が見えません。
相手が動ける形にして伝えたという点が要です。面接でも聞かれます。
書き方の例
悪い例
> 窓口で、申請の受付をしていました。
良い例
> ◯◯課において、◯◯に関する許可の事務を担当。年間約◯件の申請について、要件の確認、添付の書類の点検、決定の起案を実施。不備のある事案について、補正の内容を具体に示して指導。計画の初期の段階での相談に年約◯件対応し、制度の内容と必要な書類を説明。制度改正に伴い、要綱と様式を改正し、記入例を作成。
「件数」「審査の工程」「補正」「相談」「改正」が入っています。
基本の型は公務員の職務経歴書|民間で読まれる形にする基本に整理しています。
資格の位置づけ
| 状況 | 扱い |
|---|---|
| ① 行政書士の業務を行う | 登録が前提になります |
| ② 応募条件に記載がある | 満たす材料になる |
| ③ 許認可の対応を担う | 経験のほうが具体な場合も |
| ④ 勤務年数の定めに当たる | 所管の公表で確認 |
| ⑤ 目的が曖昧 | 優先順位を下げてください |
④について。
⚠ 該当するかどうかは、所管の公表と手続で確認してください。
人づての情報で判断しないでください。
なお、資格があれば転職できる、という関係にはありません。
何を審査し、どう指導したかが、評価の対象です。
在職中にできること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 従事した事務の整理 | 制度、期間、件数 |
| 要件の確認 | 所管の公表を確認 |
| 証明の書類の準備 | 所属での手続 |
| 求人を読む | 週に30分 |
3行目を早めにしてください。
在職中のほうが、手続が簡単です。
根拠のない数は書かないでください。
経験の言い換えから相談することもできます。
面接で聞かれやすいこと
| 質問の趣旨 | 用意しておくこと |
|---|---|
| 担当した制度と件数 | 制度名、年間の件数 |
| 審査の観点 | 何を見たか |
| 補正の指導 | 具体の進め方 |
| 相談への対応 | 説明の工夫 |
| 立場 | 審査する側であったこと |
2行目です。
なお、特定の申請者が分かる説明は避けてください。
守秘の義務は、退職した後も続きます。
よくある失敗
1. 「窓口の対応」で止める
審査する側であったことを書いてください。
2. 件数を書かない
規模が伝わりません。
3. 書類の見立てを書かない
経験からしか身につかない部分です。
4. 補正の指導を書かない
不備への対応として読まれます。
5. 該当を自分で判断する
所管の公表を確認してください。
6. 証明の書類の準備を後回しにする
在職中のほうが簡単です。
7. 規制を受ける側の会社を見ない
許認可の対応を担う部署があります。
8. 資格があれば転職できると考える
何を審査し指導したかが評価の対象です。
まとめ
- 行政書士法第2条は、試験に合格した者のほか、公務員として行政事務を担当した期間等が通算して二十年以上(高等学校を卒業した者等は十七年以上)になる者を挙げています
- ⚠ 該当の判定・手続は、所管の公表を確認してください。条文だけでは判断しきれません
- 業務は官公署に提出する書類等の作成です。行政の担当とは立場が逆になります
- 審査する側にいたことが強みです。書類の見立てと補正の指導は、経験からしか身につきません
- 効くのは、許認可に関わる事業、規制を受ける側の会社、自治体が相手の事業、相談・窓口、事務の受託です
- 証明の書類は、在職中に整えてください
- 「資格を取る」と「どこで働く」を分けて考えてください
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よくある質問
自分の職務が「行政事務」に当たるか分かりません
所管するところの公表を確認してください。該当の判定は、職務の内容と期間によります。辞令や人事の記録から、どの期間にどの職務に従事したかを整理したうえで、公表されている案内で確認してください。判定に迷う場合は、問い合わせて差し支えありません。なお、この記事では判断できません。また、要件は改められることがあります。以前の記憶で判断せず、最新の公表を確認してください。証明の書類が必要になる場合、所属での手続が要ることもあります。
独立を考えていますが、どう準備しますか
資格とは別の準備が要ります。依頼をどう受けるか、料金をどう決めるか、記帳や税務をどう回すか。これらは、資格の学習では扱いません。なお、会社で経験を積んでから独立するという順序もあります。許認可の対応を担う部署や、申請の支援を行う会社で、実務の進め方と顧客の見つかり方を知ってから独立する形です。どちらが合うかは、収入の見通しと生活の条件によります。扱いは公認会計士を目指す場合の現実に整理した考え方と同じです。先に選択肢を並べてください。
許認可の担当ではありませんでしたが、書けますか
書けます。補助金の交付の決定、届出の受理、証明の発行、相談への対応。これらは、基準に照らして判断し、書類を確認する動作です。書き方は、「◯◯に関する申請について、要件の確認と決定の起案を年約◯件実施。添付の書類の点検と、不備がある場合の補正の指導を担当」という形です。制度の名称ではなく、動作で書いてください。扱いは市区町村職員から民間へに整理しています。許認可という言葉にとらわれないでください。