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公認会計士を目指す場合の現実
財政や会計を担当してきた方から、「目指すべきか」というご相談を伺います。
判断の前に、前提を確認してください。
この記事では、業務の中身と、現実的な選び方を扱います。
⚠ 受験・登録の要件と手続は、所管するところの公表を確認してください。この記事では、個別の要件には触れません。
業務が、法律に定められています
公認会計士法第2条第1項です。
> 公認会計士は、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査又は証明をすることを業とする。
同条第2項です。
> 公認会計士は、前項に規定する業務のほか、公認会計士の名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の調製をし、財務に関する調査若しくは立案をし、又は財務に関する相談に応ずることを業とすることができる。
第1項の監査又は証明と、第2項の調製・調査・立案・相談が、業務として書かれています。
第2項の「財務に関する調査若しくは立案」「相談」は、行政の財政の事務と重なる動作です。
つまり、資格がなくても、近い仕事はあります。
この点を先に押さえてください。
目指す場合の前提
| 前提 | 内容 |
|---|---|
| ① 学習の期間 | 相応の期間がかかります |
| ② 在職との両立 | 繁忙期の影響を受けます |
| ③ 目的 | 監査を業とするのか、近い仕事か |
| ④ 年齢・生活 | 期間中の収入と生活 |
| ⑤ 代わりの選択肢 | 資格を使わない道 |
③で大きく分かれます。
監査又は証明を業とするのであれば、資格が前提です。
一方、財務の調査や立案、相談に近い仕事であれば、資格がなくても就ける求人があります。
⑤について。
この点を検討せずに学習を始めると、途中で迷います。
代わりの選択肢
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| ① 管理部門 | 予算の管理、実績の集計 |
| ② 事業の企画 | 計画と実績の差異の説明 |
| ③ 内部監査 | 手続の確認、是正 |
| ④ 自治体が相手の事業 | 公会計の理解 |
| ⑤ 公会計の支援 | 制度の理解 |
④と⑤が、行政の経験と最も重なります。
自治体を顧客とする会社では、公会計の仕組みを理解している人が必要とされます。
年度の区切り、議決の時期、繰越の扱い、支出の手続。
扱いは財務諸表の読み方|公会計との違いから入るに整理しています。
探し方は公務員経験が活きる求人の探し方に整理しています。
行政での経験で書けること
| 経験 | 民間での読まれ方 |
|---|---|
| ① 予算の編成 | 予算の策定、資源の配分 |
| ② 執行の管理 | 予算の管理、進捗の確認 |
| ③ 決算の作成 | 実績の集計、報告 |
| ④ 見積りの確認 | 原価の妥当性の確認 |
| ⑤ 監査への対応 | 内部統制、是正 |
| ⑥ 公表の資料 | 数字を伝わる形にする |
⑤が見落とされやすいです。
監査を受ける側として、指摘に対応し、手続を整えてきた経験です。
この経験は、内部監査の業務でも使えます。
目指す場合の進め方
| 順 | やること |
|---|---|
| 1 | 要件と手続を確認する(所管の公表) |
| 2 | 学習の期間を見積もる |
| 3 | 在職中の繁忙期を書き出す |
| 4 | 続けられる形かを確認する |
| 5 | 代わりの選択肢と比べる |
| 6 | 判断する |
3と4が要です。
予算の編成、決算、議会の時期は、学習が止まります。
年間で、どれだけの時間が取れるかを、先に見積もってください。
なお、取れば転職できる、という関係にはありません。
何を担当し、どう判断したかが、評価の対象です。
在職中にできること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実績の整理 | 予算の規模、担当した事業の数 |
| 監査への対応の整理 | 指摘と是正の経緯 |
| 公表資料の整理 | 作成に関わったもの |
| 求人を読む | 週に30分 |
1行目を先にしてください。
手元にある材料を整理すると、資格が必要かどうかが見えます。
根拠のない数は書かないでください。
経験の言い換えから相談することもできます。
面接で聞かれやすいこと
| 質問の趣旨 | 用意しておくこと |
|---|---|
| 担当した規模 | 予算の額、事業の数 |
| 見積りの確認 | 何を見たか |
| 監査への対応 | 指摘と是正 |
| 公会計と企業会計の違い | 理解を示す |
| 学習の状況 | 続けているか |
4行目です。
違いを説明できると、適応の見通しが伝わります。
扱いは財務諸表の読み方|公会計との違いから入るに整理しています。
書き方の例
悪い例
> 財政課で、予算と決算を担当しました。
良い例
> ◯◯課において、年間約◯億円の当初予算の編成に関わり、◯課・◯件の要求について内容と積算を確認。執行の状況を四半期ごとに確認し、補正の要否を整理。決算にあたり、実績を集計のうえ、成果を説明する資料を作成。監査の指摘◯件について、是正の手順を整理し、翌年度の運用に反映。
「規模」「査定」「確認の周期」「監査への対応」が入っています。
基本の型は公務員の職務経歴書|民間で読まれる形にする基本に整理しています。
学習の期間を見積もる観点
| 観点 | 確認すること |
|---|---|
| ① 出題の範囲 | 所管の公表を確認 |
| ② 手元の知識 | どこから始めるか |
| ③ 取れる時間 | 平日、休日、繁忙期 |
| ④ 進め方 | 独学か、講座か |
| ⑤ 見直しの時期 | いつ判断し直すか |
⑤を決めておいてください。
「半年後に進み方を確認する」と決めておくと、続けるか切り替えるかを判断できます。
期限を決めずに始めると、判断の機会が来ません。
よくある失敗
1. 代わりの選択肢を見ずに始める
先に求人票を5件読んでください。
2. 繁忙期を計算に入れない
学習が止まります。
3. 実績の整理を後回しにする
資格が必要かどうかが見えません。
4. 監査への対応を書かない
内部監査の業務でも使えます。
5. 公会計の理解を書かない
自治体が相手の事業で求められます。
6. 目的を決めずに学習を始める
監査を業とするのか、近い仕事かで変わります。
7. 要件を人づてで判断する
所管の公表を確認してください。
8. 取れば転職できると考える
何を担当しどう判断したかが評価の対象です。
まとめ
- 公認会計士法第2条第1項は財務書類の監査又は証明を、第2項は調製、財務に関する調査若しくは立案、相談を業務としています
- 第2項の調査・立案・相談は、行政の財政の事務と重なる動作です。資格がなくても近い仕事があります
- 目指す前提は、学習の期間、在職との両立、目的、生活、代わりの選択肢です
- 代わりの選択肢は、管理部門、事業の企画、内部監査、自治体が相手の事業、公会計の支援です
- 先に求人票を5件読んで、応募できるものがあるか確認してください
- 監査を受ける側として対応した経験は、内部監査の業務でも使えます
- 目指すなら、在職中に始めて進み方を見るほうが現実的です
行政が相手の求人もまとまっています。行政が相手の求人を見てみる。
よくある質問
財政課の経験は、どこまで評価されますか
予算の規模と、担った工程で書いてください。「年間約◯億円の予算の編成に関わり、◯課の要求の査定を担当」「執行の状況を四半期ごとに確認し、補正の要否を整理」という形です。査定の経験は、見積りの妥当性を判断してきた動作として読まれます。なお、公会計と企業会計の違いを説明できると、適応の見通しが伝わります。扱いは財務諸表の読み方|公会計との違いから入るに整理しています。資格がなくても、書ける材料は多くあります。
働きながら学習を続けられますか
繁忙期を書き出してから判断してください。予算の編成、決算、議会の時期は、学習が止まりやすい期間です。年間で、どの月にどれだけ時間が取れるかを先に見積もってください。そのうえで、続けられる形かを確認します。なお、団体によっては、研修や自己啓発に関する制度が置かれていることがあります。人事担当に確認してください。扱いはITパスポート|情報政策課以外でも意味があるかにも触れています。制度の有無で、進め方が変わります。
途中で方針を変えてもよいですか
構いません。学習を始めたことと、最後まで進めることは別です。進み方を見て、判断を変えて差し支えありません。なお、途中までの学習も、書類に書ける場合があります。「財務に関する学習を継続」という形で、学ぶ習慣がある人として読まれます。ただし、合格していない段階を保有と書かないでください。事実と異なる記載になります。在職中に始めておけば、切り替えの判断がしやすくなります。扱いは選考スケジュールの組み方に整理しています。