自治体別 / 中核市
鹿児島市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
鹿児島市と那覇市は、どちらも地域手当が0%です。平均年齢も41.7歳と40.9歳で、0.8歳しか違いません。
それでも総額は40,591円離れます。394,542円と353,951円。
地域手当が揃っているので、差の出どころは2つに絞れます。
鹿児島市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、鹿児島市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 鹿児島市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 99.4 |
| 平均年齢 | 41.7歳 |
| 平均給料月額 | 319,800円 |
| 諸手当月額 | 74,742円 |
| 平均給与月額 | 394,542円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 349,328円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 0% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 0% |
那覇市と並べる(地域手当は同率0%)
| 項目 | 鹿児島市 | 那覇市 | 差 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 99.4 | 97.4 | 2.0ポイント |
| 平均年齢 | 41.7歳 | 40.9歳 | 0.8歳 |
| 平均給料月額 | 319,800円 | 303,100円 | 16,700円 |
| 諸手当月額 | 74,742円 | 50,851円 | 23,891円 |
| 平均給与月額 | 394,542円 | 353,951円 | 40,591円 |
| 地域手当 | 0% | 0% | 同率 |
地域手当が同率0%なので、諸手当の差23,891円には地域手当が1円も入っていません。
そのまま、地域手当以外の手当の差です。
そして給料月額の差16,700円と合わせて、総額の差40,591円になります。
差の内訳
| 内訳 | 金額 | 総額差に占める割合 |
|---|---|---|
| 諸手当の差 | 23,891円 | 58.9% |
| 給料月額の差 | 16,700円 | 41.1% |
| 合計 | 40,591円 | 100% |
6割が諸手当、4割が給料表。地域手当が0%どうしだと、この2つだけで説明が終わります。
中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、県内の数字は鹿児島県職員の転職に、地域手当が同率の市は那覇市職員の転職に整理しています。
中核市の職員は、保健所を持つ立場にある
地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。
とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。
「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 降灰の除去と処理の運用 | オペレーション企画、施設管理 |
| 警戒避難体制の整備と訓練 | 事業継続計画、リスク管理 |
| 観光・農林漁業への影響の緩和 | 事業企画、産地開発 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 食品衛生・医療の許認可と監視 | 品質保証、薬事管理、規制対応 |
| 企業誘致・産業用地の整備 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「毎年起きることを、業務として回す」実務
鹿児島市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
活動火山対策特別措置法第1条は、この法律が、火山現象により著しい被害を受けるおそれがあると認められる地域等について、活動火山対策の総合的な推進に関する基本的な指針を策定し、警戒避難体制の整備を図り、避難施設、防災営農施設等の整備及び降灰除去事業の実施を促進する等の措置を講ずることにより、住民等の生命及び身体の安全並びに住民の生活及び農林漁業、中小企業等の経営の安定を図ることを目的とすると定めています。
注目してほしいのは「降灰除去事業」が目的に書かれていることです。
災害対策の法律に、掃除の話が入っている。
理由は明快です。灰は、毎年降るからです。一度の大災害に備えるだけでなく、日常的に降り続けるものを、業務として回し続けなければなりません。
- 降るたびに集め、運び、捨てる
- 道路も、側溝も、屋根も対象になる
- 農地に降れば、作物に影響が出る
- 中小企業の設備にも入り込む
- そして、来年も再来年も同じことが起きます
「終わらない業務を、毎年やり切る」という仕事です。
企業でも、同じ構造の仕事があります。
問い合わせ対応、月次の締め、在庫の棚卸し、システムの定期点検。成果が積み上がらず、やらないとすぐ困る。そして毎回同じなので、改善の対象になりにくい。
そして多くの企業で、ここを設計し直す人がいません。現場は目の前の量をこなします。管理部門は件数だけを見ます。ところが「毎年やることを、どうやって少ない手数で回すか」を考える役割が、誰にも割り当てられていません。だから人が増えるたびに、作業も増えます。
求人票では、オペレーション企画、業務設計、業務改革、施設管理、PMOといった名前で書かれています。
書くときのこつは、事業の名前を出さないことです。毎年の量をどう見積もったか、手数を減らすために何を変えたか、変えたあと量あたりの時間はどう動いたか、そして変えられなかった部分はどこか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
鹿児島で、どの経験が値になるか
1. 終わらない業務を回し続けた経験
毎年同じことが起きる前提で、手数を減らす。この設計は、企業のオペレーション企画でそのまま必要とされます。
2. 量を先に見積もった経験
降る量は年によって違います。先に見積もって体制を組んだ経験は、需要の変動を扱う職務で効きます。
3. 生活と産業の両方への影響を扱った経験
住民の生活と、農林漁業と、中小企業の設備。同じ現象が別々の相手に別々の形で効くという見方は、企業の影響評価で直接効きます。
4. 港とフェリーを抱える都市の実務
離島との行き来を前提にした計画は、物流と交通の企画で効きます。
5. 医療・保健の許認可と監視
食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。
県内・県外の求人を見るときに
鹿児島市は鹿児島県の中心にあり、県内や南九州を担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。移動に時間がかかる地域ほど、リモート可の求人は選択肢として大きくなります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○対策事業を担当」では読み手に何も残りません。毎年の量をどう見積もり、手数を減らすために何を変えたか。
変えられなかった部分を書く
全部は変えられません。どこが残り、なぜ残ったかを書けると、構造を見ていたことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、処理した量、対象となる区域、事業費、回数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
降灰を前提にした設備の維持は、扱える人が限られる
吸気、排水、フィルター、可動部への侵入。細かい粒子が入り続けることを織り込んだ点検と更新は、同じ条件の地域に施設を持つ企業から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。事業の運営に関わったなら、処理した量、かかった費用、量あたりの費用、改善後の差で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 鹿児島市の一般行政職はラスパイレス指数99.4、平均給与月額394,542円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 那覇市とは地域手当が同率0%、平均年齢も0.8歳差です
- それでも総額は40,591円離れます。諸手当23,891円(58.9%)と給料月額16,700円(41.1%)です
- 地域手当0%どうしなので、諸手当の差には地域手当が1円も入っていません
- 諸手当は総額の18.9%で、すべて担当業務・家族構成・役職で動く部分です
- 毎年やることを少ない手数で回す設計は、企業で誰にも割り当てられていません(活動火山対策特別措置法1条)
よくある質問
地域手当が同率0%なのに、総額が40,591円も違うのはなぜですか
諸手当と給料月額の両方です。諸手当の差23,891円が総額差の58.9%、給料月額の差16,700円が41.1%を占めます。地域手当が0%どうしなので、諸手当の差には地域手当が1円も入っていません。そのまま時間外・住居・扶養・管理職手当などの差になります。
地域手当が0%の団体どうしは、比べやすいのですか
いちばん読みやすい形です。地域手当が違う組み合わせでは、諸手当から地域手当を引いてから比べる必要があります(給料月額×地域手当の割合で概算できます)。0%どうしなら、その手間が要りません。ただし比べた結果から自分の実額が出るわけではないので、源泉徴収票の支払金額で確かめてください。
毎年同じことの繰り返しで、積み上がるものがありませんでした
業務そのものの性質です。問い合わせ対応も月次の締めも、やらないと困るのに成果としては残りません。書ける材料は、量の見積もり、手数を減らすために変えたこと、量あたりの時間の変化、変えられなかった部分の4つです。企業でも「毎年やることを少ない手数で回す」役割が誰にも割り当てられていません。