自治体別 / 中核市
那覇市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
那覇市の平均給与月額353,951円は、中核市62市のなかで最も低い数字です。
最も高い豊田市460,090円とは、106,139円の差があります。
この記事で中核市62市がそろいます。最後に、62市の分布をまとめておきます。
那覇市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、那覇市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 那覇市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 97.4 |
| 平均年齢 | 40.9歳 |
| 平均給料月額 | 303,100円 |
| 諸手当月額 | 50,851円(中核市62市で下から2番目) |
| 平均給与月額 | 353,951円(中核市62市で最も低い) |
| 平均給与月額(国ベース) | 328,897円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 0% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 0% |
中核市62市の分布
| 項目 | 最も高い | 最も低い | 幅 |
|---|---|---|---|
| 平均給与月額 | 豊田市 460,090円 | 那覇市 353,951円 | 106,139円 |
| 平均給料月額 | 郡山市 341,400円 | 那覇市 303,100円 | 38,300円 |
| 諸手当月額 | 豊田市 133,290円 | 八戸市 49,341円 | 83,949円 |
| ラスパイレス指数 | 越谷市 102.7 | 寝屋川市 93.3 | 9.4ポイント |
| 平均年齢 | 呉市 45.7歳 | 柏市 39.0歳 | 6.7歳 |
| 地域手当 | 豊田市 16% | 24市が 0% | 16ポイント |
総額の幅106,139円のうち、給料月額の幅は38,300円しかありません。
残りの大半は、諸手当と地域手当です。諸手当の幅は83,949円、地域手当は0%から16%まで7段階に分かれます。
那覇市は、給料表も諸手当も低い側にあります
那覇市は給料月額303,100円で62市の最低、諸手当50,851円で下から2番目、地域手当0%。3つとも低い側にあります。
その結果、総額が62市で最も低くなります。
ただし諸手当が総額の14.4%と薄いことには、別の意味もあります。
中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、県内の数字は沖縄県職員の転職に、地域手当が同率の市は鹿児島市職員の転職に整理しています。
中核市の職員は、保健所を持つ立場にある
地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。
とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。
「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 市営住宅の管理と入居の判定 | 不動産管理、審査、債権管理 |
| 家賃の算定と滞納への対応 | 料金企画、債権管理 |
| 老朽化した住棟の建替え計画 | アセットマネジメント、用地開発 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 食品衛生・医療の許認可と監視 | 品質保証、薬事管理、規制対応 |
| 観光の受入と生活の両立 | 観光事業企画、CS企画 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「行政が大家になる」実務
那覇市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
公営住宅法第1条は、この法律が、国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とすると定めています。
注目してほしいのは「賃貸し」という言葉です。
補助金を出すのではありません。行政が、自分で建てて、自分で貸します。
つまり大家になるということです。そして大家の仕事は、貸したあとに始まります。
- 入りたい人が、部屋より多い
- 誰を入れるかを、基準で決めなければならない
- 家賃は、収入に応じて変わる
- 滞納が出たとき、出ていってもらうのかを判断する
- 建物は古くなり、住んだまま建て替える必要がある
- そして、出ていける人ほど先に出ていきます
「選べない相手と、長く付き合い続ける」という仕事です。
企業でも、同じ構造の事業があります。
社宅や寮の運営、長期のリース契約、サブスクリプションの解約防止、継続課金の顧客管理。契約したあとが本番で、やめてほしくない相手ほど残ってくれない。
そして多くの企業で、入口の設計しかありません。営業は契約数を見ます。管理部門は台帳を作ります。ところが「入ったあと、どういう状態になったら何をするか」を先に決めた人がいません。だから滞納も、劣化も、離脱も、起きてから対応することになります。
求人票では、不動産管理、債権管理、カスタマーサクセス、審査、アセットマネジメントといった名前で書かれています。
書くときのこつは、団地や制度の名前を出さないことです。入れる基準を何に置いたか、滞納が出たときの段取りをどう決めていたか、住んだまま建て替えるために何を用意したか、そして判断が割れた場面で何を基準にしたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
那覇で、どの経験が値になるか
1. 選べない相手と長く付き合った経験
入居者は選べても、途中で入れ替えられません。この前提での管理は、企業の継続課金の事業と同じ構造です。
2. 滞納への段取りを決めていた経験
起きてから考えるのでは遅い。段階ごとの対応を先に決めた経験は、債権管理でそのまま必要とされます。
3. 住んだまま建て替えた経験
仮住まい、工区の分割、移転の順番。止められない状態で入れ替えるという条件の実務は、経験者が多くありません。
4. 観光と生活が重なる都市の実務
来る人と住んでいる人。両方の負担を見た経験は、施設運営と地域事業で効きます。
5. 医療・保健の許認可と監視
食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。
県内・県外の求人を見るときに
那覇市は沖縄県の中心にあり、県内を担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。本州との距離がある地域ほど、リモート可の求人は選択肢として大きくなります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○住宅の管理を担当」では読み手に何も残りません。入れる基準を何に置き、滞納の段取りをどう決めていたか。
個別の事情は書かない
入居者の事情は書けません。書くのは、基準と段取りのほうです。この2つだけで、十分に実務が伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、管理した戸数、入居の申込数、滞納の件数、建替えの規模。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
塩害と台風を前提にした建物の維持は、扱える人が限られる
鉄筋の腐食、外壁の劣化、開口部の強度、屋上の防水。傷み方が本州と違うため、点検と補修の判断は経験に依存します。同じ条件の地域に施設を持つ企業から直接求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。住宅の管理に関わったなら、戸数、入居率、家賃収入、滞納率、修繕にかかる費用で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 那覇市の一般行政職はラスパイレス指数97.4、平均給与月額353,951円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 総額353,951円は中核市62市で最も低く、最高の豊田市とは106,139円の差があります
- ただし総額の幅106,139円のうち、給料月額の幅は38,300円しかありません
- 残りの大半は諸手当(幅83,949円)と地域手当(0%から16%の7段階)です
- 諸手当は総額の14.4%で地域手当も0%。去年の支払金額が翌年もほぼそのままです
- 選べない相手と長く付き合い、入ったあとの段取りを先に決めた経験は、企業で抜けています(公営住宅法1条)
よくある質問
総額が中核市で最も低いことは、転職で不利になりますか
団体の平均は、求人票の想定年収とは関係しません。見られるのは自分の実額です。そしていま受け取っている額が低いということは、求人票の想定年収と比べたときに上がる幅が出やすいということでもあります。那覇市は諸手当が総額の14.4%で地域手当も0%なので、去年の源泉徴収票の支払金額が翌年もほぼそのまま。求人票とそのまま並べて比べられます。
中核市62市を見て、いちばん重要なことは何ですか
総額の幅106,139円のうち、給料月額の幅は38,300円しかないことです。残りの大半は諸手当(幅83,949円)と地域手当(0%から16%の7段階)です。団体の「給与水準」を語るとき多くの人は給料表を思い浮かべますが、実際に差を作っているのはそこではありません。そして指数が使えるのは、年齢構成が揃っているときだけです。
公営住宅の管理は、民間の仕事につながりますか
契約したあとを扱う仕事として、そのままつながります。社宅や寮の運営、長期のリース契約、継続課金の顧客管理。どれも入口の設計しかなく、「入ったあと、どういう状態になったら何をするか」を先に決めた人がいません。入れる基準、滞納の段取り、住んだまま建て替える段取り、判断が割れた場面の基準を書いてください。