自治体別 / 中核市
柏市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
柏市の平均年齢は39.0歳。中核市62市のなかで、最も若い数字です。
ラスパイレス指数は102.0で、越谷市102.7、大分市102.1に次ぐ3位。
それでも平均給与月額384,016円は、指数が5.0ポイント低い八王子市より52,944円下回ります。
柏市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、柏市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 柏市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 102.0(中核市62市で3位) |
| 平均年齢 | 39.0歳(中核市62市で最も若い) |
| 平均給料月額 | 304,500円 |
| 諸手当月額 | 79,516円 |
| 平均給与月額 | 384,016円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 349,128円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 6% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 6% |
八王子市と並べる
| 項目 | 柏市 | 八王子市 | 差 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 102.0 | 97.0 | 5.0ポイント |
| 平均年齢 | 39.0歳 | 43.2歳 | 4.2歳 |
| 平均給料月額 | 304,500円 | 321,000円 | 16,500円 |
| 諸手当月額 | 79,516円 | 115,960円 | 36,444円 |
| 平均給与月額 | 384,016円 | 436,960円 | 52,944円 |
| 地域手当 | 6% | 15% | 9ポイント |
指数では柏市が5.0ポイント上回り、総額では八王子市が52,944円上回ります。
ここまで大きく逆転する組み合わせは、155団体のなかで初めてです。
内訳は3つです。平均年齢が4.2歳若いぶん給料月額で16,500円下回り、地域手当が9ポイント低く、諸手当で36,444円下回る。
年齢の若さは、指数には出ない
ラスパイレス指数は、年齢と学歴を補正して国と比べた数字です。だから若い組織でも指数は下がりません。柏市が3位なのは、同じ年齢・同じ学歴で比べたときの給料表の水準が高いという意味です。
一方、平均給料月額は補正していません。39.0歳の組織と43.2歳の組織を、そのまま並べた数字です。
この2つを混ぜると、読み間違えます。
中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、県内の数字は千葉県職員の転職に、総額が上位の市は八王子市職員の転職に整理しています。
中核市の職員は、保健所を持つ立場にある
地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。
とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。
「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 大学・研究機関との連携 | 産学連携、オープンイノベーション |
| 実証実験の受入と調整 | 事業開発、PMO、渉外 |
| 新しい市街地の整備と運営 | 用地開発、エリアマネジメント |
| 都市計画、沿線の土地利用 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 食品衛生・医療の許認可と監視 | 品質保証、薬事管理、規制対応 |
| 企業誘致・産業用地の整備 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「知識・人材・資金を回す」実務
柏市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律第1条は、この法律が、科学技術・イノベーション創出の活性化を通じてこれに関する知識、人材及び資金の好循環を実現することが極めて重要であることに鑑み、基本理念を定め、国、地方公共団体、研究開発法人及び大学等並びに民間事業者の責務等を明らかにするものだとしています。
注目してほしいのは「知識、人材及び資金の好循環」という言い方です。
技術を作ることではなく、回すことが目的に書かれています。そして回す相手として、国、自治体、研究機関、大学、民間事業者が並列に挙げられています。
実務は、次のような形になります。
- 大学の研究と、企業の課題を突き合わせる
- 実証をやりたい事業者と、場所を持つ側をつなぐ
- 実証が終わったあと、事業として続くかを見る
- 立場も評価基準も違う組織を、同じ机に着かせる
- 成果の扱い、費用の分担、公表の可否を先に決める
いちばん難しいのは、最後の2つです。
大学は論文になるかを見ます。企業は売上になるかを見ます。行政は市民に効果があるかを見ます。3者の評価基準が違うので、始める前に決めておかないと、終わったあとで揉めます。
企業でも、まったく同じ状況が増えています。
他社との共同開発、大学との共同研究、スタートアップとの連携。始めるところまでは進むのに、成果の扱いと費用の分担を先に決めていないので、途中で止まる。
そして多くの企業で、ここを設計できる人がいません。事業部門は技術を見ます。法務は契約書を見ます。ところが「立場の違う組織が、何をもって成功と呼ぶか」を先に揃える役割が、誰にも割り当てられていません。契約書は揉めたあとの話であって、揉めないための設計ではないからです。
求人票では、産学連携、オープンイノベーション、事業開発、アライアンス、PMOといった名前で書かれています。
書くときのこつは、プロジェクトの名前を出さないことです。何者と何者を、どういう条件で組ませたか。成果の扱いと費用の分担をいつ決めたか。評価基準が食い違ったときにどう揃えたか。そして続かなかった案件では、何が足りなかったか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
柏で、どの経験が値になるか
1. 立場の違う組織を同じ机に着かせた経験
大学、企業、行政。評価基準が違う相手をまとめた経験は、企業の連携業務でそのまま必要とされます。
2. 実証のあとを見た経験
やってみて終わり、になった案件がいくつあるか。続かなかった理由を言える人は、そう多くありません。
3. 新しい市街地を運営した経験
作ったあと、誰がどう維持するか。エリアマネジメントは、不動産とまちづくりの両方で職種として確立しています。
4. 若い組織で早く任された経験
平均年齢が若い組織では、役職に就く前に判断を任される場面が増えます。「役職ではなく、決めた範囲」で書けば、そのまま実績になります。
5. 医療・保健の許認可と監視
食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。
県内・県外の求人を見るときに
柏市は東京への通勤圏にあり、都内の求人が日常的な選択肢に入ります。同時に、千葉県内や県北西部を担当エリアとする求人も多くあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
役職ではなく、決めた範囲を書く
若い組織では、肩書が付く前に判断を任されることがあります。「主査」と書くより、「何を、どこまで、自分の判断で決めたか」を書いてください。
続かなかった案件を書く
実証や連携は、続かないほうが多数です。続かなかった理由を書けることが、見る目があった証明になります。
規模を必ず書く
市の人口、参加した組織の数、事業費、実証の期間。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
新しい設備を公道や公共空間で試した経験は、扱える人が限られる
安全の確保、占用の手続き、事故が起きたときの責任の分担。「まだ制度が追いついていないものを、現実の場所で動かす」という条件での調整は、経験者が多くありません。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。連携や実証に関わったなら、参加した組織の数、費用の分担、続いた割合、続かなかった理由で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 柏市の一般行政職はラスパイレス指数102.0、平均給与月額384,016円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 平均年齢39.0歳は、中核市62市で最も若い数字です
- 指数は3位ですが、総額は八王子市を52,944円下回ります。155団体で最大の逆転です
- 内訳は、年齢4.2歳ぶんの給料月額16,500円、地域手当9ポイント、諸手当36,444円です
- 指数は年齢を補正した数字、給料月額は補正していない数字。混ぜると読み間違えます
- 立場の違う組織が何をもって成功と呼ぶかを先に揃えた経験は、企業の連携業務で空いています(科学技術・イノベーション創出活性化法1条)
よくある質問
指数が中核市3位なのに、総額が八王子市より5万円以上低いのはなぜですか
3つの要素が重なっています。1つめは平均年齢で、39.0歳と43.2歳の4.2歳差が給料月額16,500円の差になっています。2つめは地域手当で、6%と15%の9ポイント差。3つめは諸手当で、79,516円と115,960円の36,444円差です。ラスパイレス指数は年齢と学歴を補正した数字なので、補正前の給料月額や総額とは順序が一致しません。
平均年齢が若い組織にいることは、転職で不利になりますか
むしろ条件としては働く側にあります。理由は2つで、いま受け取っている額が低いぶん求人票の想定年収と比べて上がる幅が出やすいこと、そして年齢が上がるほど行政の給料表は勤続で積み上がり、想定年収と合わせにくくなることです。39歳前後は、その積み上がりが本格化する前の位置にあたります。
まだ役職に就いていないので、職務経歴書に書けることがありません
役職は書く材料ではありません。見られるのは何を、どこまで、自分の判断で決めたかです。平均年齢が若い組織では、肩書が付く前に判断を任される場面がむしろ増えます。役職ではなく「決めた範囲」、そして続かなかった案件と、そこで何が足りなかったかを書いてください。