自治体別 / 施行時特例市
春日井市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
春日井市のラスパイレス指数100.4は、埼玉県草加市とまったく同じ数字です。
地域手当も、どちらも6%で一致しています。
それでも平均給与月額は411,908円と399,314円で、12,594円違います。この回は、揃えられるものを揃えきったあとに何が残るのかを見ます。
春日井市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、春日井市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 春日井市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.4 |
| 平均年齢 | 39.8歳(施行時特例市23市で2番目に若い) |
| 平均給料月額 | 311,200円(23市で21番目) |
| 諸手当月額 | 100,708円 |
| 平均給与月額 | 411,908円(23市で13番目) |
| 平均給与月額(国ベース) | 362,628円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 6% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 6% |
諸手当は総額の24.4%を占めます。
給料月額は23市で21番目なのに、総額は13番目まで上がります。
草加市と、揃えられるものを揃えて並べる
指数が一致し、地域手当の実支給割合も一致する2市です。
| 項目 | 春日井市 | 草加市 | 差 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.4 | 100.4 | 一致 |
| 地域手当(実支給) | 6% | 6% | 一致 |
| 平均年齢 | 39.8歳 | 38.7歳 | 1.1歳 |
| 平均給料月額 | 311,200円 | 305,300円 | 5,900円 |
| 諸手当月額 | 100,708円 | 94,014円 | 6,694円 |
| 平均給与月額 | 411,908円 | 399,314円 | 12,594円 |
指数が同じ。地域手当の割合も同じ。違うのは年齢1.1歳だけです。
それでも総額は12,594円開きます。
12,594円の中身を分解する
| 内訳 | 金額 | 総額差に占める割合 |
|---|---|---|
| 給料月額の差 | 5,900円 | 46.8% |
| 地域手当の差(概算) | 354円 | 2.8% |
| 地域手当以外の手当の差(概算) | 6,340円 | 50.3% |
地域手当は給料月額×割合なので、割合が同じでも給料月額が違えば金額も少し違います。ただしその差は354円で、総額差の2.8%にすぎません。
残りは、給料月額の差と、地域手当以外の手当の差で、ほぼ半々です。
県内の数字は愛知県職員の転職に、指数と地域手当が一致する市は草加市職員の転職に整理しています。
施行時特例市とは、どういう市か
特例市という制度は、2015年(平成27年)4月1日に廃止されました。
そのときに特例市だった市が、「施行時特例市」として、それまでと同じ事務を引き続き処理しています。春日井市もその1つです。
中核市との違いは、はっきりしています。中核市は保健所を設置しますが、施行時特例市は設置しません。食品衛生や感染症対策は、都道府県の仕事として残ります。
一方で、施行時特例市が処理している事務も小さくありません。
- 都市計画法の開発許可
- 建築基準法の特定行政庁としての事務
- 騒音、振動、悪臭の規制
- 屋外広告物の規制
「建てる」「造る」「出す」に関わる許認可が中心です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 住宅施策、住宅の長寿命化計画 | 資産管理、設備投資計画 |
| 市営住宅の管理、入居と家賃の事務 | 賃貸管理、債権管理 |
| 開発許可、建築確認の審査 | 規制対応、用地開発、品質保証 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 騒音・振動・悪臭の規制 | 環境管理、規制対応 |
| 公共施設の再編、統廃合の調整 | 拠点再編、固定費削減 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「長期の見通し」と「払える額」を同時に見る実務
春日井市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
住生活基本法第1条は、この法律が、住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策について、基本理念を定め、国及び地方公共団体並びに住宅関連事業者の責務を明らかにし、基本的施策や住生活基本計画などの基本となる事項を定めることを目的とすると定めています。
核心は第3条です。
施策の推進は、少子高齢化の進展や生活様式の多様化といった社会経済情勢の変化に的確に対応しつつ、住宅の需要及び供給に関する長期見通しに即し、かつ、居住者の負担能力を考慮して行われなければならない、と書かれています。
「長期見通しに即し」と「負担能力を考慮して」が、同じ一文のなかに並んでいます。
どちらか一方では足りません。
長期の見通しだけを見れば、いま住んでいる人が払えない水準の計画ができます。負担能力だけを見れば、いまの人には合っていても、20年後には合わない住宅が積み上がります。
実務は、次のような形になります。
- 何十年か先の世帯数と年齢構成を推計する
- いまの居住者が、いくらまでなら払えるかを確かめる
- 建てる、直す、減らすの組み合わせを決める
- 決めたあと、推計が外れていないかを確かめ続ける
- 外れていたら、計画を直す
「先の見通し」と「いまの支払い能力」を、同じ表のうえで扱う仕事です。
企業でも、同じ構造の場面が増えています。
設備投資の計画、拠点の統廃合、価格の改定、長期契約の設計。将来の需要予測だけで決めれば、いまの顧客が離れます。逆にいまの顧客の声だけで決めれば、数年後に合わなくなった設備が残ります。
そして多くの企業で、この2つは別々の部署が持っています。経営企画は長期の数字を作り、営業や現場はいまの支払い能力を見ています。両方を同じ表に載せて、どこで折り合うかを決めた人がいません。
求人票では、事業計画、設備投資計画、資産管理、価格戦略、需要予測といった名前で書かれています。
書くときのこつは、計画の名前をそのまま書かないことです。何年先まで見たか、その推計をどう作ったか、いまの負担能力をどう確かめたか、2つが食い違ったときどちらをどう優先したか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
春日井で、どの経験が値になるか
1. 長期の推計を作った経験
何十年か先の数字を、根拠を示して置いた経験は、事業計画の職種でそのまま使われます。
2. 支払い能力を確かめた経験
「いくらまでなら払えるか」を調べた経験は、価格設定と与信の実務と同じ構造です。
3. 推計が外れたときに直した経験
作りっぱなしにしなかった経験が、いちばん強く読まれます。
4. 開発許可と建築確認の実務
審査する側にいた経験は、そのまま職種になります。
県内・県外の求人を見るときに
春日井市は名古屋市に隣接し、名古屋圏を担当エリアとする求人が、通勤の範囲に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「住宅施策を担当」では読み手に何も残りません。何年先まで見て、どこで折り合いをつけたか。
推計が外れた場面を書く
計画は外れます。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、対象となる戸数、更新の件数、事業費。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、建築基準適合判定資格者、建築士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。住宅や許認可に関わったなら、対象となる戸数、更新の件数、事業費、予算の執行率で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 春日井市の一般行政職はラスパイレス指数100.4、平均給与月額411,908円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数100.4も地域手当6%も、埼玉県草加市とまったく同じです。それでも総額は12,594円違います
- 差の内訳は、給料月額5,900円(46.8%)、地域手当354円(2.8%)、地域手当以外の手当6,340円(50.3%)
- 残った違いは年齢1.1歳だけ。ところが平均年齢は団体が意図して揃えられるものではありません
- 給料月額は23市で21番目ですが、総額は13番目。平均年齢39.8歳という若さが給料月額の側に出ています
- 「長期の見通し」と「いまの支払い能力」を同じ表に載せた経験は、企業でほとんど誰も持っていません(住生活基本法1条・3条)
よくある質問
指数も地域手当も同じなのに、総額が12,594円違うのはなぜですか
給料月額の差5,900円と、地域手当以外の手当の差6,340円が、ほぼ半々で効いています。地域手当は給料月額に割合を掛けるので、割合が同じでも金額は354円ずれますが、総額差の2.8%にすぎません。残った条件の違いは年齢1.1歳だけで、それでもこれだけ開きます。
給料月額が23市で21番目なのは、水準が低いということですか
平均年齢が23市で2番目に若いからです。平均給料月額は在職している職員の平均なので、年齢構成がそのまま残ります。学歴と経験年数を揃えて国と比べたラスパイレス指数は100.4で、23市の上位グループにあります。総額も23市で13番目です。
諸手当24.4%のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当6%ぶんのおよそ18,672円を除いた、82,036円の部分です。総額に占める割合でいうと19.9%。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で人ごとに違います。求人票の想定年収と比べるときは、ここがどれだけ自分に付いているかが効きます。