自治体別 / 施行時特例市
草加市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
草加市の平均年齢38.7歳は、施行時特例市23市のなかで最も若い数字です。
そして平均給料月額305,300円も、決して高くありません。
それでも総額399,314円は、給料月額が25,500円高い熊谷市を10,752円上回ります。
草加市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、草加市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 草加市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.4 |
| 平均年齢 | 38.7歳(施行時特例市23市で最も若い) |
| 平均給料月額 | 305,300円 |
| 諸手当月額 | 94,014円 |
| 平均給与月額 | 399,314円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 351,380円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 6% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 6% |
熊谷市と並べる
| 項目 | 草加市 | 熊谷市 | 差 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.4 | 101.2 | 0.8ポイント |
| 平均年齢 | 38.7歳 | 42.4歳 | 3.7歳 |
| 平均給料月額 | 305,300円 | 330,800円 | 25,500円 |
| 諸手当月額 | 94,014円 | 57,762円 | 36,252円 |
| 平均給与月額 | 399,314円 | 388,562円 | 10,752円 |
| 地域手当 | 6% | 3% | 3ポイント |
指数も、年齢も、給料月額も、熊谷市が上回ります。
それでも総額では草加市が10,752円上回ります。諸手当36,252円の差が、給料月額25,500円の差をひっくり返す形です。
諸手当から地域手当を引く
| 項目 | 草加市 | 熊谷市 |
|---|---|---|
| 諸手当月額 | 94,014円 | 57,762円 |
| うち地域手当(概算) | 約18,318円 | 約9,924円 |
| 地域手当以外 | 約75,696円 | 約47,838円 |
地域手当を引いても、草加市が27,858円厚い。地域手当だけでは説明できない差です。
年齢の若さは、指数には出ない
ラスパイレス指数は、年齢と学歴の構成を国に合わせて補正した数字です。だから若い組織でも指数は下がりません。草加市が100.4なのは、同じ年齢・同じ学歴で比べたときの給料表の水準が、国とほぼ同じという意味です。
一方、平均給料月額は補正していません。38.7歳の組織と42.4歳の組織を、そのまま並べた数字です。
県内の数字は埼玉県職員の転職に、比較した市は熊谷市職員の転職と春日部市職員の転職に整理しています。
施行時特例市とは、どういう市か
特例市という制度は、2015年(平成27年)4月1日に廃止されました。
そのときに特例市だった市が、「施行時特例市」として、それまでと同じ事務を引き続き処理しています。草加市もその1つです。
中核市との違いは、はっきりしています。中核市は保健所を設置しますが、施行時特例市は設置しません。食品衛生や感染症対策は、都道府県の仕事として残ります。
一方で、施行時特例市が処理している事務も小さくありません。
- 都市計画法の開発許可
- 建築基準法の特定行政庁としての事務
- 騒音、振動、悪臭の規制
- 屋外広告物の規制
「建てる」「造る」「出す」に関わる許認可が中心です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 防火対象物の検査と指導 | 安全管理、内部監査、規制対応 |
| 危険物施設の許可と点検 | 保安管理、品質保証 |
| 救急の搬送体制の設計 | オペレーション企画、業務設計 |
| 開発許可、建築確認の審査 | 規制対応、用地開発、品質保証 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 騒音・振動・悪臭の規制 | 環境管理、規制対応 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「起きる前」と「起きたとき」を同じ組織が担う実務
草加市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
消防法第1条は、この法律が、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もって安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とすると定めています。
注目してほしいのは、動詞が4つ並んでいることです。
予防し、警戒し、鎮圧し、搬送する。
起きる前、起きそうなとき、起きたとき、起きたあと。この4つを、同じ組織が担います。
そして実務では、この4つが互いに影響します。
- 予防の検査をしっかりやれば、出動は減る
- ところが検査に人を割けば、出動の体制が薄くなる
- 出動が増えれば、検査に回す時間がなくなる
- そして検査の効果は、数年たたないと出ない
- 出動の実績は、その日のうちに数字になります
「すぐ数字になる仕事」と「数年後にしか効かない仕事」を、同じ人員で回すという構造です。
企業でも、まったく同じ問題があります。
障害対応と予防保全、クレーム処理と品質改善、採用と育成。どれも同じ部門が担い、片方はすぐ数字になり、もう片方は数年後にしか効きません。
そして多くの企業で、すぐ数字になるほうに人が寄ります。現場は目の前の対応を優先します。管理部門は月次の件数を見ます。ところが「予防にどれだけ人を割くと、何年後に対応がどれだけ減るか」を出した人がいません。だから予防はいつも後回しになり、対応の量は減りません。
求人票では、安全管理、品質保証、オペレーション企画、内部監査、業務設計といった名前で書かれています。
書くときのこつは、制度や施設の名前を出さないことです。予防と対応に、どういう割合で人を配分したか、その配分を何で決めたか、配分を変えたあと件数はどう動いたか、そして変えられなかった部分はどこか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
草加で、どの経験が値になるか
1. 予防と対応に人を配分した経験
片方はすぐ数字になり、片方は数年後にしか効かない。この配分を決めた経験は、企業の品質と保全でそのまま必要とされます。
2. 効果が数年後に出るものを続けた経験
やめても、しばらくは困りません。それでも続けた根拠を説明できる人は多くありません。
3. 若い組織で早く任された経験
平均年齢が若い組織では、役職に就く前に判断を任される場面が増えます。「役職ではなく、決めた範囲」で書けば、そのまま実績になります。
4. 東京に隣接する都市の実務
通勤で人が出ていき、昼間は人が減る。この構造を前提にした計画は、商業と交通の企画で効きます。
5. 開発許可と建築確認の実務
審査する側にいた経験は、そのまま職種になります。
県内・県外の求人を見るときに
草加市は東京に近く、都内の求人が日常的な選択肢に入ります。埼玉県内や県東部を担当エリアとする求人も多くあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
役職ではなく、決めた範囲を書く
若い組織では、肩書が付く前に判断を任されることがあります。「主査」と書くより、「何を、どこまで、自分の判断で決めたか」を書いてください。
変えられなかった部分を書く
全部は変えられません。どこが残り、なぜ残ったかを書けると、構造を見ていたことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、対象となる施設の数、検査の件数、出動の件数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、危険物取扱者、消防設備士、建築基準適合判定資格者。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
消防設備の審査と点検は、そのまま職種になる
自動火災報知設備、スプリンクラー、避難器具、排煙。建物の用途ごとに要件が変わる設備の審査経験は、設備会社と施設を持つ企業の双方から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。検査や対応に関わったなら、対象となる施設の数、検査の件数、指摘の件数、対応にかかった時間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 草加市の一般行政職はラスパイレス指数100.4、平均給与月額399,314円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 平均年齢38.7歳は、施行時特例市23市で最も若い数字です
- 給料月額が25,500円高い熊谷市を、総額では10,752円上回ります
- 効いているのは諸手当36,252円の差。地域手当を引いても、草加市が27,858円厚い
- 諸手当は総額の23.5%。地域手当を除いた19.0%が条件で動く部分です
- 予防と対応に人をどう配分したかは、企業でいちばん出せていない数字です(消防法1条)
よくある質問
指数も年齢も給料月額も熊谷市より低いのに、総額が高いのはなぜですか
諸手当です。草加市94,014円に対し、熊谷市57,762円。36,252円の差があります。地域手当(草加市6%=約18,318円、熊谷市3%=約9,924円)を引いても、草加市が27,858円厚い。地域手当だけでは説明できない差です。給料月額25,500円の差を、この諸手当の差がひっくり返しています。
平均年齢が若い組織にいることは、転職で不利になりますか
むしろ条件としては働く側にあります。理由は2つで、いま受け取っている給料月額が低いぶん求人票の想定年収と比べて上がる幅が出やすいこと、そして年齢が上がるほど行政の給料表は勤続で積み上がり、想定年収と合わせにくくなることです。38.7歳という平均は、その積み上がりが本格化する前の位置です。
まだ役職に就いていないので、書けることがありません
役職は書く材料ではありません。見られるのは何を、どこまで、自分の判断で決めたかです。平均年齢が若い組織では、肩書が付く前に判断を任される場面がむしろ増えます。役職ではなく「決めた範囲」、そして変えられなかった部分とその理由を書いてください。