自治体別 / 中核市
川越市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
川越市のラスパイレス指数は101.1。平均年齢は41.8歳で、中核市のなかでは若いほうです。
そして平均給料月額323,200円は、指数が1.4ポイント低い高崎市より13,200円低い。
指数が高いのに、給料月額は低い。この形がなぜ起きるのかを、先に確認してください。
川越市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、川越市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 川越市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 101.1 |
| 平均年齢 | 41.8歳 |
| 平均給料月額 | 323,200円 |
| 諸手当月額 | 87,666円 |
| 平均給与月額 | 410,866円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 368,791円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 6% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 6% |
地域手当が同率の高崎市と並べる
| 項目 | 川越市 | 高崎市 | 差 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 101.1 | 99.7 | 1.4ポイント |
| 平均年齢 | 41.8歳 | 43.6歳 | 1.8歳 |
| 平均給料月額 | 323,200円 | 336,400円 | 13,200円 |
| 諸手当月額 | 87,666円 | 78,279円 | 9,387円 |
| 平均給与月額 | 410,866円 | 414,679円 | 3,813円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 368,791円 | 396,446円 | 27,655円 |
| 地域手当 | 6% | 6% | 同率 |
地域手当が同率なので、残る変数は年齢と諸手当だけです。
川越市は年齢が1.8歳若く、給料月額で13,200円下回ります。ラスパイレス指数は年齢と学歴を補正した数字なので、補正すると川越市が1.4ポイント上回ります。
そして諸手当で9,387円押し返し、総額の差は3,813円まで縮みます。
ところが国ベースで見ると、27,655円離れます。同じ2市が、どの数字で並べるかで7倍以上ぶれる。
諸手当の位置
川越市の諸手当87,666円は総額の21.3%。中核市62市のなかでは、下から38番目。上位寄りです。
参考までに、中核市の両端は次のとおりです。
| 市 | 諸手当月額 |
|---|---|
| 豊田市 | 133,290円 |
| 西宮市 | 125,466円 |
| 川越市 | 87,666円 |
| 那覇市 | 50,851円 |
| 八戸市 | 49,341円 |
中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、県内の数字は埼玉県職員の転職に、地域手当が同率の市は高崎市職員の転職に整理しています。
中核市の職員は、保健所を持つ立場にある
地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。
とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。
「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 基本計画の作成と国の認定申請 | 事業計画策定、経営企画、渉外 |
| 中心市街地・商店街の活性化 | 店舗開発、エリアマネジメント |
| 観光の受入と回遊の設計 | 観光事業企画、集客企画 |
| 都市計画、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 食品衛生・医療の許認可と監視 | 品質保証、薬事管理、規制対応 |
| 企業誘致・産業団地の整備 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「計画を出して、審査を受けて、予算を引き出す」実務
川越市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
中心市街地の活性化に関する法律第1条は、この法律が、近年における急速な少子高齢化の進展、消費生活の変化等の社会経済情勢の変化に対応して、中心市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上を推進するため、市町村による基本計画の作成及びその内閣総理大臣による認定、当該認定を受けた基本計画に基づく事業に対する特別の措置等について定めるものだとしています。
注目してほしいのは、計画そのものが審査の対象になっていることです。
市が計画を作り、国が認定する。認定されて初めて、特別の措置が使えます。
つまりこの仕組みでは、やりたいことを書いても通りません。通るのは、何の指標が、いつまでに、どこまで動くのかを書いた計画です。そして認定後は、その指標で進捗を見られます。
実務は、次のような形になります。
- 使える措置から逆算して、計画の骨格を決める
- 指標を選ぶ。選んだ指標で後から評価される
- 関係する事業者・地権者・商業者の合意を、計画に載せる前に取る
- 認定後、指標が動かなかったときに何を変えるか決める
- 計画を変えるのか、実行を変えるのかを判断する
この最後が、いちばん難しいところです。
企業でも、まったく同じ構造があります。
本社や親会社に計画を出し、承認を取り、予算と人を引き出す。多くの現場は「やりたいこと」を書いて、差し戻されます。通る計画は、どの数字がいつどこまで動くかを書いたものです。
そして通ったあとが、さらに空いています。指標が動かなかったとき、計画のほうが間違っていたのか、実行が足りなかったのかを切り分けられる人がいない。多くの現場は実行を増やして対応し、計画そのものは見直されないまま残ります。
求人票では、事業計画策定、経営企画、事業企画、PMOといった名前で書かれています。
書くときのこつは、計画の名前を出さないことです。どの指標を置いたか、なぜその指標にしたか、実績がどれだけ乖離したか、そして乖離したときに計画を変えたのか実行を変えたのか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
川越で、どの経験が値になるか
1. 審査に通る計画を書いた経験
上位の組織に出して、認定や承認を取る。通す文書を書ける人は、企業の企画部門でそのまま必要とされます。
2. 指標を選び、後から説明した経験
計画に置く指標は、後で自分が評価される基準です。選び方と、外れたときの説明のしかたを持っている人は多くありません。
3. 商業者・地権者との合意形成
計画に載せる前に、現場の合意を取る。先にいる人の利害を整えてから動くという順序を設計した経験は、店舗開発や用地開発で直接効きます。
4. 観光の受入と回遊の設計
来る人の数ではなく、どこを通り、どこで滞留し、どこで消費するか。商業施設の企画と同じ見方です。
5. 医療・保健の許認可と監視
食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。
県内・県外の求人を見るときに
川越市は東京への通勤圏にあり、都内の求人が現実的な選択肢に入ります。同時に、埼玉県内や県西部を担当エリアとする求人も多くあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○基本計画を担当」では読み手に何も残りません。計画名は庁内でしか意味を持たない固有名詞です。どの指標を置き、どこが乖離し、何を変えたか。
乖離を隠さない
計画どおりに進んだ事業は、ほとんどありません。乖離を書かないと、読み手は「本当に動かしたのか」を疑います。乖離とその後の対応を書いたほうが、確実に強くなります。
規模を必ず書く
市の人口、対象区域の面積や店舗数、事業費、来訪者数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
既存の建物を残しながら進める工事は、扱える人が限られる
既存の外観や構造を残したまま、耐震や設備を更新する。新築より条件が厳しく、工程も読みにくい。この経験は、改修を専門にする建設会社と設計事務所の両方から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。計画や事業の運営に関わったなら、指標、実績、乖離、そのあとの対応で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 川越市の一般行政職はラスパイレス指数101.1、平均給与月額410,866円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 地域手当が同率6%の高崎市とは、年齢と諸手当だけの比較になります
- 年齢が1.8歳若く給料月額で13,200円下回り、諸手当で9,387円押し返して総額の差は3,813円
- ところが国ベースでは27,655円離れます。同じ2市が、基準を変えると7倍以上ぶれます
- 諸手当は総額の21.3%で上位寄り。年ごとに動く部分があるので、3年ぶん並べて確認してください
- 審査に通る計画を書き、乖離したときに計画と実行を切り分けた経験は、企業の企画部門で必要とされます(中心市街地活性化法1条)
よくある質問
指数が高崎市より1.4ポイント高いのに、給料月額が13,200円低いのはなぜですか
平均年齢の差です。川越市41.8歳、高崎市43.6歳。1.8歳の差が、補正前の給料月額に出ています。ラスパイレス指数は年齢と学歴を補正した数字なので、補正すると川越市が上回ります。総額では諸手当で9,387円押し返し、3,813円差まで縮みます。
高崎市と総額がほぼ同じなのに、国ベースでは大きく違うのはなぜですか
見ている範囲が違うからです。総額では3,813円差、国ベースでは27,655円差。同じ2市でも、どの数字で並べるかで差の幅が7倍以上変わります。だから団体どうしの比較から自分の実額は出てきません。複数年の源泉徴収票で自分の支払金額とぶれ幅を確かめ、そのうえで求人票の想定年収と比べてください。
計画を作る仕事ばかりで、実績として書きにくいです
計画を作るというのは、何を指標に置くかを決める作業です。そして指標を置くということは、そこで評価されることを引き受けるということでもあります。書くときは、置いた指標、選んだ理由、乖離の幅、乖離のあとに変えたものの4つを書いてください。通らなかった案があるなら、その理由も書いたほうが強くなります。