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自治体別 / 中核市

甲府市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方

甲府市のラスパイレス指数97.7は、隣県の松本市99.4より1.7ポイント低い数字です。

平均年齢も1.0歳若く、平均給料月額も14,600円下回ります。

それでも総額では、松本市を3,489円上回ります。3つの指標で下回っているのに、総額だけ逆転する形です。

甲府市の給与水準を、数字で確認する

総務省の調査によると、甲府市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。

項目甲府市
ラスパイレス指数97.7
平均年齢41.8歳
平均給料月額307,000円
諸手当月額87,763円
平均給与月額394,763円
平均給与月額(国ベース)350,687円
地域手当(国の指定基準)6%
地域手当(実際の支給割合)6%

松本市と並べる

項目甲府市松本市差
ラスパイレス指数97.799.41.7ポイント
平均年齢41.8歳42.8歳1.0歳
平均給料月額307,000円321,600円14,600円
諸手当月額87,763円69,674円18,089円
平均給与月額394,763円391,274円3,489円
地域手当6%3%3ポイント

指数、年齢、給料月額。3つとも松本市が上回っています。

それでも総額では甲府市が3,489円上回ります。

理由は諸手当です。甲府市87,763円、松本市69,674円。18,089円の差があります。給料月額307,000円に対する地域手当3ポイントの差はおよそ9,210円なので、残りの約8,900円は地域手当以外の手当から出ていることになります。

諸手当の比率で見る

甲府市の諸手当87,763円は総額394,763円の22.2%。松本市は17.8%です。

中核市62市のなかでは、甲府市が下から39番目、松本市が下から15番目。甲府市は上位寄り、松本市は薄いほうに入ります。

中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、県内の数字は山梨県職員の転職に、比較した市は松本市職員の転職に整理しています。

中核市の職員は、保健所を持つ立場にある

地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。

とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。

「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。

市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか

市役所での仕事求人票での言い方
予算の要求・査定、財政計画予実管理、投資判断、経営企画
発電設備の立地に関する調整用地開発、事業開発、渉外
長期にわたる事業の採算の検証投資判断、事業企画、ファイナンス
地場産業(宝飾・機械)の支援技術営業、事業開発、調達
都市計画、区画整理、駅周辺の整備用地開発、開発企画、都市開発
食品衛生・医療の許認可と監視品質保証、薬事管理、規制対応
企業誘致・産業団地の整備事業開発、用地開発、アライアンス
上下水道など公営企業インフラ運営、事業運営
市有施設の設計・積算・監督発注者支援、施工管理
窓口・住民対応の業務設計カスタマーサポート、業務設計
内部管理(人事・財政・総務・会計)コーポレート、管理部門
議会対応、条例・規則の改正渉外、法務、規程整備

部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。

「20年先の条件を、いま決める」実務

甲府市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。

再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法第1条は、この法律が、再生可能エネルギー源の利用がエネルギーの安定的かつ適切な供給の確保及びエネルギーの供給に係る環境への負荷の低減を図る上で重要となっていることに鑑み、再生可能エネルギー電気の市場取引等による供給を促進するための交付金その他の特別の措置を講ずることにより、その利用を促進するものだとしています。

この法律の要点は、支援のしかたにあります。

設備を建てる費用を補助するのではなく、発電した電気を、あらかじめ決めた条件で長期にわたって引き取るという形をとってきました。

つまり「将来の収入を先に確定させることで、いまの投資を呼び込む」仕組みです。

実務では、次のような形で現れます。

「いま決めることの効果が、何十年も先まで続く」という前提の仕事です。

企業でも、まったく同じ構造の判断があります。

設備投資、長期の供給契約、拠点の賃貸借、システムの採用。決めた瞬間ではなく、10年後の条件で効いてきます。

そして多くの企業で、ここを見ている人がいません。事業部門は初年度の数字を見ます。財務は投資額を見ます。ところが「前提が崩れたときに、どこで抜けられるか」を最初に設計した人がいない。だから条件が変わったときに、抜けられないまま損を抱え続けることになります。

求人票では、事業企画、投資判断、ファイナンス、用地開発、購買といった名前で書かれています。

書くときのこつは、事業の名前を出さないことです。何年先までの収支で判断したか、どの前提が崩れると成り立たなくなると見ていたか、撤去や更新の費用をどう織り込んだか、そして前提が崩れたときに実際どうしたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。

行政が相手の求人を見てみる

甲府で、どの経験が値になるか

1. 長期の収支で判断した経験

初年度ではなく、10年先、20年先。期間の長い判断をした経験は、企業の投資判断でそのまま必要とされます。

2. 前提が崩れたときの出口を設計した経験

制度が変わる、価格が変わる、需要が変わる。抜け道を最初に作っておいた経験は、購買と契約の実務で直接効きます。

3. 建てたあと何十年も続く関係を扱った経験

近隣、地権者、事業者。終わらない関係を前提にした調整は、用地開発と渉外に直結します。

4. 地場産業を支えた実務

宝飾、機械、部品。事業所の実力を外から判断した経験は、調達や金融でそのまま必要とされます。

5. 医療・保健の許認可と監視

食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。

県内・県外の求人を見るときに

甲府市は首都圏との行き来がしやすく、担当エリア型の求人であれば、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。

判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。

まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。

自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。

職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか

制度名ではなく、判断したことを書く

「○○推進事業を担当」では読み手に何も残りません。何年先までの収支で見て、どの前提が崩れると危ないと判断したか。

前提が崩れた案件を書く

長期の事業では、途中で条件が変わります。そのとき何をしたかを書くと、判断の実務があったことが伝わります。

規模を必ず書く

市の人口、対象となる設備や区域、事業費、期間。数字を添えないと規模が伝わりません。

技術職の場合は、探し方が変わる

発注者側の経験そのものが職種になる

「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。

資格が入口で効く

技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。

電気設備の受電と系統連系は、扱える人が限られる

受電設備、保護協調、系統への接続。電力会社との協議を通した経験は、発電事業者と設備を持つ企業の両方から求められます。

面接で必ず詰められる2つのこと

「意思決定のスピードに耐えられるか」

行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。

「数字への意識があるか」

「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。長期の事業に関わったなら、事業費、回収期間、前提とした条件、条件が変わったときの影響で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。

在職中に進めるときの注意点

顔が知られている前提で動く

市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。

服務上の扱いを先に確かめる

在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。

面接の日程は、議会日程から逆算する

地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。

在職中に決める

公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。

LINEで短く聞くこともできます

まとめ

よくある質問

指数も年齢も給料月額も松本市より低いのに、総額が高いのはなぜですか

諸手当です。甲府市87,763円に対し、松本市69,674円。18,089円の差があります。地域手当は甲府市6%、松本市3%で、給料月額307,000円に対する3ポイントの差はおよそ9,210円。残りの約8,900円は、時間外・住居・扶養・管理職手当などの積み上がりから出ています。指数は給料表の水準の話で、手当を含んでいません。

諸手当が総額の2割を超えていると、どう考えればいいですか

年による振れ幅が出やすい、ということです。地域手当は割合が決まっていますが、時間外、住居、扶養、管理職手当は担当業務と家族構成と役職で変わります。求人票の想定年収と比べるときは、複数年ぶんの源泉徴収票の支払金額を並べてください。1年ぶんだけだと、高い年か低い年かがわかりません。

20年続く事業を担当しましたが、結果を見届けられませんでした

評価されるのは結果ではなく、判断のときに何を前提にしたかです。何年先までの収支で見たか、どの前提が崩れると成り立たなくなると考えたか、撤去や更新の費用をどこまで織り込んだか。企業でも「前提が崩れたときにどこで抜けられるか」を最初に設計した人がいないので、条件が変わると抜けられないまま損を抱えます。前提、崩れる条件、織り込んだ費用、実際に崩れたときの対応を書いてください。

出典

  1. 令和6年 給与・定員等の調査結果等(ラスパイレス指数及び平均年齢・平均給与月額等・市区町村)|総務省
  2. 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法 第1条(目的)|e-Gov法令検索
  3. 地方自治法 第252条の22(中核市の権能)/第211条(予算の調製及び議決)/第233条(決算)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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