自治体別 / 中核市
郡山市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
郡山市の平均年齢44.6歳は、中核市62市のなかでも高いほうです。平均給料月額341,400円も、それにともなって高い。
ところが諸手当70,672円は薄く、比率は17.2%。平均給与月額412,072円は、山形市412,144円と72円しか違いません。
年齢が高く給料表で稼ぐ形と、年齢が若く手当で埋める形。同じ総額に、別の道筋で到達しています。
郡山市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、郡山市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 郡山市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.6 |
| 平均年齢 | 44.6歳 |
| 平均給料月額 | 341,400円 |
| 諸手当月額 | 70,672円 |
| 平均給与月額 | 412,072円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 370,584円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 0% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 0% |
山形市と並べてみる
| 項目 | 郡山市 | 山形市 | 差 |
|---|---|---|---|
| 平均給与月額 | 412,072円 | 412,144円 | 72円 |
| 平均年齢 | 44.6歳 | 40.9歳 | 3.7歳 |
| 平均給料月額 | 341,400円 | 320,500円 | 20,900円 |
| 諸手当月額 | 70,672円 | 91,644円 | 20,972円 |
| ラスパイレス指数 | 100.6 | 100.0 | 0.6 |
| 地域手当(実支給) | 0% | 0% | 0 |
地域手当はどちらも0%。それでも到達の仕方がまったく違います。
郡山市は年齢が高いぶん給料月額で20,900円上回り、山形市は諸手当で20,972円上回る。ほぼ完全に相殺して、総額が72円差になっています。
そして補正済みのラスパイレス指数は郡山市100.6、山形市100.0。年齢の効果を取り除いても、郡山市のほうがわずかに上です。給料表そのものの水準も高いということになります。
同じ県内のいわき市(ラス100.2、給料月額332,400円、諸手当64,981円)と比べても、郡山市のほうが年齢が1.5歳高く、給料月額で9,000円上回ります。
中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、県内の数字は福島県職員の転職に整理しています。
中核市の職員は、保健所を持つ立場にある
地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。
とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。
「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 卸売市場の開設・運営 | 施設運営、SCM企画、事業運営 |
| 物流・交通の結節点としての調整 | インフラ企画、SCM企画 |
| 食品衛生・医療の許認可と監視 | 品質保証、薬事管理、規制対応 |
| 企業誘致・工業団地の整備 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 商業集積・中心市街地の施策 | 店舗開発、事業開発 |
| 再生可能エネルギーの導入支援 | 再エネ開発、事業開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「売り手と買い手の場を、自分で運営する」実務
郡山市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
卸売市場法第1条は、この法律が、卸売市場が食品等の流通において生鮮食料品等の公正な取引の場として重要な役割を果たしていることなどに鑑み、卸売市場の整備と適正な運営を確保するための措置を定めるものだとしています。
卸売市場は、行政が「場」そのものを運営する珍しい仕組みです。
道路や公園のように使ってもらう施設ではなく、そこで毎日、価格が決まり、取引が成立する場所を開設し、運営する。
実務としては、次のような判断が続きます。
- 取扱高が減るなかで、施設をどう維持するか
- 卸・仲卸・買参人。それぞれの立場をどう扱うか
- 使用料をいくらにし、誰の負担をどう配分するか
- 市場を通さない流通が増えるなかで、何を強みにするか
- 施設の更新に、どれだけ投じるか
「取引の場を運営し、参加者の構成と収支の両方を見る」という仕事です。
これは、民間のプラットフォーム事業とまったく同じ構造です。
出店者と購入者を集め、取引が成立する場を作り、手数料で運営する。参加者が減れば場の価値が落ち、手数料を上げれば参加者が離れる。そして場を通さない直接取引が増えれば、存在意義が問われる。
この難しさを実際に扱ってきた人は、そう多くありません。多くの企業のプラットフォーム担当者は、参加者を増やすことは考えても、減っていく局面で場をどう保つかの経験がない。
求人票では、事業運営、SCM企画、施設運営、事業企画といった名前で書かれています。
書くときのこつは、市場の歴史を語らないことです。取扱高と参加者の数、使用料をどう決めたか、減少局面で何を変えたか、そして施設の更新をどう判断したか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
郡山で、どの経験が値になるか
1. 取引の場を運営した経験
参加者の構成、使用料、収支、施設。減っていく局面で場をどう保つかを扱った経験は、プラットフォーム事業でそのまま必要とされます。
2. 交通と物流の結節点としての調整
複数の方向に線が伸びる位置にあります。広域の調整をした経験は、サプライチェーンを扱う企業に読める経験です。
3. 企業誘致と工業団地の実務
用地、インフラ、支援制度。進出や増設を考える企業から見れば、これは自分たちが最も苦労する部分です。
4. 再生可能エネルギーの導入に関わった経験
用地、系統、地元同意、環境影響。再エネの案件が止まる理由は、技術ではなくこの4つのどれかです。
5. 保健所を持つ市としての実務
食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。
県内・県外の求人を見るときに
郡山市は交通の結節点にあり、担当エリア型の求人であれば、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○推進事業を担当」では読み手に何も残りません。事業名は庁内でしか意味を持たない固有名詞です。何件を、どういう基準で審査し、どこで判断が割れて、どう決着させたか。
減少局面での判断を書く
伸びている局面の話は、誰でも似た説明になります。減っていくなかで何を変えたかのほうが、判断の質を示します。
規模を必ず書く
市の人口、取扱高、参加者の数、予算額。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
使いながら更新する施設の工程管理は、希少な経験になる
市場、庁舎、学校。止めずに建て替えるという条件での工程管理は、扱える人が限られます。店舗や工場の改修を手がける企業から求められる経験です。対象施設の数と、工程の組み方で書いてください。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。市場や施設の運営に関わったなら、取扱高、参加者の数、使用料、収支で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 郡山市の一般行政職はラスパイレス指数100.6、平均給与月額412,072円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 山形市とは総額が72円差ですが、到達の仕方が逆。郡山市は年齢が高く給料表で、山形市は手当で埋めています
- 補正した指数でも郡山市100.6が上回ります。給料表そのものの水準も高いということです
- 諸手当の比率17.2%は薄め。条件で動く部分が小さく、去年の源泉徴収票が物差しになります
- 取引の場を運営した経験は、民間のプラットフォーム事業と同じ構造です(卸売市場法1条)
- 減っていくなかで何を変え、何を変えなかったかを書いてください
よくある質問
山形市と総額がほぼ同じですが、中身も同じですか
到達の仕方が逆です。郡山市は年齢が3.7歳高く、給料月額で20,900円上回ります。山形市は諸手当で20,972円上回る。この2つがほぼ完全に相殺して、総額が72円差になっています。なお補正したラスパイレス指数では郡山市100.6、山形市100.0で、郡山市がわずかに上です。
縮んでいく事業を守っていただけで、成長させた経験がありません
採用の場では、その逆のほうが希少です。伸びている事業を回した経験は多くの人が持っていますが、縮む局面で参加者の構成を保ち、収支を合わせ、施設の更新を決めた経験はほとんどの人が持っていません。企業はいまその局面に入っていて、「伸ばす前提の計画しか作ったことがない」人ばかりです。
市内に希望する職種の求人が見当たりません
勤務地から探すのをやめてください。郡山市は交通の結節点にあり、担当エリアが福島県全域や東北という求人であれば、本社の近くに住む必要はありません。リモート可や週数日出社の求人も増えています。まず職種で絞り、そのあとに出社頻度と担当エリアを確認する。この順序に変えるだけで、見える求人が変わります。掲載中の求人を見てみることもできます。