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自治体別 / 中核市

寝屋川市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方

寝屋川市のラスパイレス指数93.3は、中核市62市のなかで最も低い数字です。

それでも地域手当は12%で、大阪府内7市のうち上から2番目のグループに入ります。

地域手当が高いのに、総額は府内で最も低い。この組み合わせが、比較の限界をいちばんはっきり示します。

寝屋川市の給与水準を、数字で確認する

総務省の調査によると、寝屋川市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。

項目寝屋川市
ラスパイレス指数93.3(中核市62市で最も低い)
平均年齢42.1歳
平均給料月額295,300円
諸手当月額89,916円
平均給与月額385,216円
平均給与月額(国ベース)363,498円
地域手当(国の指定基準)12%
地域手当(実際の支給割合)12%

大阪府内の中核市7市(地域手当の高い順)

市地域手当ラスパイレス指数平均年齢平均給料月額平均給与月額
高槻市15%96.442.3歳312,500円430,100円
豊中市12%99.743.2歳325,500円428,234円
吹田市12%100.141.7歳318,100円428,406円
寝屋川市12%93.342.1歳295,300円385,216円
枚方市10%98.143.8歳316,900円428,181円
八尾市10%97.844.4歳328,900円436,157円
東大阪市10%100.341.8歳314,400円417,479円

寝屋川市は地域手当12%で上から2番目のグループにいます。

それでも総額385,216円は、7市のなかで最も低い。次に低い東大阪市とは32,263円離れます。

地域手当10%の3市(枚方・八尾・東大阪)すべてを、下回っています。

年齢では説明できない

市平均年齢平均給料月額
枚方市43.8歳316,900円
高槻市42.3歳312,500円
寝屋川市42.1歳295,300円
東大阪市41.8歳314,400円
吹田市41.7歳318,100円

平均年齢42.1歳は、7市のなかで真ん中あたりです。

それでも給料月額295,300円は、7市で唯一の30万円割れ。年齢が0.4歳若い東大阪市より19,100円、0.3歳若い吹田市より22,800円下回ります。

年齢で説明できる幅ではありません。そしてラスパイレス指数93.3が、そのことを補正後の数字でも示しています。

中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、府内の数字は大阪府職員の転職に、地域手当が同率の市は豊中市職員の転職に整理しています。

中核市の職員は、保健所を持つ立場にある

地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。

とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。

「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。

市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか

市役所での仕事求人票での言い方
予算の要求・査定、財政計画予実管理、投資判断、経営企画
生活保護の決定・訪問・就労支援与信審査、債権管理、人材支援
収入・資産の調査と認定審査、内部統制、リスク管理
関係機関との連携と記録の管理業務設計、コンプライアンス
都市計画、区画整理、駅周辺の整備用地開発、開発企画、都市開発
食品衛生・医療の許認可と監視品質保証、薬事管理、規制対応
企業誘致・産業用地の整備事業開発、用地開発、アライアンス
上下水道など公営企業インフラ運営、事業運営
市有施設の設計・積算・監督発注者支援、施工管理
窓口・住民対応の業務設計カスタマーサポート、業務設計
内部管理(人事・財政・総務・会計)コーポレート、管理部門
議会対応、条例・規則の改正渉外、法務、規程整備

部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。

「保障」と「自立の助長」を同時に扱う実務

寝屋川市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。

生活保護法第1条は、この法律が、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とすると定めています。

注目してほしいのは、目的が2つ書かれていることです。

最低限度の生活を保障すること。そして自立を助長すること。

この2つは、同じ方向を向いていません。

制度は一つでも、当てはめる相手は一人ひとり違う。この間で判断するのが、実務の中心になります。

そして判断は記録に残り、後から検証されます。決定の理由、調査の内容、面談の記録。「なぜその判断をしたか」を、あとから第三者が読んで分かる形にしておく必要があります。

企業でも、まったく同じ構造の仕事があります。

与信審査、債権の管理、人事評価、労務の相談。基準はある。ところが目の前の相手は一人ひとり違う。そして判断は記録に残り、あとから見られます。

そして多くの企業で、この記録が育っていません。担当者は結論だけを書き、判断の理由を残しません。だから担当が変わった瞬間に、なぜそう決めたのかが分からなくなります。引き継ぎのたびに、一から調べ直すことになります。

求人票では、与信審査、債権管理、内部統制、人事企画、リスク管理といった名前で書かれています。

書くときのこつは、制度の名前を出さないことです。何件を扱ったか、判断が割れる場面で何を基準にしたか、記録に何を残すと決めたか、そして引き継いだ相手が同じ判断をできたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。

行政が相手の求人を見てみる

寝屋川で、どの経験が値になるか

1. 基準はあるが、当てはめる相手が一人ひとり違う判断をした経験

「基準どおり」では決まらない場面をどう処理したか。企業の与信審査と人事の実務でそのまま必要とされます。

2. 判断の理由を記録に残した経験

結論ではなく理由を残す。引き継いだ相手が同じ判断をできる記録を作った経験は、めったに持っている人がいません。

3. 断る判断をした経験

制度に当てはまらないと決めることも、実務です。その理由を説明した経験が値になります。

4. 密集した市街地での防災・環境の実務

道が狭く、建物が近い。条件の悪い場所で対策を組んだ経験は、都市部の改修や再開発で効きます。

5. 医療・保健の許認可と監視

食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。

府内・府外の求人を見るときに

寝屋川市は大阪市と京都方面の中間にあり、大阪市内の求人が日常的な選択肢に入ります。京阪沿線を担当エリアとする求人も多くあります。

判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。

まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。

自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。

職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか

制度名ではなく、判断したことを書く

「○○の窓口を担当」では読み手に何も残りません。判断が割れる場面で何を基準にし、記録に何を残すと決めたか。

個別の事情は書かない

扱った相手の事情は、書けません。書くのは、判断の基準と記録の作り方のほうです。この2つだけで、十分に実務が伝わります。

規模を必ず書く

市の人口、担当した件数、訪問の回数、処理にかかった期間。数字を添えないと規模が伝わりません。

技術職の場合は、探し方が変わる

発注者側の経験そのものが職種になる

「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。

資格が入口で効く

技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、社会福祉主事、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。

狭い道路に面した敷地での工事は、扱える人が限られる

資材の搬入、重機の据付、仮設の置き場、近隣との距離。普通のやり方が使えない条件で工程を組む経験は、都市部の改修工事で直接求められます。

面接で必ず詰められる2つのこと

「意思決定のスピードに耐えられるか」

行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。

「数字への意識があるか」

「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。窓口や審査に関わったなら、担当した件数、処理にかかった期間、判断が覆った割合で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。

在職中に進めるときの注意点

顔が知られている前提で動く

市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。

服務上の扱いを先に確かめる

在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。

面接の日程は、議会日程から逆算する

地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。

在職中に決める

公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。

LINEで短く聞くこともできます

まとめ

よくある質問

地域手当が府内で上から2番目なのに、総額が最も低いのはなぜですか

給料表の上での位置が低いためです。給料月額295,300円は府内7市で唯一の30万円割れで、ラスパイレス指数93.3も中核市62市で最も低い数字です。平均年齢42.1歳は7市の真ん中あたりなので、年齢では説明できません。地域手当が高くても、給料月額が低ければ総額は上がりません。

中核市で指数が最も低いことは、転職で不利になりますか

団体の指数は、求人票の想定年収とは関係しません。見られるのは自分の実額です。そして指数が低いということは、いま受け取っている額を基準にしたとき、上がる幅が出やすいということでもあります。団体の平均ではなく、複数年ぶんの源泉徴収票の支払金額を並べて、自分の数字で比べてください。

福祉の窓口の仕事は、民間の仕事とつながらないように思えます

分解すると、そうではありません。基準はあるが目の前の相手は一人ひとり違う、そのあいだで判断し、理由を記録に残し、あとから第三者が読んで分かる形にする。これは与信審査、債権管理、人事評価とまったく同じ構造です。企業では担当者が結論だけを書いて理由を残さないため、担当が変わると判断の根拠が分からなくなります。引き継いだ相手が同じ判断をできる記録を作れる人は、そう多くありません。

出典

  1. 令和6年 給与・定員等の調査結果等(ラスパイレス指数及び平均年齢・平均給与月額等・市区町村)|総務省
  2. 生活保護法 第1条(この法律の目的)|e-Gov法令検索
  3. 地方自治法 第252条の22(中核市の権能)/第211条(予算の調製及び議決)/第233条(決算)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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