自治体別 / 施行時特例市
太田市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
太田市の諸手当60,839円は、施行時特例市23市のなかで3番目に薄い数字です。総額に占める割合は15.5%。
しかもこの60,839円には、地域手当およそ9,981円が含まれています。
引き算すると、地域手当以外は約50,858円。総額の12.9%しかありません。
太田市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、太田市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 太田市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 99.3 |
| 平均年齢 | 43.4歳 |
| 平均給料月額 | 332,700円 |
| 諸手当月額 | 60,839円(施行時特例市23市で下から3番目) |
| 平均給与月額 | 393,539円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 377,059円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 3% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 3% |
諸手当から地域手当を引く
給料月額332,700円の3%は、およそ9,981円。
| 項目 | 金額 | 総額に占める割合 |
|---|---|---|
| 諸手当月額 | 60,839円 | 15.5% |
| うち地域手当(概算) | 約9,981円 | 2.5% |
| 地域手当以外 | 約50,858円 | 12.9% |
総額の87.1%が、給料表と地域手当で決まります。どちらも割合や表で決まっている部分です。
つまり、年ごとに動く部分が12.9%しかありません。
所沢市と並べる(総額がほぼ同じ)
| 項目 | 太田市 | 所沢市 | 差 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 99.3 | 101.5 | 2.2ポイント |
| 平均年齢 | 43.4歳 | 41.7歳 | 1.7歳 |
| 平均給料月額 | 332,700円 | 318,600円 | 14,100円 |
| 諸手当月額 | 60,839円 | 74,160円 | 13,321円 |
| 平均給与月額 | 393,539円 | 392,760円 | 779円 |
| 地域手当 | 3% | 6% | 3ポイント |
給料月額14,100円の差と、諸手当13,321円の差が、ほぼ打ち消し合います。残るのは779円だけです。
「年齢が高く給料表で積み上げる側」と「手当で埋める側」が、同じ総額に別の道筋で到達している形です。
県内の数字は群馬県職員の転職に、比較した市は伊勢崎市職員の転職と所沢市職員の転職に整理しています。
施行時特例市とは、どういう市か
特例市という制度は、2015年(平成27年)4月1日に廃止されました。
そのときに特例市だった市が、「施行時特例市」として、それまでと同じ事務を引き続き処理しています。太田市もその1つです。
中核市との違いは、はっきりしています。中核市は保健所を設置しますが、施行時特例市は設置しません。食品衛生や感染症対策は、都道府県の仕事として残ります。
一方で、施行時特例市が処理している事務も小さくありません。
- 都市計画法の開発許可
- 建築基準法の特定行政庁としての事務
- 騒音、振動、悪臭の規制
- 屋外広告物の規制
「建てる」「造る」「出す」に関わる許認可が中心です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 騒音・振動の規制と測定 | 環境管理、品質保証、規制対応 |
| 工場・建設工事への立入と指導 | 監査、安全管理 |
| 開発許可、建築確認の審査 | 規制対応、用地開発、品質保証 |
| 都市計画、工業用地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 企業誘致・産業団地の整備 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 自動車・部品産業の支援 | 技術営業、調達、事業開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「後に残らないものを、記録で扱う」実務
太田市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
騒音規制法第1条は、この法律が、工場及び事業場における事業活動並びに建設工事に伴つて発生する相当範囲にわたる騒音について必要な規制を行なうとともに、自動車騒音に係る許容限度を定めること等により、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的とすると定めています。
この規制の対象には、他の公害と決定的に違う点があります。
音は、後に残りません。
汚れた水は残ります。灰も積もります。ところが音は、鳴っている瞬間にしか存在しません。
だから実務は、こうなります。
- 苦情が来たときには、もう鳴っていない
- 測るには、鳴っている時間に行く必要がある
- 相手は、測りに来ると分かれば止める
- 何度も続いていることと、一度きりは区別できない
- そして、感じ方には個人差があります
「その瞬間にしか存在しないものを、記録で扱う」という仕事です。
企業でも、同じ構造の問題があります。
窓口や電話での対応、会議での発言、現場での指示、短時間で終わる作業ミス。後に形が残らないので、あとから確かめられません。そして「何度も続いている」のか「一度きり」なのかも、記録がなければ分かりません。
そして多くの企業で、ここが個人の記憶に頼っています。現場は日々の業務を回します。管理部門は報告を受けます。ところが「形の残らないものを、どう記録に残すか」を設計した人がいません。だから苦情が来たとき、事実を確かめる手段がありません。
求人票では、内部監査、品質保証、環境管理、業務設計、CS企画といった名前で書かれています。
書くときのこつは、事業場や制度の名前を出さないことです。形の残らないものを、どうやって測る仕組みにしたか、繰り返しかどうかをどう判断したか、感じ方の個人差をどう扱ったか、そして測れなかった場面では何をしたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
太田で、どの経験が値になるか
1. 形の残らないものを記録で扱った経験
測る時間、測る場所、測る条件を決めた経験は、企業の品質と監査でそのまま必要とされます。
2. 繰り返しかどうかを判断した経験
一度きりと、何度も続いていることは違います。この区別をつけた経験は、そう多くの人が持っていません。
3. 感じ方の個人差を扱った経験
基準は満たしているのに、納得は得られていない。この場面の処理は、企業の顧客対応と同じ構造です。
4. 企業城下町での実務
大きな事業所と市の関係を扱った経験は、渉外と用地開発に直結します。
5. 開発許可と建築確認の実務
審査する側にいた経験は、そのまま職種になります。
県内・県外の求人を見るときに
太田市は北関東の製造業の集積地にあり、群馬県内や北関東を担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○の規制事務を担当」では読み手に何も残りません。形の残らないものをどう測る仕組みにし、繰り返しかどうかをどう判断したか。
測れなかった場面を書く
行っても鳴っていなかった、ということが必ずあります。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、対象となる事業場の数、苦情の件数、測定の回数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、公害防止管理者、建築基準適合判定資格者。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
騒音と振動の測定は、そのまま職種になる
測定点の選び方、時間帯、暗騒音の扱い、対策の効果の確認。条件によって結果が変わるものを、条件ごと記録する技術は、経験者が多くありません。環境コンサルティングと製造業の環境管理部門の双方から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。規制や監視に関わったなら、対象となる事業場の数、苦情の件数、測定の回数、改善までの期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 太田市の一般行政職はラスパイレス指数99.3、平均給与月額393,539円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 諸手当60,839円は施行時特例市23市で下から3番目、総額の15.5%です
- そこから地域手当およそ9,981円を引くと、残りは約50,858円(総額の12.9%)
- 総額の87.1%が、給料表と地域手当という割合や表で決まる部分です
- 所沢市とは給料月額14,100円差と諸手当13,321円差が相殺して、総額779円差
- 形の残らないものを記録で扱った経験は、企業で設計されていません(騒音規制法1条)
よくある質問
諸手当から地域手当を引くと、何が分かりますか
年ごとに動く部分の大きさが分かります。太田市は諸手当が総額の15.5%で、そこから地域手当2.5%を引くと残りは12.9%。時間外、住居、扶養、管理職手当はこの範囲です。総額の87.1%は給料表と地域手当という、割合や表で決まっている部分。だから去年の支払金額が翌年もほぼそのままで、求人票の想定年収とそのまま並べて比べられます。
所沢市と総額がほぼ同じなのに、中身が違うのはなぜですか
年齢と諸手当が逆を向いているからです。太田市は平均年齢43.4歳で給料月額332,700円、所沢市は41.7歳で318,600円。14,100円の差を、所沢市が諸手当13,321円ぶんで押し返しています。結果、総額は779円差。「年齢が高く給料表で積み上げる側」と「手当で埋める側」が、同じ総額に別の道筋で到達しています。
苦情の対応で、行っても何も起きていないことが多かったです
音を扱う仕事では、それが普通です。苦情が来たときにはもう鳴っておらず、相手は測りに来ると分かれば止めます。仕事の中心は、その瞬間にしか存在しないものをどう記録に残すかでした。企業でも窓口対応や会議での発言は形が残らず、「形の残らないものをどう記録に残すか」を設計した人がいません。測る仕組み、繰り返しの判断、個人差の扱い、測れなかった場面の対応を書いてください。