自治体別 / 施行時特例市
所沢市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
所沢市のラスパイレス指数101.5は、施行時特例市23市のなかで3番目に高い数字です。
そして地域手当は6%。北関東の2市(太田市3%、伊勢崎市0%)と並べると、地域手当の順序と、地域手当以外の手当の順序が完全に逆になります。
地域手当が高い団体ほど、他の手当が薄い。3市で、その形がはっきり出ました。
所沢市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、所沢市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 所沢市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 101.5(施行時特例市23市で3番目) |
| 平均年齢 | 41.7歳 |
| 平均給料月額 | 318,600円 |
| 諸手当月額 | 74,160円 |
| 平均給与月額 | 392,760円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 360,604円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 6% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 6% |
3市を並べて、地域手当を引いてみる
| 項目 | 所沢市 | 太田市 | 伊勢崎市 |
|---|---|---|---|
| 地域手当 | 6% | 3% | 0% |
| 平均給料月額 | 318,600円 | 332,700円 | 324,000円 |
| 諸手当月額 | 74,160円 | 60,839円 | 61,144円 |
| うち地域手当(概算) | 約19,116円 | 約9,981円 | 0円 |
| 地域手当以外 | 約55,044円 | 約50,858円 | 61,144円 |
| 平均給与月額 | 392,760円 | 393,539円 | 385,144円 |
地域手当の順序は、所沢6% > 太田3% > 伊勢崎0%。
地域手当以外の手当の順序は、伊勢崎61,144円 > 所沢55,044円 > 太田50,858円。
先頭と最後が、入れ替わります。
太田市と並べると、総額は779円差
| 項目 | 所沢市 | 太田市 | 差 |
|---|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 101.5 | 99.3 | 2.2ポイント |
| 平均年齢 | 41.7歳 | 43.4歳 | 1.7歳 |
| 平均給料月額 | 318,600円 | 332,700円 | 14,100円 |
| 諸手当月額 | 74,160円 | 60,839円 | 13,321円 |
| 平均給与月額 | 392,760円 | 393,539円 | 779円 |
給料月額14,100円の差と、諸手当13,321円の差が、ほぼ打ち消し合います。
県内の数字は埼玉県職員の転職に、比較した市は太田市職員の転職と伊勢崎市職員の転職に整理しています。
施行時特例市とは、どういう市か
特例市という制度は、2015年(平成27年)4月1日に廃止されました。
そのときに特例市だった市が、「施行時特例市」として、それまでと同じ事務を引き続き処理しています。所沢市もその1つです。
中核市との違いは、はっきりしています。中核市は保健所を設置しますが、施行時特例市は設置しません。食品衛生や感染症対策は、都道府県の仕事として残ります。
一方で、施行時特例市が処理している事務も小さくありません。
- 都市計画法の開発許可
- 建築基準法の特定行政庁としての事務
- 騒音、振動、悪臭の規制
- 屋外広告物の規制
「建てる」「造る」「出す」に関わる許認可が中心です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 緑地の保全と土地利用の制限 | 用地開発、規制対応、渉外 |
| 開発許可、建築確認の審査 | 規制対応、用地開発、品質保証 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 騒音・振動・悪臭の規制 | 環境管理、規制対応 |
| 企業誘致・産業用地の整備 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 大規模施設の立地に関する調整 | 店舗開発、渉外 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「放っておけば市街地になる場所を、残す」実務
所沢市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
首都圏近郊緑地保全法第1条は、この法律が、首都圏の近郊整備地帯において良好な自然の環境を有する緑地を保全することが、首都及びその周辺の地域における現在及び将来の住民の健全な生活環境を確保するため、ひいては首都圏の秩序ある発展を図るために欠くことのできない条件であることにかんがみ、その保全に関し必要な事項を定めることにより、近郊整備地帯の無秩序な市街地化を防止するものだとしています。
注目してほしいのは「無秩序な市街地化を防止」という言葉です。
放っておけば、市街地になります。
都心に近く、道があり、電車が通っている。そういう場所の緑地は、何もしなければ宅地になります。そして一度なくなれば、二度と戻りません。
だから実務は、こうなります。
- 残すと決めた場所を、区域として指定する
- 指定すると、その土地の使い方に制限がかかる
- 土地の所有者は、市ではありません
- 制限を受ける側に、直接の利益はない
- そして、周りが開発されるほど、その土地の価値は上がります
「価値が上がるほど、残すのが難しくなる」という構造です。
企業でも、同じ構造があります。
短期の数字にならない研究、すぐ売上にならない顧客との関係、いますぐ使わない人材や設備の余力。どれも、削れば今期の数字はよくなります。そして削っても、しばらくは困りません。
そして多くの企業で、これが削られます。事業部門は今期の数字を見ます。財務は費用を見ます。ところが「いま削ると、何年後に何が起きるか」を言える人がいません。だから景気が悪くなるたびに削られ、必要になったときにはもうありません。
求人票では、経営企画、事業企画、人事企画、研究企画、PMOといった名前で書かれています。
書くときのこつは、区域や制度の名前を出さないことです。なぜ残すと判断したか、残す理由を何で説明したか、制限を受ける側に何を用意したか、そして残せなかった部分はどこか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
所沢で、どの経験が値になるか
1. 短期の利益にならないものを残した経験
削れば今期はよくなる。それでも残す。この判断と説明は、企業の経営企画でほとんど誰もできません。
2. 直接の利益がない相手に制限をかけた経験
土地の所有者は市ではありません。利益のない側に協力してもらった経験は、渉外でそのまま効きます。
3. 残せなかった部分を把握していた経験
全部は残せません。どこが残り、どこが失われたかを言えることが値になります。
4. 都心への通勤圏にある都市の実務
住む場所としての需要と、残す判断がぶつかる。この調整は、用地開発で直接効きます。
5. 開発許可と建築確認の実務
審査する側にいた経験は、そのまま職種になります。
県内・県外の求人を見るときに
所沢市は東京への通勤圏にあり、都内の求人が日常的な選択肢に入ります。埼玉県内や県西部を担当エリアとする求人も多くあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○区域の保全を担当」では読み手に何も残りません。なぜ残すと判断し、その理由を何で説明したか。
残せなかった部分を書く
全部は残せません。どこが失われ、なぜそうなったかを書けると、構造を見ていたことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、区域の面積、対象となる地権者の数、処理した件数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、建築基準適合判定資格者。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
審査する側の経験は、そのまま職種になる
開発許可、建築確認、完了検査。出す側ではなく見る側にいた経験は、設計事務所とデベロッパーの双方から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。区域の管理や許認可に関わったなら、区域の面積、地権者の数、処理した件数、処理にかかった期間で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 所沢市の一般行政職はラスパイレス指数101.5、平均給与月額392,760円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数101.5は施行時特例市23市で3番目に高い数字です
- 地域手当は所沢6% > 太田3% > 伊勢崎0%。地域手当以外は伊勢崎 > 所沢 > 太田で完全に逆です
- 太田市とは給料月額14,100円差と諸手当13,321円差が相殺して、総額779円差
- 諸手当は総額の18.9%。地域手当を除いた14.0%が条件で動く部分です
- 短期の利益にならないものを、それでも残した経験は、企業でほとんど誰もできません(首都圏近郊緑地保全法1条)
よくある質問
地域手当が高いほうが、他の手当も厚いのですか
逆になることがあります。所沢市6%、太田市3%、伊勢崎市0%の3市で地域手当を引いた残りを比べると、伊勢崎61,144円 > 所沢55,044円 > 太田50,858円。地域手当の順序と完全に逆です。地域手当は総額を決める要素の1つでしかなく、他の手当の厚さとは別に決まっています。
太田市と総額がほぼ同じなのに、中身が違うのはなぜですか
年齢と諸手当が逆を向いているからです。所沢市は平均年齢41.7歳で給料月額318,600円、太田市は43.4歳で332,700円。14,100円の差を、所沢市が諸手当13,321円ぶんで押し返して、総額は779円差になります。同じ総額に、別の道筋で到達している形です。
短期の成果にならない仕事ばかりでした
削れば今期はよくなるものを、それでも残す判断こそが値になります。企業でも短期の数字にならない研究や、すぐ売上にならない顧客との関係は、景気が悪くなるたびに削られます。「いま削ると、何年後に何が起きるか」を言える人がいないからです。なぜ残すと判断したか、その説明のしかた、制限を受ける側に用意したもの、残せなかった部分を書いてください。