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小山市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
小山市と北海道帯広市は、平均給料月額が307,500円と307,700円で200円差。平均年齢も40.4歳と40.6歳で0.2歳差です。
ところがラスパイレス指数は97.5と99.1で、1.6ポイント離れています。
指数1.6ポイントの差が、給料月額では200円にしかなりません。1ポイントあたり125円。この回で、その意味を詰めます。
小山市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、小山市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 小山市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 97.5 |
| 平均年齢 | 40.4歳 |
| 平均給料月額 | 307,500円 |
| 諸手当月額 | 70,903円 |
| 平均給与月額 | 378,403円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 340,339円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 3% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 3% |
諸手当は総額の18.7%を占めます。
帯広市と並べる
類似団体類型区分は違います。小山市がⅣ-2、帯広市がⅣ-1。それでも、年齢と給料月額がここまで近い組み合わせです。
| 項目 | 小山市 | 帯広市 | 差 |
|---|---|---|---|
| 平均年齢 | 40.4歳 | 40.6歳 | 0.2歳 |
| 平均給料月額 | 307,500円 | 307,700円 | 200円 |
| ラスパイレス指数 | 97.5 | 99.1 | 1.6ポイント |
| 地域手当(実支給) | 3% | 0% | 3ポイント |
| 諸手当月額 | 70,903円 | 71,923円 | 1,020円 |
| 地域手当以外(概算) | 61,678円 | 71,923円 | 10,245円 |
| 平均給与月額 | 378,403円 | 379,623円 | 1,220円 |
年齢が0.2歳しか違わないのに、指数は1.6ポイント離れ、給料月額は200円しか違いません。
指数1ポイントの重さは、団体によってまったく違います
この連載では、年齢が近い団体どうしで、指数の差が給料月額の差にどう出るかを何度か計算してきました。
| 比べた団体 | 年齢差 | 指数差 | 給料月額の差 | 1ポイントあたり |
|---|---|---|---|---|
| 上越市・富士市 | 0.4歳 | 2.8ポイント | 11,900円 | 約4,250円 |
| 大分市・宮崎市 | 0歳 | 3.5ポイント | 8,900円 | 約2,543円 |
| 小山市・帯広市 | 0.2歳 | 1.6ポイント | 200円 | 約125円 |
1ポイントあたり、4,250円のときも、2,543円のときも、125円のときもあります。
同じ1ポイントの重さが、34倍違います。
県内の数字は栃木県職員の転職に、年齢と給料月額が近い市は帯広市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
小山市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 就労相談、無料職業紹介の窓口 | 人材紹介、キャリア支援、採用支援 |
| 企業の誘致、立地の調整 | 事業開発、法人営業、拠点開発 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 工業団地の管理と分譲 | 用地開発、拠点開発、渉外 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「人に仕事を」と「産業に人を」を、同時に満たす実務
小山市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
職業安定法第1条は、この法律が、公共職業安定所その他の職業安定機関が職業紹介事業等を行うことなどにより、各人にその有する能力に適合する職業に就く機会を与え、及び産業に必要な労働力を充足し、職業の安定を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを目的とすると定めています。
注目してほしいのは、目的が2つ並んでいることです。
1つめは「各人にその有する能力に適合する職業に就く機会を与え」。働く人の側です。
2つめは「産業に必要な労働力を充足し」。採用する側です。
この2つは、同じ方向を向いているとは限りません。
人に合う仕事を優先すれば、企業の欠員は埋まりません。企業の欠員を優先すれば、その人に合わない仕事を勧めることになります。
それでも、法律は両方を目的に書いています。
実務は、次のような形になります。
- 相談に来た人の、できることと希望を聞く
- 企業から出ている求人の条件を確かめる
- 合うものがないとき、どちらを動かすかを考える
- 相手の企業に、条件を変えられないか相談する
- そして、合わないまま紹介はしない
「両側の事情を聞いて、合う組み合わせを探す」仕事です。
企業でも、同じ構造の場面が増えています。
社内の人材配置、営業と顧客のマッチング、購買と要求仕様のすり合わせ、加盟店と本部の条件調整。どれも、両側に別の事情があります。
そして多くの企業で、こうなります。担当はどちらか一方の側に立ちます。採用担当は現場の要求どおりの人を探し、営業は自社の商品を売り、購買は安いところを探す。両側の事情を聞いて、条件そのものを組み替える人がいません。
だから「条件に合う人がいない」「予算に合う商品がない」で止まります。
求人票では、人材紹介、キャリア支援、採用支援、法人営業、マッチングといった名前で書かれています。
書くときのこつは、個人や企業を特定できる形で書かないことです。両側の条件をどう聞き出したか、合わないときどちらを動かすと決めたか、条件を変えてもらうために何を示したか、そして紹介したあとどうなったかをどう確かめたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
小山で、どの経験が値になるか
1. 両側の事情を聞いた経験
どちらか一方の側に立たなかった経験は、企業でほとんど誰も持っていません。
2. 条件そのものを組み替えた経験
「合う人がいない」で止めなかった経験が値になります。
3. 紹介したあとを確かめた経験
つないで終わりにしなかった経験が強く読まれます。
4. 企業と直接やりとりした経験
誘致でも紹介でも、企業の事情を直接聞いてきた。法人営業の実務と同じ構造です。
県内・県外の求人を見るときに
小山市は栃木県の南部にあり、宇都宮市や都内を担当エリアとする求人が、通勤の範囲に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「就労支援を担当」では読み手に何も残りません。両側の条件をどう聞き出し、どちらを動かすと決めたか。
合わなかった場面を書く
条件が合わないことのほうが多い。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、相談の件数、紹介や就職の件数、関係した企業の数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、建築基準適合判定資格者、建築士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。就労支援や誘致に関わったなら、相談の件数、就職の件数、誘致した企業の数、予算の執行率で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 小山市の一般行政職はラスパイレス指数97.5、平均給与月額378,403円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 帯広市とは平均年齢0.2歳差、給料月額200円差。それでも指数は1.6ポイント離れています
- 指数1ポイントあたりの金額は、上越市・富士市で約4,250円、大分市・宮崎市で約2,543円、この2市で約125円。34倍の開きがあります
- 指数は学歴構成も揃えた数字で、その比率は調査の表からは読み取れません。金額への換算はできません
- 人によって違う部分は61,678円(総額の16.3%)。地域手当が3%と小さいので、年ごとに動くのもほぼここだけです
- 「両側の事情を聞いて、合う組み合わせを探す」経験は、企業でほとんど誰も持っていません(職業安定法1条)
よくある質問
指数が1.6ポイント低いのに、給料月額が200円しか違わないのはなぜですか
指数は学歴と経験年数を揃えた数字で、学歴構成の違いも反映するからです。年齢が近くても、大学卒と高校卒の比率が違えば指数は動きます。そしてその比率は、この調査の表からは読み取れません。だから「指数が◯ポイント高いから給料も◯円高い」という換算はできません。
ラスパイレス指数97.5は、水準が低いということですか
学歴と経験年数を揃えて国と比べた指数が、国よりやや低いということです。ただしあなたの給料表の位置を示すものではありません。小山市の給料月額307,500円は、指数が1.6ポイント高い帯広市と200円しか違いません。
諸手当18.7%のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当3%ぶんのおよそ9,225円を除いた、61,678円の部分です。総額に占める割合でいうと16.3%。年ごとに動くのもほぼここだけなので、去年の源泉徴収票の支払金額が翌年もほぼそのまま使えます。