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上尾市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
上尾市のラスパイレス指数101.3は、類似団体類型区分が同じ35団体のなかで4番目に高い数字です。
ところが平均給与月額406,881円は、25番目です。
指数が上位6番目までの団体を並べると、総額の順位は6番から31番までばらばらに散ります。この回で、その意味を詰めます。
上尾市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、上尾市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 上尾市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 101.3(35団体で4番目に高い) |
| 平均年齢 | 41.6歳 |
| 平均給料月額 | 318,200円(35団体で22番目) |
| 諸手当月額 | 88,681円 |
| 平均給与月額 | 406,881円(35団体で25番目) |
| 平均給与月額(国ベース) | 362,293円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 6% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 6% |
諸手当は総額の21.8%を占めます。
指数の上位6団体と、その総額の順位
上尾市の類似団体類型区分(人口と産業構造による区分)はⅣ-3。全国に35団体あります。指数の高い順に6団体を並べ、総額の順位を添えました。
| 市 | ラスパイレス指数 | 平均年齢 | 平均給料月額 | 地域手当 | 平均給与月額 | 総額の順位 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 八千代市 | 102.8 | 40.5歳 | 321,600円 | 10% | 418,882円 | 21番 |
| 流山市 | 102.4 | 38.5歳 | 307,800円 | 6% | 397,403円 | 31番 |
| 浦安市 | 101.7 | 43.4歳 | 324,800円 | 12% | 445,554円 | 6番 |
| 上尾市 | 101.3 | 41.6歳 | 318,200円 | 6% | 406,881円 | 25番 |
| 秦野市 | 101.1 | 40.5歳 | 317,800円 | 6% | 417,799円 | 22番 |
| 市川市 | 101.1 | 42.8歳 | 324,200円 | 10% | 439,662円 | 9番 |
指数で上から6番目までの団体が、総額では6番、9番、21番、22番、25番、31番に散ります。
35団体のうち、上位10番以内に入るのは2団体だけです。
指数が下がるとどうなるか
同じ35団体で、総額が最も高いのは三鷹市(462,355円)ですが、その指数は99.2で、35団体のなかでは中位です。
総額が最も低い釧路市(362,149円)の指数は98.9で、三鷹市とほとんど変わりません。
指数が0.3ポイントしか違わない2団体で、総額は100,206円違う。
県内の数字は埼玉県職員の転職に、同じ区分の市は市川市職員の転職と市原市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
上尾市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 許認可の審査基準づくり、標準処理期間 | 業務設計、品質保証、内部統制 |
| 申請の受付・審査・処分 | 審査業務、与信、査定 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 公共施設の再編、統廃合の調整 | 拠点再編、固定費削減 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「基準を作って、外に出す」実務
上尾市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
行政手続法第1条は、この法律が、処分、行政指導及び届出に関する手続並びに命令等を定める手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とすると定めています。
そして条文のなかで、透明性を「行政上の意思決定について、その内容及び過程が国民にとって明らかであること」と、わざわざ定義しています。
核心は第5条です。
- 行政庁は、審査基準を定めるものとする。
- 審査基準を定めるにあたっては、許認可等の性質に照らして、できる限り具体的なものとしなければならない。
- 行政上特別の支障があるときを除き、申請の提出先とされている機関の事務所への備付けその他の適当な方法により、審査基準を公にしておかなければならない。
「定める」だけでは足りません。「できる限り具体的に」で、しかも「公にしておく」。
申請する側が、出す前に基準を読める。これがこの条文の意味です。
実務は、次のような形になります。
- 過去の判断を集めて、基準の形にする
- 「総合的に判断する」で逃げない
- 基準を公にすると、そのとおりに判断せざるを得なくなる
- 基準に当てはまらない良い案件が出てくる
- そのときは、基準のほうを直す
「自分の裁量を、自分で縛る」仕事です。
企業でも、同じ構造の場面が増えています。
与信の審査、経費の承認、値引きの決裁、採用の合否、社内の申請。基準はたいてい、あります。ところが社内文書のどこかにあるだけで、申請する側は見られません。
そして多くの企業で、こうなります。基準が外に出ていないので、申請する側は「通る書き方」を人づてに学びます。承認する側も、基準に縛られないので判断が揺れます。結果として、同じ内容でも担当者と時期によって結論が変わり、あとから説明できません。
基準を公にするというのは、承認する側が自分の自由を手放すことです。だから、多くの組織ではやりません。それを法律で義務づけられた環境で日常的にやってきたことは、それ自体が職務能力です。
求人票では、業務設計、内部統制、品質保証、審査業務、コンプライアンスといった名前で書かれています。
書くときのこつは、個別の申請や事業者を書かないことです。過去の判断をどう集めて基準にしたか、「総合的に判断する」を避けるためにどこまで具体化したか、公にしたあと何が変わったか、そして基準に合わない案件が出たとき基準をどう直したか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
上尾で、どの経験が値になるか
1. 自分の裁量を基準にして手放した経験
基準を公にする。これができる人は、企業にほとんどいません。
2. 「総合的に判断」を避けて具体化した経験
どこまで具体的に書けるか。この作業は、審査基準づくりそのものです。
3. 基準に合わない案件を扱った経験
例外で通すのではなく、基準を直す。この順番が強く読まれます。
4. 処理期間を決めて守った経験
いつまでに返すかを約束する。サービス水準の設計と同じ構造です。
県内・県外の求人を見るときに
上尾市は埼玉県の中央部にあり、さいたま市や都内を担当エリアとする求人が、通勤の範囲に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「許認可の審査を担当」では読み手に何も残りません。基準をどこまで具体化し、公にしたあと何が変わったか。
基準を直した場面を書く
基準は必ず現実と合わなくなります。直した話があると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、年間の申請件数、標準処理期間、不許可や補正の件数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、建築基準適合判定資格者、建築士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。審査や許認可に関わったなら、年間の申請件数、標準処理期間、補正の件数、予算の執行率で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 上尾市の一般行政職はラスパイレス指数101.3、平均給与月額406,881円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数は同じ区分の35団体で4番目に高い数字です。ところが総額は25番目です
- 指数で上から6番目までの団体の総額順位は、6番・9番・21番・22番・25番・31番に散ります
- 総額1位の三鷹市(指数99.2)と最下位の釧路市(指数98.9)は、指数が0.3ポイントしか違いません
- 上尾市は地域手当6%。人ごとに違う部分は69,589円(総額の17.1%)で、年ごとに動くのもここだけです
- 「基準を作って、外に出す」経験は、企業でほとんど誰もしていません(行政手続法1条・5条)
よくある質問
指数が4番目なのに、総額が25番目なのはなぜですか
指数は給料表の高さを国と比べた数字で、総額はそこに地域手当と各種手当を積み上げた実額だからです。上尾市は地域手当6%で、諸手当も総額の21.8%。給料表の高さは上位で、そこに乗る部分が薄いという形になります。総額1位の三鷹市と最下位の釧路市の指数が0.3ポイントしか違わないのも、同じ理由です。
ラスパイレス指数は、転職で意味がありますか
あなたの学歴と経験年数で計算された数字ではありません。団体の職員全体について、学歴と経験年数を揃えて国と比べた指数です。転職の場面で相手が見るのは、あなたの実額です。指数も団体の平均も、そこを説明しません。
諸手当21.8%のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当6%ぶんのおよそ19,092円を除いた、69,589円の部分です。総額に占める割合でいうと17.1%。時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で人ごとに違います。年ごとに動くのもここだけなので、去年の支払金額が翌年もほぼそのまま使えます。