自治体別 / 中核市
佐世保市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
佐世保市の諸手当52,260円は、中核市62市のなかで3番目に薄い数字です。総額に占める割合は13.6%。
つまり総額の86.4%が、給料表で決まります。
一方、給料月額332,800円は62市で11番目に高い。この2つの組み合わせが、比較のしかたを決めます。
佐世保市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、佐世保市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 佐世保市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 98.5 |
| 平均年齢 | 43.6歳 |
| 平均給料月額 | 332,800円(中核市62市で11番目) |
| 諸手当月額 | 52,260円(中核市62市で下から3番目) |
| 平均給与月額 | 385,060円 |
| 平均給与月額(国ベース) | 365,322円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 0% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 0% |
諸手当が最も薄い中核市
| 市 | 諸手当月額 | 平均給料月額 | 平均給与月額 | 諸手当の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 八戸市 | 49,341円 | 309,400円 | 358,741円 | 13.8% |
| 那覇市 | 50,851円 | 303,100円 | 353,951円 | 14.4% |
| 佐世保市 | 52,260円 | 332,800円 | 385,060円 | 13.6% |
3市のなかで、佐世保市の給料月額がいちばん高い。そして諸手当の割合13.6%は、この3市でも最も低い数字です。
「総額の86.4%が給料表で決まる」ということ
諸手当には、地域手当、時間外、住居、扶養、管理職手当などが入ります。このうち地域手当は割合が決まっていますが、残りは担当業務と家族構成と役職で変わります。
佐世保市は地域手当が0%で、諸手当そのものも総額の13.6%。
つまり年ごとに動く部分が、ほとんどありません。
去年の源泉徴収票の支払金額が、翌年もほぼそのままです。
中核市62市の分布は旭川市職員の転職に、県内の数字は長崎県職員の転職に、県内の中核市は長崎市職員の転職に整理しています。
中核市の職員は、保健所を持つ立場にある
地方自治法第252条の22は、中核市が、指定都市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる、と定めています。
とくに大きいのが、保健所を設置する立場にあることです。食品衛生、医療分野の許認可、感染症対策、動物愛護。これらは一般の市では都道府県の仕事ですが、中核市では市の仕事になります。
「市役所の仕事」と書かず、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。詳しくは旭川市職員の転職で整理しています。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 宿泊施設の許可と衛生の監視 | 品質保証、規制対応、監査 |
| 観光の受入と事業者との調整 | 観光事業企画、パートナー管理 |
| 造船・機械など地場産業の支援 | 技術営業、調達、事業開発 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 食品衛生・医療の許認可と監視 | 品質保証、薬事管理、規制対応 |
| 企業誘致・産業用地の整備 | 事業開発、用地開発、アライアンス |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「人が寝る場所」を一軒ずつ見る実務
佐世保市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
旅館業法第1条は、この法律が、旅館業の業務の適正な運営を確保すること等により、旅館業の健全な発達を図るとともに、旅館業の分野における利用者の需要の高度化及び多様化に対応したサービスの提供を促進し、もって公衆衛生及び国民生活の向上に寄与することを目的とすると定めています。
注目してほしいのは、規制と促進が並んでいることです。
適正な運営を確保しながら、多様なサービスの提供も促す。取り締まるだけの法律ではありません。
そして実務は、一軒ずつ見ることになります。
- 構造、設備、換気、給排水を確認する
- 営業が始まったあとも、状態は変わる
- 新しい形態の宿泊施設が次々に出てくる
- 既存の枠に当てはまらないものをどう扱うか決める
- そして、近隣との関係が問題になる施設がある
「人が寝る場所」だから、基準を下げられません。同時に新しい形を全部止めれば、その地域の受け入れは増えません。
企業でも、まったく同じ構造があります。
加盟店の審査、出店の可否、新しい販売形態の承認、外部パートナーの受け入れ。基準を守らせながら、新しい形も受け入れる。
そして多くの企業で、ここが二択になります。「前例がないから不可」か、「取りあえず通す」か。ところが「既存の基準の、どの趣旨を満たせば認めてよいか」を考え直した人がいません。だから新しい形が出るたびに、現場が止まります。
求人票では、審査企画、品質保証、規制対応、パートナー管理、事業企画といった名前で書かれています。
書くときのこつは、施設や制度の名前を出さないことです。既存の枠に当てはまらないものが来たとき、基準のどの趣旨で判断したか、認めた場合に何を条件にしたか、認めなかった場合の理由をどう示したか、そして判断の積み重ねを次にどう引き継いだか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
佐世保で、どの経験が値になるか
1. 前例がないものを判断した経験
「不可」でも「取りあえず通す」でもなく、基準の趣旨に戻って判断する。この考え方は、企業の審査部門でほとんど育っていません。
2. 判断を次に引き継いだ経験
一件ごとの判断が、記録として残っているか。引き継いだ相手が同じ判断をできる形にした経験は、そう多くの人が持っていません。
3. 営業を続けている施設を見る実務
許可の時点と、いまの状態は違います。継続的に見る目は、ベンダー管理と同じ構造です。
4. 造船・機械の集積を支えた実務
事業所の実力を外から判断した経験は、調達や金融でそのまま必要とされます。
5. 医療・保健の許認可と監視
食品衛生、医療、環境。県レベルの権限を伴う事務を担っていることは、書けば伝わります。
県内・県外の求人を見るときに
佐世保市は長崎県北部の中心にあり、県北や福岡県西部を担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
判断の誤りは、通勤時間だけで線引きしてしまうことです。近年はリモート可、週数日出社といった勤務形態の求人が増えています。移動に時間がかかる地域ほど、リモート可の求人は選択肢として大きくなります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、この種の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「○○の許可事務を担当」では読み手に何も残りません。前例がないものをどの趣旨で判断し、何を条件にしたか。
認めなかった事例を書く
認めた話だけでは、手続きをした記録に読めます。認めなかった判断とその理由のほうが、基準を持っていた証明になります。
規模を必ず書く
市の人口、施設の数、処理した件数、監視の回数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、食品衛生監視員。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
宿泊施設の設備審査は、扱える人が限られる
換気、給排水、避難、区画。多数の人が寝る建物の基準を設備の仕様に落とす仕事は、建築側からも衛生側からも手が届きにくく、経験者が不足しています。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。許認可や監視に関わったなら、施設の数、処理した件数、処理にかかった期間、指摘の件数で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 佐世保市の一般行政職はラスパイレス指数98.5、平均給与月額385,060円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 諸手当52,260円は中核市62市で下から3番目、総額の13.6%です
- 一方、給料月額332,800円は62市で11番目に高い数字です
- 総額の86.4%が給料表で決まるので、去年の支払金額が翌年もほぼそのままです
- 求人票の想定年収と、そのまま並べて比べられます
- 前例がないものを基準の趣旨に戻って判断した経験は、企業の審査部門で育っていません(旅館業法1条)
よくある質問
諸手当が中核市で3番目に薄いことは、不利になりますか
比較の基準としては、いちばん使いやすい位置です。諸手当は総額の13.6%で、しかも地域手当0%なので、割合が決まっている部分すらありません。年ごとに動く部分がほとんどないので、去年の源泉徴収票の支払金額が翌年もほぼそのままです。求人票の想定年収と、そのまま並べて比べられます。
給料月額は高いのに、総額が上位でないのはなぜですか
諸手当です。給料月額332,800円は中核市62市で11番目ですが、諸手当52,260円は下から3番目。総額385,060円は、給料月額の順位ほど上には出ません。地域手当も0%です。給料表の上での位置と、総額の位置は一致しません。
前例がない案件ばかりで、判断に迷ってきました
その迷いこそが、企業の審査部門で育っていない部分です。加盟店の審査も出店の可否も、「前例がないから不可」か「取りあえず通す」の二択になりがちです。「既存の基準の、どの趣旨を満たせば認めてよいか」を考え直した経験を、基準の趣旨、認めた場合の条件、認めなかった場合の理由、次への引き継ぎ方の4つで書いてください。