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八代市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
八代市と鶴岡市は、同じ類似団体類型区分で、どちらも地域手当0%。平均年齢は43.8歳と43.9歳で、0.1歳しか違いません。
条件が、ほぼ完全に揃っています。
違うのはラスパイレス指数だけ。96.2と100.3で、4.1ポイント差です。
そして平均給料月額は14,400円離れます。
八代市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、八代市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 八代市 | 67団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 96.2 | 47番目 |
| 平均年齢 | 43.8歳 | 9番目(高い側) |
| 平均給料月額 | 322,500円 | 12番目 |
| 諸手当月額 | 55,227円 | 22番目 |
| 平均給与月額 | 377,727円 | 11番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 345,870円 | 15番目 |
| 地域手当以外 | 55,227円 | 21番目 |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも0%です。だから諸手当55,227円のすべてが人ごとに違う部分になります。総額の14.6%です。
指数47番目から、給料月額12番目へ
35ランク上がります。
理由は年齢です。平均年齢43.8歳は67団体で9番目に高い。指数は職員の学歴と経験年数の構成を国と同じに揃えて計算するので、年齢構成の違いが消えます。実額は消えません。
そして、総額も11番目。
この連載では、指数が上がっても総額で落ちる市を何度も扱いました。八代市は落ちません。
地域手当0%の団体が多い区分なので、地域手当で押し戻される相手が少ないからです。この67団体のうち、地域手当があるのは3団体だけです。
鶴岡市と並べると、指数だけが残ります
| 項目 | 八代市 | 鶴岡市 | 差 |
|---|---|---|---|
| 類似団体類型区分 | 同じ | 同じ | — |
| 地域手当 | 0% | 0% | — |
| 平均年齢 | 43.8歳 | 43.9歳 | 0.1歳 |
| ラスパイレス指数 | 96.2 | 100.3 | 鶴岡が4.1ポイント上 |
| 平均給料月額 | 322,500円 | 336,900円 | 鶴岡が14,400円上 |
| 諸手当月額 | 55,227円 | 53,664円 | 八代が1,563円上 |
| 平均給与月額 | 377,727円 | 390,564円 | 鶴岡が12,837円上 |
区分も、地域手当も、年齢もほぼ同じ。
残った差は、指数の4.1ポイントだけです。
それが給料月額14,400円。1ポイントあたり、およそ3,512円になります。
そして諸手当では八代市が1,563円上回るので、総額の差は12,837円まで縮みます。
県内の数字は熊本県職員の転職に、同じ県の市は熊本市職員の転職に、比較した市は鶴岡市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
八代市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
同じ区分の67団体のうち、市は10だけです。残る57は町と村で、この義務を負っていません。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 病害虫の監視・防除の指導 | 品質保証、規制対応、生産管理 |
| 企業との立地・操業に関する調整 | 渉外、事業開発、法人営業 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 港湾・工業用地の管理 | 資産管理、用地管理 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「入る前に止める、入ったら広げない」実務
八代市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
植物防疫法第1条は、この法律が、輸出入植物及び国内植物を検疫し、並びに植物に有害な動植物の発生を予防し、これを駆除し、及びそのまん延を防止し、もつて農業生産の安全及び助長を図ることを目的とすると定めています。
3つの段階が並んでいます。
発生を予防する。駆除する。まん延を防止する。
この順に、かかる費用が変わります。
予防は、いちばん安い。
駆除は、見つけてから動くので高い。
まん延の防止は、広がった範囲ぜんぶが対象になるので、いちばん高い。
そして、予防は成果が見えません。何も起きないからです。
実務は、次のような形になります。
- 入る前に止めるのが、いちばん安い
- ところが、止めた効果は数字にならない
- 入ってから駆除すると、費用も手間も跳ね上がる
- 跳ね上がった費用は、数字になる
- そして、予算がつくのは後者のほうです
企業でも、まったく同じことが起きています。
不良品の流出、情報の持ち出し、不正な取引、システムへの侵入。どれも「入る前」「見つけたとき」「広がったあと」で費用が桁違いです。
そして多くの企業で、こうなります。広がったあとの対応には、いくらでも人が出ます。
入る前に止める仕組みには、人が出ません。
何も起きていないからです。
そして、入る前の工程を薄くすると、しばらくは何も起きません。
何年か経ってから、まとめて起きます。
そのときには、予防の担当を減らした判断をした人は、もういません。
求人票では、品質保証、リスク管理、内部統制、生産管理、情報管理といった名前で書かれています。
書くときのこつは、未然に防いだと書かないことです。どこから入ると想定したか、入る前の工程に何を置いたか、入ったときに広がりを止める手を何にしたか、そして予防の工程を残すためにどう説明したか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
八代で、どの経験が値になるか
1. 入口を特定した経験
どこから入るかを想定する。これができる人は、企業にほとんどいません。
2. 予防の工程を守った経験
成果が見えないものに、人と予算を残した経験は、強く読まれます。
3. 広がりを止めた経験
入ってしまったあと、範囲を限定した経験は、そのままリスク管理で効きます。
4. 費用の桁の違いを示した経験
予防と駆除とまん延防止で、いくら違うかを数字にした経験が値になります。
県内・県外の求人を見るときに
八代市は熊本県の南部にあり、熊本市と鹿児島方面の両方に出やすい位置です。県内全域を担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「農業振興を担当」では読み手に何も残りません。どこから入ると想定し、入る前の工程に何を置いたか。
止められなかった話を書く
入ってしまうことがあります。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、対象の面積、生産者の数、防除の回数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
干拓地と大河川を見てきた技術者は、扱える人が限られる
排水機場、堤防、河口の堆積、低い土地の排水。水がたまる土地を扱ってきた経験は、建設コンサルタントや防災関連の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。農業や港湾に関わったなら、対象の面積、生産者の数、事業費、扱った量で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 八代市の一般行政職はラスパイレス指数96.2、平均給与月額377,727円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数47番目から給料月額12番目へ35ランク上がり、総額も11番目です
- 上げているのは平均年齢43.8歳(9番目に高い)。この区分は67団体のうち地域手当があるのが3団体だけで、押し戻してくる相手が少ない
- 鶴岡市とは、区分も地域手当も年齢もほぼ同じ。残った差は指数の4.1ポイントだけです
- それが給料月額14,400円。1ポイントあたりおよそ3,512円になります
- 地域手当0%なので、諸手当55,227円(総額の14.6%)のすべてが人ごとに違う部分
よくある質問
指数47番目なのに給料月額12番目なのはなぜですか
平均年齢43.8歳が67団体で9番目に高いからです。指数は職員の学歴と経験年数の構成を国と同じに揃えて計算するので年齢構成の違いが消えますが、平均給料月額は在職者の実額なので消えません。
給料月額12番目のまま総額11番目なのはなぜですか
この区分では、地域手当があるのが67団体のうち3団体だけだからです。押し戻してくる相手が少ないので、年齢で上がったぶんがそのまま残ります。
諸手当55,227円のうち、自分に関係するのはどこですか
全部です。地域手当が0%なので、時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は14.6%です。