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鶴岡市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
この連載では、ラスパイレス指数を金額に換算することはできないと書いてきました。
ただし、条件がひとつ揃うと、換算できるようになります。
年齢です。
鶴岡市が属する区分で、平均年齢が43.5歳から44.0歳のあいだにある7団体を並べると、指数の順と平均給料月額の順が、ほぼそのまま重なります。
鶴岡市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、鶴岡市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 鶴岡市 | 67団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 100.3 | 3番目 |
| 平均年齢 | 43.9歳 | 8番目(高い側) |
| 平均給料月額 | 336,900円 | 2番目 |
| 諸手当月額 | 53,664円 | 24番目 |
| 平均給与月額 | 390,564円 | 6番目 |
| 平均給与月額(国ベース) | 355,564円 | 6番目 |
| 地域手当以外 | 53,664円 | 23番目 |
地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも0%です。だから諸手当53,664円のすべてが人ごとに違う部分になります。総額の13.7%です。
年齢を0.5歳の幅に揃えると、順番が重なります
この67団体のうち、平均年齢が43.5歳から44.0歳のあいだにある団体は7つです。
| 団体 | 指数 | 年齢 | 平均給料月額 |
|---|---|---|---|
| 鶴岡市(山形県) | 100.3 | 43.9歳 | 336,900円 |
| 深谷市(埼玉県) | 97.5 | 43.8歳 | 335,100円 |
| 一関市(岩手県) | 97.4 | 44.0歳 | 330,500円 |
| 八代市(熊本県) | 96.2 | 43.8歳 | 322,500円 |
| 六戸町(青森県) | 95.6 | 43.8歳 | 327,400円 |
| 美咲町(岡山県) | 95.5 | 43.5歳 | 318,200円 |
| 山元町(宮城県) | 92.6 | 43.6歳 | 305,200円 |
指数の順に並べると、給料月額の順もほぼそのまま並びます。
入れ替わるのは、八代市と六戸町の1組だけ。残りは順番どおりです。
指数の幅は7.7ポイント、給料月額の幅は31,700円。
1ポイントあたり、およそ4,117円になります。
「換算できない」の意味が、はっきりします
この連載では、指数1ポイントの重さが団体の組み合わせによって125円から4,250円まで動くことを見てきました。逆を向く組み合わせもありました。
それは、年齢構成が混ざっていたからです。
指数は、職員の学歴と経験年数の構成を国と同じに揃えて計算します。だから指数からは年齢の影響が消えています。
ところが平均給料月額は、実際にいる人の平均です。年齢の影響が残っています。
片方に入っていて、もう片方に入っていないものがある。だから、2つの数字はそのままでは比べられません。
年齢を揃えれば、その違いが消えます。
すると、指数の差はそのまま給料月額の差になります。
県内の数字は山形県職員の転職に、同じ県の市は山形市職員の転職に、同じ区分の市は深谷市職員の転職と八代市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
鶴岡市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
同じ区分の67団体のうち、市は10だけです。残る57は町と村で、この義務を負っていません。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 農林水産物の加工・販売の支援 | 商品企画、販路開拓、事業開発 |
| 企業との立地・操業に関する調整 | 渉外、事業開発、法人営業 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 大学・研究機関との連携 | 事業開発、技術企画、アライアンス |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「作る人が、売るところまでやる」実務
鶴岡市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律第1条は、この法律が、農林水産物等及び農山漁村に存在する土地、水その他の資源を有効に活用した農林漁業者等による事業の多角化及び高度化、新たな事業の創出等に関する施策などを推進することを目的とすると定めています。
「農林漁業者等による事業の多角化及び高度化」。
作る人が、加工も販売もやる、という話です。
なぜ、わざわざ法律で後押しするのか。
作るだけでは、値段を決められないからです。
出荷した先で値段が決まり、いくらで売れたかはあとで分かる。
どれだけ手をかけても、それが値段に反映される道がありません。
だから、売るところまで自分でやる。
そうすると、こんどは別の仕事が全部乗ってきます。
実務は、次のような形になります。
- 作る技術と、売る技術は別
- 加工には設備が要り、販売には人手が要る
- どちらも、作る時間を削って捻出する
- そして、作るほうが手薄になります
- 多角化は、足し算ではなく引き算を伴います
企業でも、同じ形の問題があります。
製造業の直販、受託から自社製品へ、下請けから元請けへ、開発会社のサービス化。どれも「川下に出る」話です。
そして多くの企業で、こうなります。利益率が高いのは川下だと分かっています。
だから、出ようとします。
ところが、川下には別の能力が要ります。
価格を決める、在庫を持つ、顧客の声を受ける、返品に対応する。
どれも、これまでやってこなかった仕事です。
そして、既存の人員でやろうとします。
結果として、本業のほうが薄くなります。
「出るかどうか」より「何を手放すか」のほうが、難しい判断です。
求人票では、事業開発、商品企画、販路開拓、経営企画といった名前で書かれています。
書くときのこつは、支援したと書かないことです。川下に出る前に何が足りないと見たか、その能力をどう用意させたか、本業から何を手放す必要があると伝えたか、そして出たあと本業が保てたかをどう確かめたか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
鶴岡で、どの経験が値になるか
1. 足りない能力を先に特定した経験
やる気ではなく、何ができないかを見る。これができる人は、企業にほとんどいません。
2. 手放すものを伝えた経験
足すだけでは回らない、と言えた経験は、強く読まれます。
3. 出たあとの本業を見た経験
多角化したあとに、元の事業がどうなったかを見た経験は、めったにありません。
4. 出ないほうがよいと判断した経験
止めた経験も、同じ重さで読まれます。
県内・県外の求人を見るときに
鶴岡市は山形県の庄内地方にあり、新潟方面にも出やすい位置です。日本海側全域を担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「六次産業化を担当」では読み手に何も残りません。何が足りないと見て、その能力をどう用意させたか。
続かなかった話を書く
始めても続かないことがあります。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、対象の事業者数、案件の件数、関わった年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
雪と広い市域を見てきた技術者は、扱える人が限られる
除雪、凍結、山間の集落、長い路線。冬に条件が変わる区域を維持してきた経験は、建設コンサルタントや設備関連の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。産業振興に関わったなら、対象の事業者数、案件の件数、予算の規模、関わった年数で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 鶴岡市の一般行政職はラスパイレス指数100.3、平均給与月額390,564円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 指数3番目、給料月額2番目、総額6番目。同じ区分の67団体のなかでは上位です
- 平均年齢43.5歳から44.0歳の7団体を並べると、指数の順と給料月額の順が1組を除いて重なります
- 指数の幅7.7ポイントに対して給料月額の幅31,700円。1ポイントあたりおよそ4,117円
- この連載で1ポイントの重さが125円から4,250円まで動いたのは、年齢構成が混ざっていたからです
- 地域手当0%なので、諸手当53,664円(総額の13.7%)のすべてが人ごとに違う部分
よくある質問
指数は金額に換算できないと書いてきたのではないですか
年齢構成が混ざっているときは、換算できません。年齢を0.5歳の幅に揃えると、指数の順と給料月額の順がほぼ重なり、1ポイントあたりおよそ4,117円で換算できるようになります。
指数3番目・給料月額2番目なのに、総額が6番目なのはなぜですか
諸手当が24番目と薄いからです。地域手当が0%なので、諸手当=地域手当以外。給料表で稼いで、外側が薄い形になります。
諸手当53,664円のうち、自分に関係するのはどこですか
全部です。地域手当が0%なので、時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は13.7%です。