自治体別 / 施行時特例市
四日市市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
四日市市の諸手当月額125,564円は、施行時特例市23市のなかで2番目に厚い数字です。
ところが平均給料月額314,700円は、23市のなかで16番目です。
そして地域手当10%ぶんを引いた残りは約94,094円で、これは23市で最も厚い数字になります。この回で、23市の手当から地域手当を引いた分布をまとめます。
四日市市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、四日市市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 四日市市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 101.6(施行時特例市23市で2番目に高い) |
| 平均年齢 | 40.5歳(23市で4番目に若い) |
| 平均給料月額 | 314,700円(23市で16番目) |
| 諸手当月額 | 125,564円(23市で2番目に厚い) |
| 平均給与月額 | 440,264円(23市で3番目に高い) |
| 平均給与月額(国ベース) | 375,910円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 10% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 10% |
諸手当は総額の28.5%を占めます。
給料月額が23市で16番目なのに、総額が3番目まで上がっています。
23市の手当から、地域手当を引く
地域手当は給料月額×割合で計算されるので、概算が出せます。引いた残りを23市ぶん並べました。
| 市 | 地域手当 | 諸手当月額 | 地域手当(概算) | 地域手当以外(概算) |
|---|---|---|---|---|
| 四日市市 | 10% | 125,564円 | 31,470円 | 94,094円 |
| 厚木市 | 16% | 143,395円 | 51,856円 | 91,539円 |
| 加古川市 | 3% | 98,827円 | 9,804円 | 89,023円 |
| 上越市 | 0% | 88,394円 | 0円 | 88,394円 |
| 茅ヶ崎市 | 10% | 118,609円 | 31,840円 | 86,769円 |
| 富士市 | 3% | 94,780円 | 10,125円 | 84,655円 |
| 平塚市 | 10% | 117,938円 | 33,390円 | 84,548円 |
| 春日井市 | 6% | 100,708円 | 18,672円 | 82,036円 |
| 茨木市 | 10% | 107,436円 | 31,320円 | 76,116円 |
| 草加市 | 6% | 94,014円 | 18,318円 | 75,696円 |
| 小田原市 | 10% | 107,273円 | 33,100円 | 74,173円 |
| 沼津市 | 6% | 93,172円 | 19,494円 | 73,678円 |
| 宝塚市 | 15% | 118,733円 | 47,205円 | 71,528円 |
| 岸和田市 | 6% | 88,463円 | 18,846円 | 69,617円 |
| 佐賀市 | 0% | 68,260円 | 0円 | 68,260円 |
| 大和市 | 10% | 98,799円 | 31,200円 | 67,599円 |
| つくば市 | 16% | 116,403円 | 49,232円 | 67,171円 |
| 伊勢崎市 | 0% | 61,144円 | 0円 | 61,144円 |
| 春日部市 | 6% | 77,930円 | 19,026円 | 58,904円 |
| 長岡市 | 0% | 56,207円 | 0円 | 56,207円 |
| 所沢市 | 6% | 74,160円 | 19,116円 | 55,044円 |
| 太田市 | 3% | 60,839円 | 9,981円 | 50,858円 |
| 熊谷市 | 3% | 57,762円 | 9,924円 | 47,838円 |
幅は46,256円(四日市市94,094円〜熊谷市47,838円)。
前回までの見立てを、ここで訂正します
沼津市の回で、「地域手当の割合が高い団体ほど、地域手当以外の手当が薄い」と書きました。23市をすべて並べると、この見立ては成り立ちません。
地域手当の割合ごとに、地域手当以外の手当の平均を出します。
| 地域手当 | 市の数 | 地域手当以外の平均 | 群のなかの幅 |
|---|---|---|---|
| 0% | 4市 | 68,501円 | 32,187円 |
| 3% | 4市 | 68,094円 | 41,185円 |
| 6% | 6市 | 69,163円 | 26,992円 |
| 10% | 6市 | 80,550円 | 26,495円 |
| 15% | 1市 | 71,528円 | ー |
| 16% | 2市 | 79,355円 | 24,368円 |
地域手当10%の6市が、地域手当以外でも最も厚くなっています。薄いどころか逆です。
そして群どうしの平均の差は、最大でも12,456円です(10%の80,550円と3%の68,094円)。ところが群の中の幅は、3%の4市だけで41,185円あります。
同じ地域手当の割合でくくっても、その中の幅のほうが、くくりどうしの差より大きい。
県内の数字は三重県職員の転職に、総額が23市で1位の市は厚木市職員の転職に整理しています。
施行時特例市とは、どういう市か
特例市という制度は、2015年(平成27年)4月1日に廃止されました。
そのときに特例市だった市が、「施行時特例市」として、それまでと同じ事務を引き続き処理しています。四日市市もその1つです。
中核市との違いは、はっきりしています。中核市は保健所を設置しますが、施行時特例市は設置しません。食品衛生や感染症対策は、都道府県の仕事として残ります。
一方で、施行時特例市が処理している事務も小さくありません。
- 都市計画法の開発許可
- 建築基準法の特定行政庁としての事務
- 騒音、振動、悪臭の規制
- 屋外広告物の規制
「建てる」「造る」「出す」に関わる許認可が中心です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 給付や認定の審査、支給事務 | 保険金査定、給付管理、審査業務 |
| 大気・水質の監視、測定データの管理 | 品質管理、環境管理、データ管理 |
| 開発許可、建築確認の審査 | 規制対応、用地開発、品質保証 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 騒音・振動・悪臭の規制 | 環境管理、規制対応 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「速さ」と「公正さ」を両方あきらめない実務
四日市市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
公害健康被害の補償等に関する法律第1条は、この法律が、人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる著しい大気の汚染又は水質の汚濁の影響による健康被害に係る損害を塡補するための補償などを行うことにより、健康被害に係る被害者等の迅速かつ公正な保護及び健康の確保を図ることを目的とすると定めています。
注目してほしいのは「迅速かつ公正な」という並びです。
この2つは、放っておくと両立しません。
一人ひとりについて、原因と結果のつながりを個別に突き止めれば、公正にはなりますが、時間がかかります。逆に、手続きを簡単にすれば速くなりますが、本来対象になるはずの人が外れたり、そうでない人が入ったりします。
実務は、次のような形になります。
- 対象になる条件を、あらかじめ決めておく
- 条件に当てはまるかを、申請に基づいて確かめる
- 専門家の意見を聴く手続きを、制度の中に置いておく
- 決めた条件が実態と合っているかを、あとから見直す
- そして、線の外側にいる人への説明が必ず要ります
「一件ずつ丁寧に見る」と「早く決める」を、同じ手続きの中で両立させる仕事です。
企業でも、同じ構造の場面が増えています。
返金や交換の判断、保証の適用、労災や休業の手続き、社内の相談対応。全件を個別に調べれば公正ですが、時間がかかって相手は待たされます。逆に一律で処理すれば速いですが、事情の違う人が同じ扱いになります。
そして多くの企業で、二択になります。現場は速く処理したい、管理部門は間違えたくない。ところが「どの範囲までなら条件で機械的に決めてよいか、どこから個別に見るか」を設計した人がいません。だから担当者ごとに判断が変わり、あとから説明できなくなります。
求人票では、審査業務、給付管理、品質保証、カスタマーサポートの設計、内部統制といった名前で書かれています。
書くときのこつは、個別の事案や相手の事情を書かないことです。どこまでを条件で機械的に決め、どこから個別に見ると決めたか、その線をどう引いたか、線の外側にどう説明したか、そして条件が実態と合わなくなったときどう直したか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
四日市で、どの経験が値になるか
1. 速さと正確さの線を引いた経験
どこまで機械的に決め、どこから個別に見るか。この設計は、企業の管理部門でほとんど誰もやっていません。
2. 基準に沿って可否を決めた経験
審査と査定の職種で、そのまま使われます。
3. 条件を見直した経験
決めた条件は、いつか実態と合わなくなります。直した経験が、いちばん強く読まれます。
県内・県外の求人を見るときに
四日市市は三重県北部にあり、名古屋圏を担当エリアとする求人が、通勤の範囲に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「認定事務を担当」では読み手に何も残りません。どこまでを条件で決め、どこから個別に見たか。
線の外側への説明を書く
線を引けば、必ず外側から声が出ます。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、申請の件数、処理までの期間、対象者の数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。審査や許認可に関わったなら、申請の件数、処理までの期間、対象者の数、予算の執行率で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 四日市市の一般行政職はラスパイレス指数101.6、平均給与月額440,264円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 諸手当125,564円は23市で2番目、総額440,264円は3番目。ところが給料月額314,700円は16番目です
- 地域手当10%ぶんを引いた残り約94,094円は、23市で最も厚い数字です
- 沼津市の回で書いた「地域手当が高い団体ほど地域手当以外が薄い」は、23市では成り立ちません。10%の6市が最も厚くなります
- 群どうしの平均の差は最大12,456円。ところが3%の4市だけで、群の中に41,185円の幅があります
- 「どこまで条件で決め、どこから個別に見るか」を設計した経験は、企業でほとんど誰も持っていません(公害健康被害補償法1条)
よくある質問
諸手当が23市で2番目なのに、給料月額が16番目なのはなぜですか
別々に決まるからです。給料月額は給料表と年齢構成で決まり、諸手当は地域手当の割合に加えて、時間外の量、担当する業務、役職、住居や通勤の状況で積み上がります。四日市市は地域手当10%ぶんを引いた残りが約94,094円で23市1位です。
「地域手当が高いほど他の手当が薄い」は間違いだったのですか
23市に広げると成り立ちません。地域手当10%の6市が、地域手当以外でも平均80,550円で最も厚くなります。2市や3市で見えた向きが、母数を増やすと消える、という例です。残るのは「くくりの中の幅のほうが、くくりどうしの差より大きい」という事実だけです。
総額が23市で3番目なら、転職で下がりますか
団体の平均は、あなたの実額ではありません。四日市市は、総額に占める「人ごとに違う部分」が21.4%と23市でいちばん大きく、平均と自分の額がずれやすい側にいます。まず複数年ぶんの源泉徴収票の支払金額を並べて、自分の額とぶれ幅を確かめてください。そのうえで求人票の想定年収と比べます。