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制度とお金 / 給与・手当

給与の公表制度|どこで自分の自治体を調べるか

自分の自治体の給与を調べたいとき、検索結果に出てきた平均額だけでは、知りたいことに届かない場合があります。現在の給料を決める条例、過去の支給実績をまとめた資料、職員の構成を示す資料では、答えられる問いが異なるためです。

まず、自分の給料の根拠を知りたいのか、自治体全体の給与水準を知りたいのか、今後の改定を確認したいのかを分けます。この記事では、公式サイトで資料を探す手順と、表を読む際の確認事項を整理します。本記事は2026年11月時点の公開情報にもとづきます。横浜市と大阪府の公表を資料の探し方の例に使いますが、その給与条件を他の自治体や個人へ当てはめるものではありません。

給与条例と公表資料では、調べられることが違う

地方公務員法第24条第5項は、給与や勤務条件を条例で定めるとしています。同法第25条は、給与を条例に基づいて支給することと、給料表や昇給の基準、手当、支給条件などを給与条例で定めることを規定しています。自分に適用される制度を調べる入口は、所属の給与条例と関連規則です。

一方、同法第58条の2は、人事行政の運営状況について報告を受けた長が、その概要などを毎年公表することを定めています。給与だけでなく、任用、勤務時間、分限・懲戒、研修、福利などを含む人事行政の情報を確認するための制度です。対象職員についても条文に定めがあるため、すべての任用区分が同じ形で含まれるとは限りません。

同法第58条の3は、等級と職制上の段階ごとの職員数について、毎年の報告と公表を定めています。給料表の各級にどのような職務が対応し、何人の職員がいるかを見る手掛かりになります。ただし、職員数の構成から、個人の昇格や異動の予定を判断することはできません。

さらに、自治体の公式サイトには「給与・定員管理等の状況」などの名称で、給与費、平均給与、手当、職員数などをまとめた資料が掲載されています。人事行政の公表と同じ場所に置かれることも、別のページに置かれることもあります。名称が似ていても、条例そのものと実績の説明資料を分けて開きます。

公式サイトでは、調べたい目的から検索する

知りたいこと公式サイト内で探す語開く資料の目安
自分の給料表と手当の根拠給与条例、職員の給与、例規集現行の条例と別表、施行規則
自治体全体の給与水準給与・定員管理等、職員給与当該年度の公表資料
人事制度全体の運用人事行政の運営等の状況毎年の公表資料
級ごとの職務と人数等級、職制上の段階、級別職員数職員数と標準的職務の資料
これからの給与改定人事委員会、給与勧告、条例改正当年の報告・勧告と改正資料

自治体の公式トップページから、職員採用・人事、行政運営、人事・給与などの分類を探します。見つからない場合は、自治体名と上の語を組み合わせて検索します。外部のまとめ記事へ移ったときは、引用元の公式ページへ戻り、最新の資料一覧から対象ファイルを開き直します。

検索結果から直接開いたファイルは、古い年度である可能性があります。ファイル自体の日付だけで判断せず、掲載元のページで新しい版や訂正版がないか確認します。例規集では、現行の条文か、過去時点の条文かも見ます。昔の採用案内の給与例を、現在の支給条件の代わりにしないことが大切です。

調べる途中で、自分の経験と民間の役割を比べたい場合は、財政・会計の経験が効く求人を見てみることもできます。給与資料で制度を確認する作業と、担当業務を比較する作業を分けて進めます。

自分の給与は、任用区分と給料表からたどる

給与条例を開いたら、最初に自分がその条例の対象に入るかを確認します。常勤一般職、会計年度任用職員、再任用、企業職員など、任用や勤務の区分によって適用する規定が異なる場合があります。自分と違う区分の給与表を読んでも、現在の給与の根拠は確認できません。

次に、行政職、技能労務職、教育職、医療職など、適用する給料表を確かめます。辞令や本人向けの人事給与の記録で、表の種類、級、号給を確認し、条例の別表と照合します。給料表の交点は基本給に当たる額であり、振込額ではありません。

手当は、支給条件に関する条文と規則を別に見ます。通勤、住居、扶養、地域、時間外勤務などは、条件や計算方法がそれぞれ違います。給料表だけでは、毎月の総支給額や控除後の額は分かりません。具体的な読み方は、給料表の級と号給に整理しています。

改正の時期なら、最新の表がいつから適用されるかも確認します。条例の公布日、施行日、給与へ適用する日が同じとは限りません。改正前後の表を見比べる場合は、自分の級や号給が変わった分と、表自体の改定分を分けます。不明なときは給与担当に、自分に適用される条項と表を示してもらいます。

公表資料では、表ごとの基準日と対象を先に読む

給与・定員管理の資料は、一冊の中に複数の時点の情報が入ります。給与費が前年度の決算、平均給与がある年の4月1日現在、手当の見直しが次年度の予定というように、同じ年度名の資料でも基準は一つとは限りません。

横浜市の令和7年度の公表資料でも、平均給与や職員構成の基準日と、前年度の支給実績などを区別して示しています。このため、表の数字を転記する際は、表題の年度、基準日、対象職種、単位、注記を一緒に残します。ページ全体の更新日だけを、その表の調査日だと考えないようにします。

人件費や給与費の表は、会計の範囲と費目を確認します。自治体全体の経費と、特定の会計や対象職員の給与費を同じものとして扱わないことが必要です。総額を職員数で割った値も、費目の範囲を見ずに一人の給与と呼ぶことはできません。

平均給料・平均給与の表は、基本給だけか、手当を含むかを見ます。横浜市の資料では、国比較ベースの平均給与を、時間外勤務手当等を除いたものとして説明しています。隣の列の名称が似ていても、含める項目が違います。

退職手当の平均支給額は、どの年度にどの退職理由で退職した人の平均かを確認します。自分の勤続年数や退職理由を当てはめた試算ではありません。平均が公表されていることと、自分がその額を受け取ることは別です。

仕事の経験の整理も必要な場合は、在職中でも、情報収集だけでも構いません。ご利用は無料です(紹介手数料は採用企業の負担)。

国との比較や級別職員数から、読み過ぎない

国との比較では、ラスパイレス指数が掲載されることがあります。大阪府の説明は、学歴や経験年数の構成をそろえて給料月額を比較する指標としています。自分の手取り額や、特定の部署の給与を直接示すものではありません。通常の指数と地域手当補正後の指数がある場合は、その種類もそろえます。

級別職員数を見ると、各級の職務と職員の分布を確認できます。しかし、ある級の人数が少ないから自分も昇格しない、人数が多いから昇格しやすいという予測はできません。職員の採用や退職、組織の構成などの条件を含む集団の情報であり、個人の人事評価や任用の予定ではないためです。

公営企業の情報が別の章に載っている場合は、自分が見ている会計や職員の対象を確かめます。行政職の平均を、そのまま病院や交通、水道などの職員に当てはめないようにします。職種ごとに資料が分かれているときは、対応する章を開いてから比較します。

公開された給与資料から、特定の自治体の残業や人間関係、部署の評判を推測することもできません。時間外勤務手当の支給実績があっても、それだけで一人ひとりの働き方や特定部署の事情が分かるわけではありません。資料の対象と限界を守って読むことが大切です。

見つからないときは、問い合わせる目的を一文にする

資料の場所が分からない場合は、人事や給与の担当に「今年の給与・定員管理等の公表資料はどこにありますか」と尋ねます。自分の支給内容を確認したい場合は、「自分に適用する給与条例と給料表、級・号給を確認したい」と伝えます。公表資料の案内と個別の給与照会は、別の担当になる場合もあります。

問い合わせのメモには、見た資料名、年度、ページ、表の項目、分からない点を記します。「給与が平均より少ないのはなぜか」と広く聞くより、「この平均給与の列にはどの手当が入り、自分の明細のどの項目と比較できますか」と尋ねるほうが確認しやすくなります。

回答をもらったら、同じ資料へ戻って該当箇所を確認します。個別に案内された内容を、全職員に共通する取扱いとして広めないようにします。自分の明細や個人情報を外部へ提示する場合も、必要な範囲と方法を確かめてください。

転職の比較では、公表された平均より個別の条件を見る

民間の求人票や採用情報と比較するときは、公務員側も自分に適用される条件で並べます。自治体の全体平均と、応募先の特定職種の給与幅を比べても、同じ役割の比較になりません。自分の基本給、固定的な手当、変動する手当、賞与の条件と、転職先の提示条件を分けて確認します。

経歴の言い換えから整理したい場合は、LINEで短く聞くこともできます。制度の確認と仕事選びを、それぞれ適切な窓口で進めます。

よくある質問

公式サイトの平均給与が、その自治体の全職員の平均ですか

対象の確認が必要です。一般行政職、技能労務職、教育職などで分けている場合があり、任用区分や会計の範囲も異なります。表題、対象職員、基準日、注記を先に確認してください。

公表資料の更新日が新しければ、現在の給料が分かりますか

更新日だけでは判断できません。資料内の表は、過去の決算や特定日の調査結果など、異なる時点の情報を含みます。現在の制度は現行の条例と関連規則、自分の給与は本人用の記録と給与担当で確認します。

自分の給料が平均より低ければ、計算の誤りですか

平均と違うだけでは誤りとは言えません。職員の経験や級、手当の条件が異なるためです。自分の給料表、級と号給、各手当の要件を確認し、明細と合わない点を項目ごとに給与担当へ尋ねてください。

出典

  1. 地方公務員法 第24条・第25条・第58条の2・第58条の3
  2. 横浜市 職員の給与・定員管理等について
  3. 横浜市 令和7年度の給与・定員管理等について
  4. 大阪府 職員給与と国家公務員給与との比較

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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