選考対策 / 面接
連絡手段と、職場に知られないための注意
在職中の転職活動で、気を遣う部分です。
職場に知られないまま進めたい。
これは、後ろめたいことではありません。決まっていない段階で周囲に伝わると、業務の割り振りや、人間関係に影響が出る可能性があります。決めてから伝えるのが、双方にとって自然です。
この記事では、連絡の実務を扱います。日程の調整は平日日中の面接をどう調整するかにあります。
相談先には、秘密を守る義務があります
まず、安心してよい部分から確認します。
職業安定法第51条第1項です。
> 職業紹介事業者、求人者(中略)並びにこれらの代理人、使用人その他の従業者は、正当な理由なく、その業務上取り扱つたことについて知り得た人の秘密を漏らしてはならない。
業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。
職業紹介の事業者には、法律上の守秘の義務があります。
在職中であること、現在の所属、検討している状況。これらが、本人の同意なく外部に伝わることは、制度の前提に反します。
応募先に伝わる情報も、本人が同意した範囲です。
相談すること自体が、職場に伝わる原因になるわけではありません。
連絡手段を分ける
| 手段 | 実務 |
|---|---|
| メール | 職場のアドレスは使わない。個人のものを用意する |
| 電話 | 個人の携帯。日中に出られない旨を先に伝える |
| 郵送 | 自宅宛て。職場宛てにしない |
| 短文の連絡 | 人材会社によっては使える。通知の表示に注意 |
1つ目は、基本の中の基本です。
職場のメールは、業務のために貸与されているものです。私的な用途に使うことは、服務の観点でも問題になり得ます。
加えて、端末の管理の仕組みによっては、送受信の記録が残ります。
電話への対処
日中に電話がかかってくる場面があります。
| 対処 | 内容 |
|---|---|
| 事前に伝える | 「平日の日中は出られないことがあります。メールでご連絡いただけますと確実です」 |
| 折り返す | 昼休みや勤務時間の後に、場所を選んで |
| 留守番の設定 | 名前が表示されない設定を確認 |
1つ目を、応募の段階で伝えておいてください。
多くの会社と人材会社は、この事情を理解しています。
折り返すときは、場所に注意してください。執務室や、人のいる場所での通話は避けてください。
職場で気をつけること
| 場面 | 注意 |
|---|---|
| 職場の端末 | 求人サイトを見ない。閲覧の記録が残る仕組みがあります |
| 印刷 | 書類を職場で印刷しない |
| 会話 | 同僚に話さない。伝わる経路になります |
| 休暇の取り方 | 急な取得、同じ曜日の繰り返しは目立ちます |
| 服装 | スーツで出勤しない(普段と違う場合) |
| 画面越しの面接 | 職場から接続しない |
1つ目と2つ目は、業務用の資源を私的に使うことでもあります。服務の観点からも避けてください。
6つ目については、Web面接の準備と注意点に詳しく書いています。背景や画面の共有で、職務の情報が映り込む可能性があります。
求人サイトと情報の公開の範囲
登録する仕組みによって、情報の見え方が違います。
| 種類 | 情報の扱い |
|---|---|
| 人材会社への登録 | 担当者が間に入る。応募先に出す情報は本人の同意の範囲 |
| 求人サイトへの登録(スカウト型) | 企業側が閲覧できる形になる場合がある |
| 直接応募 | 応募した会社にのみ、提出した書類が渡る |
2つ目に注意が要ります。企業からの連絡を受け取る形式では、登録した情報が企業側に表示されます。
そのため、多くの仕組みで「特定の企業には表示しない」設定が用意されています。
現在の所属する自治体と、取引のある事業者を指定しておくと確実です。加えて、氏名や所属を伏せた形で登録できる仕組みもあります。登録の前に、どこまで表示されるかを確認してください。
この確認を1回しておけば、以降は気にせず進められます。
内定が出た後の伝え方
決まってからの手順です。
| 順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 内定の条件を書面で確認し、受諾するかを決める |
| 2 | 受諾したら、所属の規程で退職の申し出の時期を確認 |
| 3 | 直属の上司に、最初に伝える |
| 4 | 所属の手続きに従って書類を提出 |
| 5 | 引継ぎの計画を作る |
3つ目の順序を守ってください。
上司より先に同僚に伝わると、関係に影響します。
伝えるときは、決定事項として述べてください。「相談」の形で切り出すと、引き留めの話が長くなることがあります。
引継ぎの計画は、早めに作っておくと楽になります。担当している業務の一覧、進行中の案件、関係する相手先、参照する資料の場所。これは、退職が決まってから作るものではなく、普段から整えておくべきものでもあります。
整理しておくと、転職の有無にかかわらず、異動のときにも使えます。在職中に準備しておいて損のない作業です。
退職を伝える時期
所属の規程で定められていることがあります。
「退職を希望する日の◯か月前まで」といった定めがある場合、その期間を見込んで内定の受諾を判断してください。
確認の方法は、規程を見るのが確実です。人事の担当に聞くと、その時点で意向が伝わります。
規程は、庁内の例規集で確認できます。閲覧の記録が気になる場合は、公開されている例規集を庁外から見る方法もあります。
経験の言い換えから相談することもできます。
なお、退職の手続きに必要な書類は、所属によって様式が決まっています。退職の願い出の書面、共済や健康保険の手続き、貸与品の返還。一覧を早めに確認しておくと、最終の月が慌ただしくなりません。
よくある失敗
1. 職場のメールアドレスを使う
服務の観点でも問題になり得ます。
2. 職場の端末で求人を見る
閲覧の記録が残る仕組みがあります。
3. 同僚に話す
伝わる経路になります。
4. 電話に出られない事情を伝えない
先に伝えれば、メールで連絡されます。
5. 上司より先に同僚に伝える
関係に影響します。
6. 退職の申し出の時期を確認しない
入社の時期の回答が遅れます。
まとめ
- 職業安定法第51条第1項は、職業紹介の事業者等に業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない義務を課しています
- 相談すること自体が、職場に伝わる原因になるわけではありません
- 職場のメール、職場の端末、職場での印刷は使わない。服務の観点でも避けてください
- 日中に電話に出られない事情は、先に伝えてください。メールでの連絡に切り替えられます
- 内定が出るまで、職場の誰にも話さない。伝えるときは直属の上司が最初です
- 守る線は、①職場の資源を使わない ②勤務時間中に活動しない ③決まるまで話さないの3つです
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よくある質問
個人のメールアドレスを持っていません
無料で取得できる仕組みがあります。転職活動用に、1つ用意してください。注意するのは、アドレスの文字列です。応募先に表示されるため、氏名を含む落ち着いたものにしてください。加えて、受信の設定を確認しておいてください。応募先からの連絡が、迷惑メールに振り分けられていることがあります。応募を始めたら、数日に1度は確認してください。なお、同じアドレスを長く使うようにしてください。選考の途中で変えると、連絡が行き違います。
人材会社に登録すると、現在の所属に伝わりませんか
本人の同意なく伝わることはありません。職業安定法第51条第1項により、業務上知り得た秘密を漏らしてはならない義務があります。加えて、求人サイトの多くは、特定の企業に自分の情報を表示しない設定を用意しています。現在の勤務先を指定して、その企業には非公開にするという仕組みです。登録のときに設定を確認してください。なお、自治体が求人を出している場合もあるため、所属する自治体を非公開の対象に含めておくと確実です。
退職を切り出したら、強く引き留められました
引き留めがあること自体は、珍しくありません。対処としては、決定事項として伝え、日付を明確にすることです。「◯月◯日をもって退職したいと考えています」と述べてください。「相談したいのですが」で切り出すと、検討の余地があると受け取られます。なお、引き留めの中で、異動の希望や処遇の話が出ることがあります。それを検討するかどうかは、自分で決めて構いません。条件が変わるなら残るという判断にも理があります。ただし、決めた後に前言を撤回すると、応募先にも影響します。受諾の前に、判断を固めておいてください。