選考対策 / 職務経歴書
職務経歴書と履歴書の書き分け
応募の書類は、2通で1組です。
履歴書と、職務経歴書。ところが、同じことを2回書いている書類をよく拝見します。履歴書の職歴欄に部署と期間が並び、職務経歴書の冒頭にも同じ部署と期間が並ぶ。読む側から見ると、1通目で得た情報が2通目で増えません。
2通には、役割の違いがあります。
この記事では、その分担を決めます。職務経歴書そのものの型は公務員の職務経歴書|民間で読まれる形にする基本にあります。
結論:履歴書は台帳、職務経歴書は読ませる書類
| 書類 | 役割 | 読み手の使い方 |
|---|---|---|
| 履歴書 | 事実の台帳。学歴、職歴、資格、連絡先 | 確認する。採否の判断材料ではない |
| 職務経歴書 | 読ませる書類。何ができる人かを示す | 判断する。ここで選考が決まる |
履歴書で差は付きません。正確であれば足ります。時間をかけるのは、職務経歴書のほうです。
ただし、履歴書の不備は減点になります。期間の食い違い、空欄、資格の級の記載漏れ。確認のやり取りが増えるぶん、印象に影響します。
個人情報は、「目的の達成に必要な範囲内」
書く内容の範囲については、採用する側に課されている義務が参考になります。
職業安定法第5条の5第1項です。
> (中略)求職者等の個人情報(中略)を収集し、保管し、又は使用するに当たつては、その業務の目的の達成に必要な範囲内で、厚生労働省令で定めるところにより、当該目的を明らかにして求職者等の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。
「業務の目的の達成に必要な範囲内で」、目的を明らかにして収集する。
つまり、採用の選考に必要な範囲を超えた個人情報は、そもそも集めてはならないという建て付けです。
応募する側も、この範囲で書けば足ります。求められていない情報を、自分から書き足す必要はありません。
書かなくてよい代表は、次のとおりです。
| 項目 | 扱い |
|---|---|
| 家族の職業・続柄 | 書かない。選考に関係しない |
| 本籍・出生地 | 書かない |
| 住宅の状況、資産 | 書かない |
| 思想・信条、支持政党、宗教 | 書かない |
| 健康の状態 | 業務の遂行に関わる範囲で、必要なら面接で |
様式にこれらの欄がある場合は、古い様式である可能性があります。別の様式を使って差し支えありません。
どちらに何を書くか
| 項目 | 履歴書 | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 学歴 | ◯(最終学歴から) | ✕ |
| 在籍の期間・所属 | ◯(正式名称で) | ◯(機能の説明とセットで) |
| 役職 | ◯(任用の年月) | ◯(人数・権限とセットで) |
| 担当した業務の中身 | ✕(1行の概要まで) | ◯ |
| 実績 | ✕ | ◯ |
| 資格 | ◯(正式名称・取得年月) | ◯(実務の量を添える) |
| 志望動機 | ◯(欄があれば) | 原則✕ |
| 自己PR | 欄があれば簡潔に | ◯(本体) |
| 通勤時間・扶養 | ◯(欄があれば) | ✕ |
履歴書の職歴欄は、「◯年◯月 ◯◯市役所 入庁」から始めて、異動を年月で並べれば足ります。中身は職務経歴書に書きます。
異動が多い場合、履歴書の職歴欄に全部の異動を書くと、それだけで欄が埋まります。その場合は、入庁・主な異動・現職の3点に絞り、「詳細は職務経歴書に記載」と書いて構いません。
整合を取る3点
2通の間で食い違いやすいのは、この3つです。
| 確認する点 | よくある食い違い |
|---|---|
| 在籍の期間 | 異動の年月が、職務経歴書と1か月ずれている |
| 役職に就いた時期 | 履歴書に書いていない役職が、職務経歴書に出てくる |
| 資格の名称と取得年 | 履歴書は正式名称、職務経歴書は略称で書いている |
提出の前に、この3点だけは突き合わせてください。面接で食い違いを指摘されると、中身と関係のないところで時間を使います。
役所の名称の書き方も揃えてください。「◯◯市」「◯◯市役所」「◯◯市役所 ◯◯部 ◯◯課」。履歴書は正式名称、職務経歴書は部署名までという使い分けが自然です。
送付状を付けるかどうか
郵送する場合は、送付状を1枚付けてください。内容は、宛先、日付、氏名と連絡先、応募する職種、同封した書類の一覧、簡単な挨拶で足ります。A4で1枚、10行程度です。
データで送る場合は、本文がその代わりになります。応募する職種と、添付した書類の内容を書いてください。本文が1行だけのまま送るのは避けたほうが確実です。
送付状で選考の結果が変わることはありません。ただし、同封した書類の一覧があると、受け取る側の確認が早くなります。役所で文書を送るときに添える鑑と、考え方は同じです。
履歴書の実務
| 項目 | 実務 |
|---|---|
| 様式 | 指定がなければ、職歴欄が広いものを選ぶ |
| 写真 | 指定があれば貼る。スーツ、3か月以内が目安 |
| 日付 | 提出する日(作成日ではない) |
| 学歴 | 最終学歴の1つ前から書けば足りる |
| 賞罰 | 欄があり、該当がなければ「なし」 |
| 本人希望欄 | 「貴社の規定に従います」で足りる |
「賞罰」の欄は、庁内の表彰を書く欄ではありません。該当がなければ「なし」と書いてください。
本人希望欄に、勤務地や職種の希望を細かく書く必要はありません。制約がある場合(通勤の範囲、勤務の時間帯など)は、具体的に1行で書いてください。書かずに入社後に判明するほうが、双方にとって困ります。
経験の言い換えから相談することもできます。
よくある失敗
1. 2通に同じことを書く
履歴書は台帳、職務経歴書は読ませる書類。役割を分けてください。
2. 履歴書に力を入れすぎる
差が付くのは職務経歴書です。時間の配分を間違えないでください。
3. 期間と役職が食い違う
提出の前に3点を突き合わせてください。
4. 求められていない個人情報を書く
選考に関係しない情報は、書かなくて構いません。
5. 賞罰欄に庁内の表彰を書く
「なし」で足ります。
6. 本人希望欄を空欄にする
「貴社の規定に従います」と書いてください。制約があれば1行で。
まとめ
- 履歴書は事実の台帳、職務経歴書は読ませる書類です。差が付くのは後者です
- 職業安定法第5条の5第1項は、求職者等の個人情報を業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして収集することを求めています
- 家族の職業、本籍、資産、思想・信条は、書く必要がありません
- 履歴書の職歴欄は、入庁・主な異動・現職に絞って構いません。中身は職務経歴書に書きます
- 在籍の期間・役職の時期・資格の名称の3点は、提出の前に突き合わせてください
- 本人希望欄は「貴社の規定に従います」。制約があれば1行で具体的に書きます
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よくある質問
履歴書の職歴欄に、異動を全部書かないと経歴を隠していると思われませんか
思われません。同じ団体に継続して在籍している事実は、入庁の年月と現職が書かれていれば示せます。むしろ、異動を9行並べると、職歴欄が埋まって現職が見えにくくなります。選び方としては、応募先に関係する部署と、役職が変わった時期を優先してください。そのうえで、「詳細は職務経歴書に記載」と一言添えれば、確認の手間も生じません。職務経歴書のほうには、すべての在籍を一覧の表で載せておくと、突き合わせができます。
在職中です。履歴書の職歴の最後はどう書きますか
「現在に至る」と書きます。退職の予定が決まっている場合は、「◯年◯月 ◯◯市役所 退職予定」と書いても構いませんが、退職の手続きが確定していない段階では書かないでください。面接の場で、「内定をいただいた場合、退職の手続きに◯か月程度を見込んでいます」と伝えれば足ります。なお、年度の途中で退職する場合の実務は、所属の規程で手続きの時期が決まっていることがあります。先に確認しておくと、入社の時期の相談がしやすくなります。
職務経歴書に自己PRを書くと、履歴書の自己PR欄と重複します
履歴書の欄は短く、職務経歴書のほうを本体にしてください。履歴書の自己PR欄が小さい場合は、3〜4行で要点だけを書き、「詳細は職務経歴書に記載」と添えれば足ります。内容を変える必要はありません。同じ主張を、長さを変えて2か所に置くという考え方です。職務経歴書の自己PRは、能力の主張・業績の裏づけ・応募先での再現の3ブロックで書きます。作り方は自己PRの作り方|公務員の実績を民間の言葉にするに整理しています。