資格・スキル / 資格
FP技能士は公務員の転職で評価されるか
「取る意味はあるか」というご相談を伺います。
評価される場面と、されにくい場面があります。
この記事では、その分かれ目を扱います。
⚠ 試験の内容・等級・実施の方法は、所管するところの公表を確認してください。この記事では、個別の内容には触れません。
技能検定の合格者の名称が、法律に定められています
職業能力開発促進法第50条第1項です。
> 技能検定に合格した者は、技能士と称することができる。
同条第2項は、技能士と称するときは、その合格した技能検定に係る職種等を明示することを定めています。
つまり、国が行う技能検定の枠組みの中にあるということです。
⚠ どの職種が技能検定に含まれるかは、所管の公表を確認してください。
この点は、民間の団体が実施する資格とは位置づけが異なります。
扱いはMOS|取るべき人と、取らなくてよい人に整理しています。
評価される場面
| 場面 | 理由 |
|---|---|
| ① 応募条件に記載がある | 満たす材料になる |
| ② 金融・保険の分野 | 業務の内容と重なります |
| ③ 相談の業務 | 相談の型を学べます |
| ④ 分野を変える | 学習していることを示せる |
| ⑤ 体系的に学びたい | 範囲が決まっています |
②と③が中心です。
③について。
相談の業務では、相手の状況を聞き取り、選択肢を整理して示すという動作があります。
この型を学べる点は、実務に効きます。
評価されにくい場面
| 場面 | 理由 |
|---|---|
| ① 応募条件に記載がない | 判断の中心にならない |
| ② 実務の経験がある | 経験のほうが具体 |
| ③ 分野が離れている | 業務と結び付きません |
| ④ 応募の時期が近い | 書類の作成が優先 |
| ⑤ 目的が曖昧 | 「何か取っておきたい」だけ |
②が、公務員からの転職では多いです。
税、保険、年金、福祉の担当であれば、実務の経験のほうが具体です。
制度を運用し、住民に説明してきた経験が、材料になります。
行政の実務との重なり
| 行政での経験 | 重なる部分 |
|---|---|
| ① 税の賦課・相談 | 税に関する制度の説明 |
| ② 保険・年金の事務 | 制度の仕組み |
| ③ 福祉の相談 | 生活の状況の把握 |
| ④ 住宅に関する事務 | 住まいに関する制度 |
| ⑤ 債権の管理 | 支払の相談 |
| ⑥ 住民への説明 | 専門でない相手への説明 |
⑥が中心です。
制度を、専門でない相手に説明してきた経験は、相談の業務でそのまま使えます。
扱いは市区町村職員から民間へに整理しています。
どの転職先で効くか
| 領域 | 使いどころ |
|---|---|
| ① 金融・保険 | 顧客への説明、相談 |
| ② 相談の窓口の事業 | 生活に関する相談 |
| ③ 住宅・不動産 | 資金に関する説明 |
| ④ 自治体が相手の事業 | 制度の理解 |
| ⑤ 福祉・介護の事業 | 制度の説明 |
②と④が、行政の経験と重なります。
探し方は公務員経験が活きる求人の探し方に整理しています。
書き方の例
悪い例
> 資格を取得しました。
良い例
> ◯◯課において、◯◯に関する制度の事務を担当。年間約◯件の相談に対応し、制度の要件と手続を、専門でない相手に分かる言葉で説明。支払が困難な事案について、状況を確認のうえ、分割の相談に対応。(資格の欄)◯年に取得
資格の欄と、職務の欄が分かれています。
基本の型は公務員の職務経歴書|民間で読まれる形にする基本に整理しています。
取る前に考えること
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| ① 応募したい求人の条件 | 記載があるか |
| ② 実務との重なり | どこと結び付くか |
| ③ 目的 | 学ぶためか、条件を満たすためか |
| ④ 期限 | 応募の時期に間に合うか |
| ⑤ 他の優先順位 | 書類、条件の整理 |
②を先に確認してください。
重なりが見つからない場合、書類での効きが弱くなります。
なお、取れば転職できる、という関係にはありません。
何を説明し、どう対応したかが、評価の対象です。
在職中にできること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実務の整理 | 担当した制度、相談の件数 |
| 重なりの確認 | どの分野と結び付くか |
| 求人を読む | 週に30分 |
| 要件の確認 | 所管の公表を確認 |
1行目を先にしてください。
年度の報告や統計から、件数を確認できます。
根拠のない数は書かないでください。
経験の言い換えから相談することもできます。
面接で聞かれやすいこと
| 質問の趣旨 | 用意しておくこと |
|---|---|
| 取得の理由 | 1つの理由で短く |
| 実務との関係 | どこと重なるか |
| 相談への対応 | 難しかった場面 |
| 説明の工夫 | 伝え方 |
| できる範囲 | 正確に、限定して |
1行目です。
「何となく」では、目的が伝わりません。
実務の場面と結び付けて説明してください。
説明の工夫という材料
住民への説明で工夫してきた点は、そのまま書けます。
| 工夫 | 内容 |
|---|---|
| ① 言葉の言い換え | 専門用語を避ける |
| ② 順序 | 結論、理由、手続の順 |
| ③ 資料 | 記入例、図、チェックの表 |
| ④ 確認 | 理解の状況を確かめる |
| ⑤ 記録 | 説明した内容を残す |
③と④が、相談の業務で効きます。
③について。
記入例やチェックの表を作った経験があれば、作ったものとして書いてください。
④について。
説明した後に、相手が理解できたかを確かめるという動作です。
一方的に説明して終えないという点は、相談の職務で見られます。
よくある失敗
1. 資格だけを書く
実務と重ねて書いてください。
2. 実務との重なりを確認しない
書類での効きが弱くなります。
3. 取得の理由を用意しない
面接で聞かれます。
4. 相談の件数を書かない
経験の厚みが伝わりません。
5. 説明の工夫を書かない
相談の業務で見られます。
6. 応募の時期が近いのに受験を優先する
書類の作成が先です。
7. できる範囲を広く書く
入社後に困ります。
8. 取れば転職できると考える
何を説明し対応したかが評価の対象です。
まとめ
- 職業能力開発促進法第50条は、技能検定に合格した者は技能士と称することができるとし、職種等の明示を求めています
- どの職種が技能検定に含まれるかは、所管の公表を確認してください
- 評価されるのは、応募条件に記載がある、金融・保険の分野、相談の業務、分野を変える、体系的に学びたい場合です
- 評価されにくいのは、記載がない、実務の経験がある、分野が離れている場合です
- 制度を、専門でない相手に説明してきた経験が中心の材料です
- 資格だけを書かず、実務と重ねてください
- 自分の生活のために学ぶという目的も、否定されません
行政が相手の求人もまとまっています。行政が相手の求人を見てみる。
よくある質問
税や保険の担当ではありませんでした
重なりを探してから判断してください。住民への説明を伴う業務であれば、説明の経験として重なります。また、債権の管理や、支払の相談に関わっていれば、生活の状況を踏まえた対応の経験になります。重なりが見つからない場合は、優先順位を下げて差し支えありません。なお、分野を変える転職では、学習していること自体が材料になる場面があります。扱いはITパスポート|情報政策課以外でも意味があるかに整理した考え方と同じです。目的を1つに絞ってください。
等級はどこまで目指せばよいですか
応募したい求人の記載を基準にしてください。求人票に具体の記載があれば、それが目安です。記載がない場合、等級を自分で決める必要はありません。なお、⚠ 等級の構成や要件は、所管の公表を確認してください。この記事では触れません。また、上位を目指すかどうかは、目的によります。相談を職務とするのか、知識として持つのか。目的が決まると、必要な範囲が決まります。読み方は求人票の読み方|どこを見れば実態が分かるかに整理しています。
相談の仕事に就きたいのですが
求人票の仕事内容を確認してください。「相談」と書かれていても、相手と内容が違います。個人の生活に関する相談、事業者の相談、制度の案内、苦情の対応。求められる知識も、勤務の形も変わります。なお、行政での相談の経験は、相手を選べない状況での対応として評価されます。書き方は、「年間約◯件の相談に対応し、制度の要件と手続を説明」という形です。扱いは社会福祉士・ケアマネジャー|福祉職の転職でにも整理しています。相談の相手と内容を、先に確認してください。