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生成AIの業務活用|自治体での利用経験をどう語るか

庁内で生成の技術を使った経験を、どう書けばよいかというご相談です。

「使えること」より、「扱ってよい情報を判断できること」が見られます。

この記事では、その理由と、書き方を扱います。

⚠ 利用の可否と範囲は、所属の規程・方針によって異なります。必ず、所属の情報の担当に確認してください。この記事は一般的な整理にとどめます。

情報の扱いには、法律上の制限があります

個人情報の保護に関する法律第69条第1項です。

> 行政機関の長等は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。

同条第2項は、例外を定めています。

> 一 本人の同意があるとき、又は本人に提供するとき。>> 二 行政機関等が法令の定める所掌事務又は業務の遂行に必要な限度で保有個人情報を内部で利用する場合であって、当該保有個人情報を利用することについて相当の理由があるとき。>> (略)

ただし書として、次の定めも置かれています。

> ただし、保有個人情報を利用目的以外の目的のために自ら利用し、又は提供することによって、本人又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは、この限りでない。

利用目的以外の利用と提供が、原則として禁じられているという構造です。

外部の事業者が提供する仕組みに情報を入力する場合、この整理が必要になります。

つまり、「使えるかどうか」の前に、「何を入力してよいか」の判断があるということです。

何が評価されるか

評価される要素内容
① 入力してよい情報の判断線引きができるか
② 規程・方針の理解所属の定めに沿って進めたか
③ 出力の確認内容の正しさを確かめたか
④ 業務への組み込みどの工程で使い、何が変わったか
⑤ 他の職員への共有手順、注意点

①が中心です。

「使ったことがある」だけでは、評価が定まりません。

扱ってよい情報の範囲を理解したうえで使ったかどうかが見られます。

③について。

出力された内容をそのまま使わず、根拠を確認したという事実があれば書いてください。

行政の文書では、根拠の確認が前提です。

この習慣は、民間でも必要とされます。

書き方の例

悪い例

> 庁内で生成の技術を使って、資料の作成を効率化しました。

良い例

> 所属の方針に沿って、個人が特定される情報を含まない範囲で利用。◯◯に関する説明の資料について、構成の案の作成に利用し、内容は関係法令と要綱で確認のうえ確定。利用の手順と入力してはならない情報の範囲を整理した資料を作成し、係◯名に共有。

「範囲の判断」「確認の工程」「共有」が入っています。

基本の型は公務員の職務経歴書|民間で読まれる形にする基本に整理しています。

どの転職先で効くか

領域使いどころ
① 自治体向けの事業行政の情報の取扱いが分かる
② 業務の改善の支援工程への組み込み
③ 社内の情報システム利用の方針の整備
④ 規制を受ける側の会社情報の管理の規律
⑤ 教育・研修手順の整備、共有

①と④について。

情報の取扱いに規律がある組織では、線引きの判断ができる人が必要とされます。

「使える人」は増えていますが、「使ってよい範囲を判断できる人」は限られます。

探し方は公務員経験が活きる求人の探し方に整理しています。

使う前に考えること

確認すること内容
① 所属の規程・方針利用の可否と範囲
② 入力してよい情報個人が特定される情報の扱い
③ 出力の確認の方法根拠の突き合わせ
④ 記録利用の経緯を残すか
⑤ 共有他の職員への周知

①を最初に置いてください。

団体によって、利用の可否と範囲が異なります。

方針が定められている場合、その範囲で使ってください。

定められていない場合、情報の担当に確認してください。

⚠ 自己判断で業務の情報を入力しないでください。

なお、使えるようになれば転職できる、という関係にはありません。

扱ってよい範囲を判断し、業務に組み込んだ経験が、評価の対象です。

実績がない場合

やること内容
規程・方針を読む所属の定めを把握する
公開されている情報で試す業務の情報は入力しない
手順を整理する使う場面と、使わない場面
動向を追う制度の整備の状況

2行目です。

業務の情報を使わず、公開されている資料で試すことはできます。

そのうえで、「どの工程なら使えそうか」を整理しておくと、面接で話せます。

経験の言い換えから相談することもできます。

面接で聞かれやすいこと

質問の趣旨用意しておくこと
どの業務で使ったか工程と、変わったこと
何を入力しなかったか判断の根拠
出力をどう確認したか突き合わせの方法
組織での共有手順、周知
制度の理解情報の取扱いの規律

2行目です。

入力しなかったものを説明できると、判断の基準が伝わります。

なお、特定の事案が分かる説明は避けてください。

守秘の義務は、退職した後も続きます。

よくある失敗

1. 「使った」とだけ書く

判断の過程を書いてください。

2. 入力しなかった情報に触れない

線引きが伝わりません。

3. 出力の確認を書かない

根拠の確認は行政の習慣です。

4. 規程を確認せずに使う

情報の担当に確認してください。

5. 業務の情報を自己判断で入力する

してはいけません。

6. 共有した事実を書かない

組織で使える形にしたかが見られます。

7. 使えれば転職できると考える

範囲を判断できることが評価の対象です。

8. 特定の事案が分かる説明をする

守秘の義務は退職後も続きます。

LINEで短く聞くこともできます

まとめ

行政が相手の求人もまとまっています。行政が相手の求人を見てみる。

よくある質問

所属に方針がなく、業務では使っていません

それで差し支えありません。方針が定められていない場合、自己判断で業務の情報を入力しないでください。そのうえで、公開されている資料で試すことはできます。面接では、「所属では方針が整備されていないため、業務の情報は扱っていません。公開されている資料で機能を確認し、どの工程であれば使えるかを整理しています」と説明すれば足ります。この答え方は、規律を理解していることの説明にもなります。使っていないことを、弱みとして語らないでください。

資格や検定は、取るべきですか

応募条件に記載がある場合に、満たす材料になります。記載がない場合、判断の中心にはなりません。この分野では、実際に何をしたかが見られることが多いものです。「どの業務の、どの工程で使い、何が変わったか」。この説明のほうが具体です。なお、学習そのものを否定するものではありません。体系的に学ぶ手段として使えます。ただし、応募の時期が近い場合は、優先順位を下げてください。職務経歴書の作成と、求人を読む作業のほうが、時期に直接効きます。扱いは選考スケジュールの組み方に整理しています。

面接で、具体の業務を聞かれたらどこまで話せますか

工程と、判断の基準までは話せます。「◯◯に関する資料の構成の案の作成に使い、内容は関係法令で確認しました」という形です。書かない・話さないのは、特定の事案が分かる記述です。案件の名称、関係者、公表されていない検討の内容。これらは避けてください。なお、「守秘の義務があるため、個別の事案には触れられませんが」と前置きすれば、手順の説明はできます。採用する側も、この点は理解しています。判断の基準を説明することのほうが、事案の詳細より評価されます。

出典

  1. 個人情報の保護に関する法律 第69条(利用及び提供の制限)|e-Gov法令検索

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)

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