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足利市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
足利市の平均給与月額393,915円は、同じ類似団体類型区分の101団体のなかで21番目です。
ところが、地域手当のない77団体だけで並べ直すと4番目になります。
そして地域手当以外は、101団体で14番目。乗るものがない団体としては、かなり厚いほうです。
足利市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、足利市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 足利市 | 101団体での順位 |
|---|---|---|
| ラスパイレス指数 | 98.7 | 31番目 |
| 平均年齢 | 42.4歳 | 43番目 |
| 平均給料月額 | 323,600円 | 22番目 |
| 諸手当月額 | 70,315円 | 26番目 |
| 平均給与月額 | 393,915円 | 21番目 |
| 地域手当以外 | 70,315円 | 14番目 |
平均給与月額(国ベース)は354,007円。地域手当は国の指定基準・実際の支給割合とも0%です。
地域手当が0%なので、諸手当70,315円のすべてが人ごとに違う部分です。総額の17.9%になります。
乗るものがない団体だけで並べると
この101団体のうち、地域手当0%の団体は77あります。
| 見る項目 | 101団体での順位 | 0%の77団体での順位 |
|---|---|---|
| 平均給料月額 | 22番目 | 15番目 |
| 平均給与月額 | 21番目 | 4番目 |
総額が21番目から4番目まで上がります。
理由は、101団体のうち24団体には地域手当が乗るからです。その24団体は、給料表の水準が足利市と同じくらいでも、総額では上に行きます。
混ぜて比べれば、乗るもののない団体は下に押されます。
そして押された結果が21番目です。「給与水準が低いから21番目」ではありません。
「全部が人ごとに違う部分」という状態
地域手当0%というのは、諸手当の全額が働き方で決まるということです。
足利市の70,315円は、101団体のなかで14番目。地域手当を持つ団体も含めた順位です。
この連載では、地域手当以外が総額の14%から18%あたりに収まる団体を多く見てきました。足利市は17.9%で、そのなかでは厚いほうになります。
ただし、これは平均です。同じ団体のなかでも、時間外の量や役職によって大きく開きます。
県内の数字は栃木県職員の転職に、同じ県の市は栃木市職員の転職と小山市職員の転職に、同じ区分の市は今治市職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
足利市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 財政指標の算定・公表 | 管理会計、開示、内部監査 |
| 企業との立地・操業に関する調整 | 渉外、事業開発、法人営業 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 繊維・ものづくり産業の振興 | 事業支援、販路開拓、生産管理 |
| 都市計画、市街地の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「数字を外に出させることで、早く動かす」実務
足利市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
地方公共団体の財政の健全化に関する法律第1条は、この法律が、地方公共団体の財政の健全性に関する比率の公表の制度を設け、当該比率に応じて、地方公共団体が財政の早期健全化及び財政の再生並びに公営企業の経営の健全化を図るための計画を策定する制度を定めるとともに、当該計画の実施の促進を図るための行財政上の措置を講ずることにより、地方公共団体の財政の健全化に資することを目的とすると定めています。
最初に出てくるのは「比率の公表の制度」です。
改善命令でも、罰則でもありません。公表です。
数字を外に出させる。それが、この法律のいちばん最初の仕掛けです。
そして、比率に応じて計画を作らせる。
「早期健全化」と「再生」の2段階が用意されています。
悪くなりきってから動くのでは遅いので、その手前に線を1本引いてあります。
実務は、次のような形になります。
- 決まった算式で、毎年同じ数字を出す
- 出した数字は、外から見える
- 見えるので、悪いときは説明を求められる
- だから、悪くならないうちに手を打つ動機ができる
- そして、数字を良く見せる工夫をしたくなります
企業でも、まったく同じ構造があります。
部門ごとの損益、在庫の回転、不良の率、納期の遵守率、離職率。どれも、出せば見えます。
そして多くの企業で、こうなります。数字を出す部署と、数字で評価される部署が同じです。
だから、定義があいまいなところで調整が入ります。
どこまでを不良に数えるか。どの時点で納期を守ったことにするか。誰を離職に含めるか。
嘘ではありません。定義の解釈の幅のなかです。
そして、定義があいまいなまま何年も同じ数字を出し続けると、その数字は誰も信じなくなります。
信じられない数字は、出しても意味がありません。
算式を決める人と、数字を出す人を分けること。これが、いちばん効きます。
求人票では、管理会計、経営企画、内部監査、品質保証、開示といった名前で書かれています。
書くときのこつは、数字を改善したと書かないことです。算式のどこがあいまいだと気づいたか、そこをどう固めたか、固めたことで悪く出るようになった数字をどう説明したか、そして出した数字が実際に判断に使われたかどうか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
足利で、どの経験が値になるか
1. 算式を固めた経験
解釈の幅を潰す。地味ですが、これができる人は企業にほとんどいません。
2. 悪く出る数字を出した経験
固めた結果、自分の部署の数字が悪くなる。それでも出した経験は、強く読まれます。
3. 数字が判断に使われたかを確かめた経験
出して終わりにしなかった経験は、そのまま管理会計で効きます。
4. 手前の線を引いた経験
悪くなりきる前に動く基準を作った経験は、めったにありません。
県内・県外の求人を見るときに
足利市は栃木県の南西部にあり、群馬県に接しています。両毛地域から北関東全体までを担当エリアとする求人で、拠点がここにあること自体が条件になることがあります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「財政担当」では読み手に何も残りません。算式のどこがあいまいだと気づき、どう固めたか。
説明が通らなかった話を書く
悪く出た数字を、納得してもらえないことがあります。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、予算の規模、扱った事業数、関わった年数。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、建築基準適合判定資格者、公害防止管理者、エネルギー管理士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
川と斜面を見てきた技術者は、扱える人が限られる
堤防、内水の氾濫、山際の宅地、土砂。水と地形の両方を扱ってきた経験は、建設コンサルタントや防災関連の各社から求められます。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。財政に関わったなら、予算の規模、扱った事業数、削減できた額、指標の推移で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 足利市の一般行政職はラスパイレス指数98.7、平均給与月額393,915円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 101団体では総額21番目。地域手当0%の77団体だけで並べると4番目まで上がります
- 混ぜたときに沈むのは給与水準が低い団体ではなく、乗るものがない団体です
- 地域手当以外70,315円は101団体で14番目。乗るものがない団体としては厚いほうです
- 地域手当0%なので、諸手当の全額(総額の17.9%)が働き方で決まります
- 自分が動かせる範囲を切り出すのに、計算が要りません
よくある質問
101団体で21番目なのに、77団体では4番目なのはなぜですか
101団体のうち24団体には地域手当が乗るからです。その24団体は給料表の水準が同じくらいでも総額では上に行きます。混ぜて比べれば、乗るもののない団体は下に押されます。
地域手当がないと損なのですか
決まり方が違うだけです。地域手当は住んでいる団体で決まり、働き方では変わりません。足利市では諸手当の全額が働き方で決まるので、自分が動かせる範囲を切り出すのに計算が要りません。
諸手当70,315円のうち、自分に関係するのはどこですか
全部です。地域手当が0%なので、時間外の量、担当する業務、役職、住んでいる場所で決まります。総額に占める割合は17.9%で、101団体では14番目です。