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調布市職員の転職|経験の活かし方と求人の探し方
調布市の平均給与月額436,289円は、類似団体類型区分が同じ35団体のなかで11番目です。
ところが地域手当を引いた残りの手当59,057円は、35団体で下から5番目。総額に占める割合は13.5%しかありません。
そして地域手当16%の4団体を並べると、松戸市の回で見た地域手当10%の4市とは、正反対の並びが出ます。この回で、その意味を詰めます。
調布市の給与水準を、数字で確認する
総務省の調査によると、調布市の一般行政職は次のとおりです(令和6年4月1日現在)。
| 項目 | 調布市 |
|---|---|
| ラスパイレス指数 | 99.8 |
| 平均年齢 | 41.8歳 |
| 平均給料月額 | 325,200円(35団体で11番目) |
| 諸手当月額 | 111,089円 |
| 平均給与月額 | 436,289円(35団体で11番目) |
| 平均給与月額(国ベース) | 403,443円 |
| 地域手当(国の指定基準) | 16% |
| 地域手当(実際の支給割合) | 16% |
諸手当は総額の25.5%を占めます。
地域手当16%の4団体を並べる
調布市の類似団体類型区分(人口と産業構造による区分)はⅣ-3。全国に35団体あり、そのうち地域手当が16%の団体は4つです。
平均給料月額の高い順に並べます。
| 市 | 平均給料月額 | 諸手当月額 | 地域手当(概算) | 地域手当以外(概算) | 平均給与月額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小平市 | 329,300円 | 125,777円 | 52,688円 | 73,089円 | 455,077円 |
| 町田市 | 327,300円 | 120,316円 | 52,368円 | 67,948円 | 447,616円 |
| 調布市 | 325,200円 | 111,089円 | 52,032円 | 59,057円 | 436,289円 |
| 日野市 | 318,900円 | 111,834円 | 51,024円 | 60,810円 | 430,734円 |
給料月額の高い順に並べると、総額も高い順に並びます。4団体とも例外がありません。
ところが、千葉県の4市では逆でした
松戸市の回で、地域手当が国基準も実支給も10%の千葉県4市を同じように並べました。
| 市 | 平均給料月額 | 諸手当月額 | 地域手当以外(概算) |
|---|---|---|---|
| 市原市 | 321,600円 | 104,151円 | 71,991円 |
| 八千代市 | 321,600円 | 97,282円 | 65,122円 |
| 松戸市 | 315,800円 | 108,149円 | 76,569円 |
| 四街道市 | 302,600円 | 112,255円 | 81,995円 |
給料月額が最も低い四街道市が、諸手当では最も厚い。あのときは給料月額の高い順に、諸手当が低い順というきれいな逆順が出ました。
同じ「地域手当を揃える」という操作です。それでも、16%の4団体では給料月額の順と総額の順がほぼそのまま一致し、10%の4市では諸手当が完全に逆順になる。
都内の数字は東京都職員の転職に、同じ区分の市は町田市職員の転職と府中市(東京都)職員の転職に整理しています。
市は、どういう団体か
調布市は、中核市でも施行時特例市でもない市です。開発許可や建築確認をどこまで市が処理するかは、市によって扱いが異なります。保健所は設置しないので、食品衛生や感染症対策は都道府県の仕事として残ります。
ところが、町村との間にははっきりした線が1本あります。
社会福祉法第14条第1項は、都道府県及び市(特別区を含む)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならないと定めています。一方、同条第3項では、町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができるとされています。
市は必ず置く。町村は置いてもよい。ここが分かれ目です。
そして同条第6項によれば、市町村の福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に定める援護、育成、更生の措置に関する事務のうち、市町村が処理することとされているものをつかさどります。
6つの法律にまたがる給付と措置を、1つの事務所で扱う。これが、市になった団体に必ずある仕事です。
職務経歴書に書くときは、「市役所の仕事」ではなく、担当した事務の名前で書いてください。市の人口と処理件数を添えると、読まれ方が変わります。
市役所の経験は、民間で何と呼ばれるか
| 市役所での仕事 | 求人票での言い方 |
|---|---|
| 予算の要求・査定、財政計画 | 予実管理、投資判断、経営企画 |
| 児童手当など現金給付の事務 | 給付管理、審査業務、支払管理 |
| 保育・学童の受け入れ調整 | 需給計画、オペレーション設計 |
| 生活保護、児童・障害・高齢の措置 | ケース管理、審査業務、与信管理 |
| 課税・徴収、滞納整理 | 債権管理、与信、回収 |
| 都市計画、区画整理、駅周辺の整備 | 用地開発、開発企画、都市開発 |
| ロケーション支援、シティプロモーション | 販促企画、ブランド管理 |
| 上下水道など公営企業 | インフラ運営、事業運営 |
| 市有施設の設計・積算・監督 | 発注者支援、施工管理 |
| 窓口・住民対応の業務設計 | カスタマーサポート、業務設計 |
| 内部管理(人事・財政・総務・会計) | コーポレート、管理部門 |
| 議会対応、条例・規則の改正 | 渉外、法務、規程整備 |
部署ごとの詳しい対応は自治体の部署別 仕事ガイドにまとめています。財政課であれば財政課の経験は民間で何と呼ばれるかで、さらに細かく分解しています。
「責任は相手にある」と明記したうえで支える実務
調布市役所の方に、いちばん強く伝えたいのがこの点です。
児童手当法第1条は、この法律が、子ども・子育て支援の適切な実施を図るため、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とすると定めています。
注目してほしいのは、「第一義的責任を有するという基本的認識の下に」という一句です。
支援する法律が、最初に「責任は相手にある」と書いています。
行政が代わりに育てる、とは書いていません。そのうえで、現金を支給する。
責任の所在をはっきりさせたまま、支える。これがこの法律の設計です。
実務は、次のような形になります。
- 支給の要件に当てはまるかを、書類で確かめる
- 相手の事情に踏み込みすぎず、要件で判断する
- 要件から外れる人には、外れる理由を説明する
- 使いみちには口を出さない
- それでも、届かないところがあれば別の制度につなぐ
「責任を肩代わりせずに、必要なものを届ける」仕事です。
企業でも、同じ構造の場面が増えています。
代理店や取引先への支援、加盟店の運営支援、社内の他部署への支援、業務委託先の管理。「こちらでやります」と言えば、その場は早く終わります。ところが責任の所在があいまいになったまま支援を続けると、相手は判断しなくなります。
そして多くの企業で、二択になります。細かく口を出して相手の自律を削るか、何も言わずに放置して品質が落ちるか。「責任は相手にあると明示したうえで、必要なものだけを渡す」という設計を、誰もしていません。
求人票では、給付管理、審査業務、パートナー支援、加盟店管理、業務委託管理といった名前で書かれています。
書くときのこつは、個人の情報にあたることを一切書かないことです。要件をどう確かめたか、踏み込む線をどこに引いたか、要件から外れる人にどう説明したか、そして届かないところをどうつないだか。この形にすると、そのまま職務能力として読まれます。
調布で、どの経験が値になるか
1. 責任の線を引いたまま支えた経験
肩代わりせずに渡す。この設計ができる人は、企業にほとんどいません。
2. 要件で判断し、理由を説明した経験
外れる人に説明する。この経験は、審査と査定の職種でそのまま使われます。
3. 制度の外側につないだ経験
要件に当てはまらない人をどうしたか。ここが強く読まれます。
4. 大量の給付を期限内にさばいた経験
量が読めて、しかも期限が動かせない。需給計画の実務と同じ構造です。
都内・都外の求人を見るときに
調布市は東京都の多摩地域にあり、都心と多摩地域の両方を担当エリアとする求人が、通勤の範囲に入ります。
まず職種で絞り、そのあとに勤務形態と担当エリアを確認する。勤務地から検索を始めると、リモート可や週数日出社の求人が最初から視界に入りません。
自分の経歴がどう言い換えられるかは、一度話しながら整理したほうが早いことが多いです。どの経験に値が付くのかから相談できます。
職務経歴書に、市役所の仕事をどう落とすか
制度名ではなく、判断したことを書く
「児童手当の事務を担当」では読み手に何も残りません。踏み込む線をどこに引き、外れる人にどう説明したか。
要件から外れた場面を書く
制度は必ず誰かを外します。そのとき何をしたかを書けると、実務があったことが伝わります。
規模を必ず書く
市の人口、対象となる児童数、年間の支給件数、繁忙期の処理量。数字を添えないと規模が伝わりません。
技術職の場合は、探し方が変わる
発注者側の経験そのものが職種になる
「発注者支援」という職種が、建設コンサルタント業界には確立しています。設計の審査、積算の確認、工事の監督、住民説明。市役所でやってきたことが、そのまま職務内容として書かれた求人です。
資格が入口で効く
技術士、施工管理技士、測量士、電気主任技術者、建築基準適合判定資格者、建築士。実務経験の年数が受験要件になっているものは、在職中でなければ積めません。取れるものがあるなら、動く前に取っておいてください。
面接で必ず詰められる2つのこと
「意思決定のスピードに耐えられるか」
行政は手続きの段数が多く、決裁を経て動きます。民間は月次で数字を締め、その場で方針を変えます。稟議の段数を弁解せず、自分の判断で動かした範囲を具体的に答えてください。
「数字への意識があるか」
「利益を意識したことはありますか」という形で聞かれます。給付や許認可に関わったなら、対象者の数、年間の件数、処理までの期間、予算の執行率で答えてください。「行政なので利益はありません」と答える必要はありません。
在職中に進めるときの注意点
顔が知られている前提で動く
市内の企業の多くは、市役所と何らかの接点を持っています。取引先、許認可の相手方、補助事業の対象。在職中の活動が伝わりやすい環境だという前提で進めてください。応募先が現在の担当業務の相手方である場合は、とくに慎重に扱う必要があります。
服務上の扱いを先に確かめる
在職中に得た情報を持ち出すことは避けなければなりませんし、退職後の営業活動についても扱いを確認しておいたほうが安全です。判断に迷う場合は、応募の前に人事担当課に制度上の取扱いを確認してください。
面接の日程は、議会日程から逆算する
地方自治法第211条は、長が毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならないと定めています。市町村は年度開始前20日までに予算を議会へ提出するようにしなければならない、とも書かれています。決算は、出納閉鎖後3か月以内の長への提出、監査委員の審査、議会の認定という順です(第233条)。予算編成の山と定例会の会期中は、平日日中の面接を入れるのが難しくなります。
在職中に決める
公務員には雇用保険が適用されないため、辞めてから探すと収入のない期間がそのまま持ち出しになります(公務員に雇用保険がない理由)。
まとめ
- 調布市の一般行政職はラスパイレス指数99.8、平均給与月額436,289円(令和6年4月1日現在・総務省調査)
- 地域手当16%の4団体(小平・町田・調布・日野)では、給料月額の高い順に総額も高い順に並びます
- ところが地域手当10%の千葉県4市では、給料月額の高い順に諸手当が低い順という逆順でした
- 同じ「地域手当を揃える」操作で、結論が正反対になります。どの団体を選ぶかを決めた時点で、結論はもう決まっています
- 調布市は総額が11番目と高いほうですが、地域手当を引いた残りは59,057円で下から5番目。総額の13.5%です
- 「責任は相手にあると明示したうえで、必要なものだけを渡す」設計は、企業でほとんど誰もしていません(児童手当法1条)
よくある質問
同じ地域手当で揃えたのに、結論が正反対になるのはなぜですか
選んだ4団体が違うからです。16%の4団体では給料月額の順と総額の順が一致し、10%の千葉県4市では給料月額の順と諸手当の順が逆になります。どちらの数字も正しい。つまり、どの団体を並べるかを決めた時点で、結論は決まっています。団体どうしの比較から、転職の判断に使える結論は出てきません。
総額が11番目なのに、手当が薄いというのはどういうことですか
諸手当111,089円のうち、地域手当16%ぶんがおよそ52,032円を占めるからです。引いた残りは59,057円で、35団体で下から5番目。総額に占める割合は13.5%です。地域手当は給料月額に割合を掛けるだけなので、誰にでも同じ割合で付きます。
諸手当25.5%のうち、自分に関係するのはどこですか
地域手当16%ぶんのおよそ52,032円を除いた、59,057円の部分です。総額に占める割合でいうと13.5%。団体の平均と個人の額が近くなりやすい団体なので、去年の源泉徴収票の支払金額が翌年も近い値になりやすく、求人票と比べやすい側にいます。